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絶品シシ料理と美肌の湯を楽しむ公共の宿

2010-05-21 11:25:00 | 大分の温泉など
 少し前に泊まった「風の郷」のレポートを。今発売中の「本当に泊まりたい全国自慢の公共の宿」の取材で泊まらせていただきました。


渡り廊下 公共の宿ながら、お湯の良さ(濃ゆい!)で知る人ぞ知る宿ですが、実際に泊まってみると、「公共の宿」の概念からいい意味で大きくはずれた面白い宿でした。


 まず、建物からして鉄筋コンクリートではありません。敷地内にはレストラン、宿泊スペース、温泉がそれぞれ別棟として建っており、客室は木造の離れが10室(他にコテージもあり)渡り廊下ぞいに続いています。




 私が泊まったのはそのうち温泉付きの101号室なのですが、ここは某国民的アニメの声優さんもお気に入りなんだとか。温泉からは専用庭の紅葉がちょうどきれいに見えました。


部屋浴衣
部屋洗面
温泉付きの101号室



 客室はいずれもウッディで天井が高く、ぬくもりと爽快感が同居した雰囲気です。「公共の宿」の本でも少し触れていますが、客室のしつらえを担当するスタッフを決める「マイルーム大作戦」というのをやっていて、担当スタッフがおもいおもいに部屋を飾ったりしているのです。


部屋洗面



 客室には、本が数冊。これもマイルーム・スタッフの趣味かな?


本



 カフェみたいなスペースがある客室もあります。客室にはすべて広い縁側から出られる専用庭がついていて、わらじを履いて出ることができます。


角部屋わらじ



 こちらが温泉。


温泉



 公共施設ということで大勢の入浴を想定してか、内湯は残念ながら循環…… ですが、上から源泉をジャンジャン加えているせいか濁っているし、ヌルヌルします。PH6.8中性、溶存物質14.07g(つまり14070mg!)、めっちゃ濃いナトリウム炭酸水素塩泉、メタホウ酸や遊離炭酸もかなり含むよい源泉です。塩素の匂いはするのですが、肌触りはかなり源泉を感じるものでした。源泉の温度が38度と若干低いので加温もしているそうです。露天の樽風呂では源泉そのままの湯を楽しめます。


露天



 樽風呂の足元はこんな感じで、炭酸水素塩泉にありがちな千枚皿状態。


樽風呂の足元は千枚皿状態



 さすがに、この4人も入ればいっぱいの樽風呂は人気があって(また湯温が低いせいか長湯する人が多い)、なかなか空きません(笑)広~い岩露天(というか、開放感いっぱいの野天)で入浴しながら辛抱強く待ちます。露天は塩素の匂いもほとんど感じず、竹林を渡る風の音に、見上げると雲を渡っていくような月…… と風流でした。


 ちなみに温泉は、朝6時から8時くらいまでは宿泊者専用になるのですが、露天はその時間は残念ながら使えないということで、それが少し残念でした。


 日帰り客向けに畳敷きの休憩所もあります。


畳敷きの休憩所



 料理はレストランで好きなときにいただきます。定食、丼もの、麺類などいろいろある中でお勧めは名物「豊後シシ山香ぼたん」を使った猪料理。


メニュ-猪料理



 楽天ブログのほうでも紹介しましたが、猪の匂いがまったくしないトロトロのお肉は絶品! 特に醤油味のあっさりしたスープにトロトロのチャーシューのラーメンと甘辛く柔らかく煮たシシチャーシューに温泉卵が絶妙のとりあわせのチャーシューシシ丼はぜひまた食べに行きたい!


ラーメン猪丼



 実はレストランのマネージャーさん、実は猪が苦手だったそうですが、ここのメニューなら大丈夫なんだとか。


 この「好きなときに、好きなものを、お腹と予算にあわせて食べるレストラン形式」は、一人旅や小さな子供連れ、また食事制限中の人など、お客を選ばないよいやり方だと思います。ちなみに敷地内には蔵を模した軽食・麺どころもあります。


 ちなみに朝はバイキング。


朝はバイキング



 ちなみにレストランの入り口は物産コーナーになっていて、地元陶芸家の展示もあります。


展示



 泊まった時はクリスマス間近だったので手作りクリスマスリースの人気投票もやってました。


展示



 宿泊料金は1泊朝食が基本になっています。夕食で会席風コース料理を食べたかったらそれを選ぶこともできます。


 地元の税金が投入されている公共の宿には、「地元還元」「地元の地域振興」という課題があり、ゆえに画一的になりがちだと思うのですが、「風の郷」はスタッフの考え抜いたアイデアで、従来の温泉宿でも公共の宿でもない新しいタイプの湯宿として成功していると思います。国東半島にいくときには選びたい湯宿です。


外観



 風の郷
 HP http://www.kazenosato.jp/index.html




テラスから月を眺める老舗宿のモダン露天付き離れ

2010-02-26 12:06:00 | 大分の温泉など
 東京カレンダーの取材で泊めていただいたもう一軒が、別府・観海寺温泉の松葉屋・月の想。松葉屋は昭和元年創業の老舗旅館、月の想は08年末にオープンしたばかりの新館です。


 観海寺温泉は、いってみるとわかると思うのですが、かなり険しい坂を登った高台にあります。奈良時代に湧出したという別府でも古い湯らしく、坂を登った所に薬師堂があり、そこに松葉屋があります。お湯が湧き出る薬師堂には今もお湯を汲みに来る人が絶えず、取材時にも地元の方が汲みにきていました。


 月の想はそこからさらに上にのぼったところにあるのですが、坂の上の高台にあるだけあって、前方にマンションがあるとはいえ、別府の街越しに高崎山や別府湾、コンディションがよければ遥に四国までをも見渡せます。


 月の想は全体的に老舗のイメージとは全く違うモダンなつくりになっています。ただ、本館との間に自然の林をイメージした木立、レンガ(?)を使った壁と外観はちょっとした「モダン洋館」的な落ち着いた雰囲気が漂い期待がたかまります。


外観



 玄関からラウンジに入ると、石積みの壁がどっしりと迎えてくれます。「別府石」と書かれた壁、別府によく見られる石垣をモチーフにしたもので、モダンな中にも別府の文化や風土でのもてなしを感じられます。


ラウンジ
ラウンジオブジェ



 この素敵な空間で、まずは薬師湯で淹れた紅茶をいただきます。香り高い熱いお茶になごんでしまい写真を撮りそこねました(笑)。


 通されたのはツインの客室。


部屋客室



 月の想の客室にはすべて露天風呂がついています。


部屋の露天



 ごらんのとおり、シンプル・直線的なモダンな感じです。カメラマンさんと「どこかで見た感じが……」と話していたら、以前にやはり東京カレンダーで取材させていただいた「晴海」さんと同じ設計事務所が手掛けていたのでした。なんという偶然!


 井上輝美さんという、ご夫婦でされている建築設計事務所さんの作品なのですが、この設計事務所さんの温泉の客室の使い勝手は、水回りとか、温泉の位置(部屋から見えにくいように)とかが、予算・広さ等々制約があろう中でも、とてもよく考えられていると思います。特に洗面台のライティングがいい。美人に見えます(笑)


洗面



 今回、せっかくなのでお話を伺いにいったのですが、やはり夫婦で大の温泉好きということでした。そんな温泉好きなご経験が、見てくれに走りがちなヨソとは一味違う動線設計を生むのでしょうね。


 ちなみにふさがっていて取材できなかったのですが、メゾネットには2層ともに露天風呂がついているそうです。


 こちらはアメニティ。そのまま小物入れに使えそうな豪華な和布の巾着です。


豪華な和布の巾着浴衣



 茶器も可愛い。

茶器



 露天風呂がついているテラス。


露天風呂付き
テラス2テラス3



 部屋からの目隠しの簾がまたおしゃれ。こんなところもよく考えられています。奈良時代からのお湯は、客室の露天風呂に、月の想の男女別温泉、


温泉



 さらに本館にある趣向をそれぞれに変えた4つの貸切湯で楽しむことができます。


貸切湯1貸切湯2貸切湯3



 月の想からは渡り廊下または庭木の中の散歩道を経て本館へいくのですが、それがちょっとした湯めぐりのようで楽しい。冬場は寒いですが、木立の中にはちょっと座れるようなスペースも用意してあって、これからの新緑の季節の湯あがりにはうってつけですね。


 お湯は無色透明・クセのない単純泉。口にするとほのかな甘味があるだけの柔らかい湯で、料理用に汲んでいく人が多いというのはうなづけます。データ的にはほぼ適温湧出の46度、PH7.0の中性、性格的にはカルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。メタケイ酸は165.2mg、成分総量は486mg。すべて源泉かけ流しで使用なのが嬉しいですね。


薬師湯



 特に中国から取り寄せた巨大一枚岩をくり抜いた「薬師の湯」は木立ち越しに湯船から別府の夜景を見ることができます。


 松葉屋は料理宿としても定評があります。料理長は三代目ご主人・女将の信頼もあつく、15年も調理場を任されているとのこと。また、ダシを飲む料理にはすべて温泉を使用しています。


 個室食事処への通り道、ガラス張りになっている調理場がみえるのも自信の表れでしょう。大きな釜が見えました。


前菜
ディナー1ディナー2
ディナー3ディナー4
ディナー5ディナー6
ディナー7ディナー8
フルーツ食事部屋



 特に私が美味しいと思ったのは蕪とフカヒレの煮もの、生姜風味の茶碗蒸し、コノワタを載せた山芋。お刺身はさすが別府、関サバにヒラメの縁側、味の濃い車エビと選りすぐりです。また、たっぷりのマツタケとともに溶岩で焼く牛肉! 何もつけなくても美味でした。美味しくて写真に撮るのをまた忘れてしまいましたが、鍋はカニ鍋で、こちらも出汁がとても美味しかったです。


 ただ、食事はとても美味しかったのですが、平日だからか、サービスの人が一人しかおらず、忙しそうで呼んでもなかなか来てくれなかったのが少し不満でした。


朝食



 朝ご飯はこんな感じです。一人ずつの御膳と二人盛りの重箱で豪勢な朝ご飯でした! さて、松葉屋で特に印象に残ったのが夜景です。


夜景



 別府の街がキラキラしているのが見えてそれだけでもきれいなのですが、湯あがりにテラスで夜風にあたっていると、別府湾から月が昇っていくのが見えました。


 海の上に光の道をつくりながら昇っていく月は幻想的で、寒さを忘れて長い時間見とれてしまいました。


別府観海寺温泉 旅亭 松葉屋 月の想
HP:http://matsubaya.cc/tsuki_top.html








まるで高級宿の露天付き離れを素泊りで利用できる!

2010-02-19 11:10:00 | 大分の温泉など
 現在発売中の「東京カレンダー」で掲載されている「由布院別邸 樹」。取材で泊まらせていただいたのですが「温泉宿もここまで進化したのか」と感慨深いものがありました。


「由布院別邸 樹」外観



 このお宿は現在3つの離れからなっており(今年さらに新築する予定だとか)、すべて素泊り一人8400円で利用できます。もちろん一人で宿泊もでき、その場合も料金は変わらず8400円。私が取材で宿泊した時も、一人で泊まっているお客様がいらっしゃったそうです。


部屋部屋
部屋浴衣



 一度チェックインすると、あとは我が家状態で好きなように使える離れですが、フローリングの広いリビング(広すぎてテーブルから携帯のコンセントが届きません~♪)と広い和室の二間続きになっています。


玄関



 写真は玄関。玄関からしてこの広さ。


キッチンキッチン



 他に、書斎のように使える小部屋に、電子レンジを備えたミニキッチンあり。


トイレ



洗面 トイレですら布団が敷けそうなこの広さ。ナチュラルウッドを中心に、間接照明を多用した、シンプルながら贅沢なつくりのこの離れ、食事付きで泊まったら3万以上はしそうな雰囲気ですが、8400円(くどいようですが・笑)


 3つの離れのうち2つには露天と内湯がついています。どちらも源泉を好きな温度に自分で調節して24時間自由に使うことができます。


露天



部屋 テラスに据えられた露天は陶器製。こちらは、洗い場(と排水)がないので、内湯を使った後に「浸かるだけ」で。部屋から丸見えになる位置なのが個人的に気になりましたが、


内湯



 切り石の内湯のほうも、2方向のガラス窓をあけて半露天状態になるので、まあいいや、と(笑)由布院の湯を堪能しました。ph8.4、源泉温度47.6度、重曹・食塩泉の性格を持つ単純泉、保湿成分メタケイ酸213mgというよい湯です。


 素泊り宿というとまるで、ホテルが露天付き離れになったかのようですが、ちゃんと女将さんがいて、いろいろと気を使ってくれます。


 素泊りなので食事は基本的に外食利用ですが、5分も歩けば玉の湯のあたりに出られるのでとても便利です。お料理を楽しみに泊まりにいく、というのが今までのお宿のスタンダードスタイルでしたが、お腹と気分にあわせて好きなように外食するというのはまた楽しいものですね♪ もともと外食するときはコース料理よりアラカルト派な私、このスタイルはものすごく気に入りました。


 自転車も無料でレンタルさせてくれます。


 帳場にいる気さくな女将さんは、おしゃべり好きながら、とても優秀なコンシェルジュで、こちらの要望にあわせていろいろとお店を教えてくれるんですよ。自分でいろいろ試しているのがお話しているとすごく伝わりました。仕事じゃなかったらもっといろいろ楽しい情報を聞きたかったです。


 悪天候のときなど、外に出るのが面倒になったら、出前も頼めます。部屋出し風の会席も頼めるそうです。美肌のお湯と贅沢な空間を食と切り離して楽しみたい人、特にダイエット中だけれど温泉でゆったりと贅沢に過ごしたいという人にはうってつけの新しいスタイルの宿だと思います!


 またぜひ行きたいです♪


夜景



 由布院別邸 樹
 http://www.bettei-itsuki.jp/








和とイタリアンの融合創作と極上美肌湯が楽しめる一人旅OK宿♪

2010-02-12 11:44:15 | 大分の温泉など
 先週、別府にて行われた「別府地域懇談会」に参加したのですが、実は別府行きの決め手になったのは、こちらのお宿に泊まるためでした。


 今発売中の「東京カレンダー」で取材させていただきました「粋房おぐら」です。5室に、昨年2室の離れができた小さなお宿です。取材の時は、都合で日帰り取材だったのですが、これは絶対に泊まりたい! と強く思い…… 晴れて約2カ月ぶりの再訪となりました。


 車だったら別府ICのすぐ近くなのですが、最近、一人旅の場合は、できるだけ交通機関+徒歩にしようと思っている私(エコ&ダイエット)、駅からバスを利用しました。鉄輪APU方面行き、「本坊主」で下車、九州横断道ぞいを歩いて徒歩10分もせずに到着します。交通量の多い道ではありますが、道すがらコンビニとか眺めのよさそうなカフェなんかもあり時間があったら寄りたかったかな~。おぐら自体は、横断道路からさらに小道に入ったところにあります。


「粋房おぐら」外観



 雨の日曜日だったせいか、到着時玄関は靴がいっぱい! きくと日帰りのお客さんだそうで「じゃあすぐには温泉に入れないのかな」と少しがっかり。玄関から入ってすぐバーがあります。


バー



 とりあえずはお部屋に案内していただきました。東京カレンダーに掲載されているのは新築した離れですが、今回泊まったのは本館のお部屋。


本館のお部屋



 天窓のある明るい部屋からは鉄輪の湯けむりを見渡す素敵なつくりです。写真は部屋からの眺め。あいにくの雨ですが……。


部屋からの眺め部屋
浴衣洗面



 座卓ではなく、ナチュラルウッドの椅子とテーブルなのですが、一人旅だとなんか社長デスクっぽい(笑)。二人以上だとカフェっぽくなるのかもしれません。


手作りのゆべし



 こちらは女将さん手作りのゆべしとお茶セット。もちもちして美味しいです。1万円台の宿なのに黒っぽくて美味しそうな茶葉が用意されています。最近はティーバックが多いのに珍しい♪(湯のみもこまめに取り替えてくれて、サービスの細やかさを感じました。食後には冷たい水が入ったポットも用意)


 しかし、部屋の写真を撮影したり、お茶を飲んでほっとしたりしているうちに30分ほど経過、「あいたかなー」と温泉に降りてみると、あいてました♪ さっそく青く変わることもある「照湯」に入ります。


照湯



 その日は、鉄分が色濃くでていたのか緑がかった褐色でした。

照湯・・・褐色



 しかし鉄が多いのは私にはむしろ歓迎です。雨が褐色のお湯に水玉模様をつくる中、ぞんぶんに温泉につかります。露天用にすげ笠も用意されています。


 おぐらの温泉はそれぞれ趣向を変えて7か所あり、すべて貸切利用OKになっています。館内から下駄に履き替えて、渡り廊下をくだっていくのですが、この下駄が「カキの種」みたいな形でカワイイ♪


廊下下駄



 単純泉になっていますが、成分総計0.855と濃い目です。ナトリウム塩化物泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉の性格を持ちPH8.2、保湿成分メタケイ酸も195mgと豊富に入っています。湯触りは由布院の青湯ほどトロトロでもないですが、それでも柔らかくてお肌にいいのがありありとわかる感じです。


 その日はメンテナンスの都合であいにく4か所の利用だったのですが、全制覇しました。特に気に入って3回もいってしまったのが「白妙の湯」。


 これは東京カレンダーで大きく扱ってある離れの湯なので、その離れに宿泊のお客さんがいたら入れないところでした。湯屋と居間が大木の一枚板で結ばれています。居間のほうは鍵がかかっていますが、欄間細工を使った洗面所など、ゆかしい細工は温泉利用だけでも堪能できます。


湯屋への道欄間細工



 白妙の湯は内湯のみなのですが、湯屋の中に檜風呂をはじめ、3つの湯船があるのです。丸くくり抜いた石風呂に釜風の風呂など、小さな湯船ごとに湯の温度が違っているので、めぐりながらつい長湯してしまいます。


3つの湯船檜風呂



 写真は骨董? の小皿が埋め込まれた湯樋

小皿が埋め込まれた湯樋



 横断道路を通る車の音が聞こえてはきますが、3つの湯船のお湯にぞんぶんに和みました。特に朝ごはんの後、雨の音をききながらの湯が最高でした。


 お料理がまた美味しいんです。一人旅には嬉しい部屋食でのお料理は、和風にイタリアンの素材や料理法を加えた独創的なもの。グラタンとか和+フレンチとの融合はよく見るのですが、和+イタリアンは九州ではあまり見かけないので新鮮です。取材でいただいたお料理(ハモのしゃぶしゃぶ)も美味しかったのですが(それで絶対に来ようと思ったのですが)、今回いただいたのも料金的に一番安いものだったのに、大変美味でした!


 前菜からして、クリームチーズ入りのホッキ貝のサラダとか、里芋をパンチェッタで巻いてバルサミコをかけたものとか、わくわくします。


前菜刺身酒
トマト鍋茶碗蒸しお肉




 御造りがまた絶品でした! 品書きによると「鯛のミルフィーユ仕立て」とあるのでなんだろうと思ったら、鯛の御造りに、筍の薄皮をミルフィーユに見立てて添えてあるのでした。これを梅醤油で食べると、歯触りとともに立ち上る爽やかな筍の香り、鯛の甘みに早くも春を感じさせる素晴らしい味! 関鯵も美味、美味しくてツマまで残せません! お酒は御造りにあわせて臼杵の「九六位」をオーダーしたのですが(美味でした)トマト鍋に、コーンとチーズが入った茶わん蒸しといい、ワインでもよかったかもしれません。


蒸篭蒸しデザート



 焼き物の豚肩ロースに野菜を添えたものもボリュームがあり、最後のじゃこと山菜のせいろ蒸し(温泉で蒸したそうです)を頂く頃には気持ちいい満腹感がありました。


 デザートは爽やかに柚子シャーベット。


 料理の量より、工夫のこらされた華やかな味に満足する感じが嬉しかったです♪ また食べたいです。


 朝ご飯は、部屋の前にある小部屋に用意していただきました。


朝ご飯



 お湯もよく、料理も美味しく、交通の便もよい♪ サービスもベタベタしないけれど、行き届いたいい感じでした。宿泊料金も高くない(一人旅で15900円)ので、また気楽にのんびりしに訪れたい宿です。いや~本当に期待通りの、素敵なお宿でした。こういうお宿に出会うと、「また頑張ろう!」と思えますね♪


 粋房おぐら
 HP:http://www.suihouogura.com/








山の和み宿で雪見の朝風呂♪ 筋湯温泉 白滝

2010-01-22 11:20:00 | 大分の温泉など
 さて、大雪が降った日に泊まった筋湯温泉の白滝です。


 以前取材でうかがったときに、一度泊まりに来たいな~、と思っていてようやく来ることができました。


 到着したときはまだ雪は積もっていなかったのですが、大雪の予報がでていたのでJR+バスでアクセスしたのは前回書いたとおり。都合のいいことに、白滝は筋湯温泉のバス停のまん前です! ラッキー。


 玄関ならびに外観は民芸風のたたずまいです。一階建てに見えますが、実はフロントが3階で、客室は地下にあるという渓谷に面した宿らしいつくりです。客室階に下りていくと、リノリウムばりの廊下に、各部屋についたマンションっぽいバルコニーが鉄筋っぽい雰囲気ではありますが、照明を和紙で覆ったりなど温かみを加える努力がされています。


廊下廊下



 客室は和室で、バルコニーからは渓流と九重連山に抱かれた筋湯の温泉街が見渡せます。金庫に空の冷蔵庫付き(缶ビール自販機は1Fにあり)。お茶は煎茶ティーバックでした。普通の和室ではありますが、お部屋の清潔感は申し分ありません。


部屋洗面浴衣



 写真は客室からの眺め。


客室



 温泉は、男女別岩露天が1つずつに、貸切内湯が4つ。貸切内湯のうち2つ、切り石の内湯は宿泊者ならばあいていれば24時間いつでも入れます。


貸切内湯1貸切内湯2



 鉄の非常口をあけて、団地風の階段を下りていくのですが、貸切湯の前はこんな感じで懐かしい和の雰囲気。あとの2つはフロントで鍵をもらって入るのですが、私が入った1つは打たせ湯がついていました。温泉はもちろん源泉かけ流しです。無色透明な湯は、なんとなくダシのような香りがします。PH6.4の中性、溶存物質1504mgのナトリウム塩化物泉。塩化物泉以外には、硫酸塩泉の性格も少しもっているようです。特に、ヌルヌルしたり、ということはないのですが、メタケイ酸も155mg入っていて、肌に刺激の少ない美肌の湯といえるでしょう。写真は朝湯の露天。雪見風呂でした!


露天



 川の近くで屋根が途切れていて、低い植え込みごしに対岸の木々が見えます。立ち上がると温泉街が見渡せるのは客室と同じ。…… ということは、立ち上がると温泉街から丸見え、ということになります(笑)。温泉街の見晴らしは客室から楽しむのがいいでしょう♪


 露天までは、こんな感じの階段をくだります。


廊下



 山の宿の湯、という雰囲気が高まりますね♪


露天



 木枠に籠が入った脱衣所。素朴で風情がありますが、蓋をあけたままの化粧水を置く場所が極端に狭い(笑)。宿泊客は共同打たせ湯のコインを無料でくれますが、今回はいきませんでした。


 さて夕食は、別の客室に用意していただきました。たまたまその日のお客さんが少なかったということで、「肉を焼いた臭いがこもらないように」との配慮です。テレビをみながらゆったりといただきます。


 できたものから1品ずつ運ばれてくる料理は、海のものは入っていない山の幸。


前菜1前菜2前菜3
夕食1夕食2
夕食3夕食4
夕食5夕食6
夕食7夕食8"



 以前の取材によると、ご家族でつくっているということでしたが、カモ吸いにふろふき大根や、わかさぎのゴマ揚げ、山芋の茶碗蒸しと、素朴ながら手が込んでいて、山の湯の宿らしい和める味に大満足でした。豊後牛も、この料金の宿で出るお肉にしては、素晴らしく柔らかくて美味しかったです♪ 量は大食いの私に苦しくない程度で、これもちょうどよかったです。朝ご飯はこんな感じ。


朝ご飯



 民芸風の広間で籠盛りのおかずに、卵かけご飯など。


民芸風の広間



 ふと顔を上げるとこんな感じの雪でした。


雪



 宿の方もとても親切で、乗る予定のバスが運休になってしまったので(運休になったというのも教えてくれた)、新清館まで送ってくれました。その際、景色がいいほうの道を選んでいってくれて感激でした!


 ちなみに宿泊料金は部屋食で13000円です。一人旅加算なし、部屋食でなかったら11000円です。派手なしつらえなどはなく、雑誌などにはあまり紹介されないですが、お湯、料理、客室、サービスとすべてバランス良く、11000円の宿としては大大満足でした。


 特に雪見の朝風呂はめちゃめちゃ気持ちよかった! またのんびりしにいきたいですね♪


旅館 白滝 旅館 白滝
 HP/http://www.shirataki.jp/top.html