日奈久温泉・薩摩街道めぐりでぜひ立ち寄りたい湯

2010-05-28 11:23:16 | 熊本の温泉など
 昨年開湯600年で日奈久温泉センターも装い新たになった日奈久温泉。湯街を薩摩街道がつらぬき、郷愁を誘う温泉街はまさに散策にぴったり。「金波楼」など明治創業のままの建造物に泊まれる宿もあり、ここだけの魅力満載な温泉地であります。


日奈久1日奈久2
日奈久3日奈久4



 そんな日奈久は、日奈久温泉センターをはじめ、公衆浴場や、元湯治宿や旅館が湯だけを利用できるようにしてあったりして、庶民感覚の日帰り湯をいくつもめぐれるのも楽しみだったりします。


 中でも私がお勧めなのが薩摩街道ぞいにある「松の湯」。もともと湯治宿だったのが、今は温泉だけ営業しています。


松の湯



 温泉は木造りの脱衣所から数段降りたところにあるタイルづくり。番台に座る竹下さんによると、浴槽はほぼ創業当時のままだそう。男女でタイルの色が違うのですが、どちらもいい色です。天井は湯気(ほけ)抜きという、伝統的な温泉のつくりになっています。温泉はもちろん源泉かけ流し。浴槽はぬるめと熱めに区切られています。


タイルづくり湯気(ほけ)抜き



 私が訪れた時は、男湯からしばらく歌声が響いていました。それがスピーカーで鳴らしたようなよい響き具合で外までよく通っていました(笑)。浴場の反響でしょうか、なかなか上手でした。人の少ない午前中に歌いにくる常連さんだそうです。女湯から拍手が起きるとますます歌声は大きくなるそうです。そんなお話をうかがっている間に、番台には常連のお客さんが次々とやってきます。


番台



 地域の社交場を兼ねた湯では常連さん同士が「あぎゃんして、こぎゃんして」と賑やかにしゃべりあいます。番台奥には時代を感じさせる階段が。湯治客を迎えていた2階へと続きます。元々は駐在の建物だそうです。


階段



 番台には創業当時の日記が残されていました。
 「昭和6年に棟上げをした」「昭和7年1月営業開始」
 当時の入湯料2銭…… など、細かく書き記された貴重な資料です。


日記



 番台には山頭火の句がかけられています。いつまでも在り続けてほしい湯です。


番台には山頭火の句



 午前中にいくとゆったり入れる上に、歌声に出会えるかもしれません。私もぜひまた行こうと思っているのですが、なかなか行けてないのがとても残念です。


 写真は日奈久の地サイダーと伝統の手にぎり製法をまもる「おおぎちくわ店」のちくわ。


日奈久の地サイダー「おおぎちくわ店」のちくわ



 松の湯のHPはありませんが日奈久を訪れるならぜひここを参考に

日奈久・路地裏ツーリズム



 また楽天ブログではご当地ソムリエとして私が個人的にリピートしたい九州の温泉や宿その他を不定期に紹介していますのでこちらもご覧ください。


 ◇温泉観光士!高山恵の九州温泉案内 - 楽天ブログ(Blog)



絶品シシ料理と美肌の湯を楽しむ公共の宿

2010-05-21 11:25:00 | 大分の温泉など
 少し前に泊まった「風の郷」のレポートを。今発売中の「本当に泊まりたい全国自慢の公共の宿」の取材で泊まらせていただきました。


渡り廊下 公共の宿ながら、お湯の良さ(濃ゆい!)で知る人ぞ知る宿ですが、実際に泊まってみると、「公共の宿」の概念からいい意味で大きくはずれた面白い宿でした。


 まず、建物からして鉄筋コンクリートではありません。敷地内にはレストラン、宿泊スペース、温泉がそれぞれ別棟として建っており、客室は木造の離れが10室(他にコテージもあり)渡り廊下ぞいに続いています。




 私が泊まったのはそのうち温泉付きの101号室なのですが、ここは某国民的アニメの声優さんもお気に入りなんだとか。温泉からは専用庭の紅葉がちょうどきれいに見えました。


部屋浴衣
部屋洗面
温泉付きの101号室



 客室はいずれもウッディで天井が高く、ぬくもりと爽快感が同居した雰囲気です。「公共の宿」の本でも少し触れていますが、客室のしつらえを担当するスタッフを決める「マイルーム大作戦」というのをやっていて、担当スタッフがおもいおもいに部屋を飾ったりしているのです。


部屋洗面



 客室には、本が数冊。これもマイルーム・スタッフの趣味かな?


本



 カフェみたいなスペースがある客室もあります。客室にはすべて広い縁側から出られる専用庭がついていて、わらじを履いて出ることができます。


角部屋わらじ



 こちらが温泉。


温泉



 公共施設ということで大勢の入浴を想定してか、内湯は残念ながら循環…… ですが、上から源泉をジャンジャン加えているせいか濁っているし、ヌルヌルします。PH6.8中性、溶存物質14.07g(つまり14070mg!)、めっちゃ濃いナトリウム炭酸水素塩泉、メタホウ酸や遊離炭酸もかなり含むよい源泉です。塩素の匂いはするのですが、肌触りはかなり源泉を感じるものでした。源泉の温度が38度と若干低いので加温もしているそうです。露天の樽風呂では源泉そのままの湯を楽しめます。


露天



 樽風呂の足元はこんな感じで、炭酸水素塩泉にありがちな千枚皿状態。


樽風呂の足元は千枚皿状態



 さすがに、この4人も入ればいっぱいの樽風呂は人気があって(また湯温が低いせいか長湯する人が多い)、なかなか空きません(笑)広~い岩露天(というか、開放感いっぱいの野天)で入浴しながら辛抱強く待ちます。露天は塩素の匂いもほとんど感じず、竹林を渡る風の音に、見上げると雲を渡っていくような月…… と風流でした。


 ちなみに温泉は、朝6時から8時くらいまでは宿泊者専用になるのですが、露天はその時間は残念ながら使えないということで、それが少し残念でした。


 日帰り客向けに畳敷きの休憩所もあります。


畳敷きの休憩所



 料理はレストランで好きなときにいただきます。定食、丼もの、麺類などいろいろある中でお勧めは名物「豊後シシ山香ぼたん」を使った猪料理。


メニュ-猪料理



 楽天ブログのほうでも紹介しましたが、猪の匂いがまったくしないトロトロのお肉は絶品! 特に醤油味のあっさりしたスープにトロトロのチャーシューのラーメンと甘辛く柔らかく煮たシシチャーシューに温泉卵が絶妙のとりあわせのチャーシューシシ丼はぜひまた食べに行きたい!


ラーメン猪丼



 実はレストランのマネージャーさん、実は猪が苦手だったそうですが、ここのメニューなら大丈夫なんだとか。


 この「好きなときに、好きなものを、お腹と予算にあわせて食べるレストラン形式」は、一人旅や小さな子供連れ、また食事制限中の人など、お客を選ばないよいやり方だと思います。ちなみに敷地内には蔵を模した軽食・麺どころもあります。


 ちなみに朝はバイキング。


朝はバイキング



 ちなみにレストランの入り口は物産コーナーになっていて、地元陶芸家の展示もあります。


展示



 泊まった時はクリスマス間近だったので手作りクリスマスリースの人気投票もやってました。


展示



 宿泊料金は1泊朝食が基本になっています。夕食で会席風コース料理を食べたかったらそれを選ぶこともできます。


 地元の税金が投入されている公共の宿には、「地元還元」「地元の地域振興」という課題があり、ゆえに画一的になりがちだと思うのですが、「風の郷」はスタッフの考え抜いたアイデアで、従来の温泉宿でも公共の宿でもない新しいタイプの湯宿として成功していると思います。国東半島にいくときには選びたい湯宿です。


外観



 風の郷
 HP http://www.kazenosato.jp/index.html




元禄から続く酒蔵で杜氏さんが自由に作った一本

2010-05-14 12:13:30 | 福岡の温泉など
 先日、田主丸~吉井・うきはに日帰りプチ旅してきました。新しい店開発ではなく、何度も訪れているリピートばかりなのですが(笑)、ゆえにさすがにアタリばかりで楽しい一日となりました。


 田主丸の「若竹屋酒造」→「シェ・サガラ」→うきはの「たねの隣り」… というコースなのですが、夏に向けて美味しい純米酒を、と最初に寄った若竹屋で素晴らしい逸品に出会いました。


若竹屋酒造



若竹屋酒造・蔵の入り口 若竹屋酒造は江戸時代から実に300年以上続いている老舗の酒蔵なのですが、田主丸に建つ蔵も同じ歴史を刻んでいるといいます。元禄12年、つまり1699年ですから、時の将軍は犬公方・徳川綱吉、赤穂浪士討ち入り事件の3年前ですね。ちなみに最近流行りの坂本龍馬が生きた時代よりさらに150年も前からある蔵だからスゴイ。写真は蔵の入り口。


 その蔵で、店で売っている酒すべての試飲ができるのです。


 床は昔ながらの土間で、中はひんやりしています。


 辛口の純米酒を探していた私ですが、あまり詳しくはないので「無農薬」「無ろ過」といったキーワードに目が止まります。


純米酒



 ちなみに「無ろ過」のお酒は、最後の火入れをしていないのでお酒の中の酵母が生きていて、味がどんどん変わっていくそうです。


 試飲すると、ウン、違う。火入れしているものと比較すると、「尖り具合」が鋭い。ジャムと生果物の差、みたいなものの酒版というか。


 感動していると、最後に登場したのがコレ。「横尾」。写真右の田園風景のラベルがそれです。


横尾



 一升瓶でデーンと登場したこのお酒、杜氏さんに一本だけ好きなように作ってもらったお酒、だといいます。酒米には「雄町」を使い、「スモーキー」な香りがする酵母を使ったというこのお酒ですが、香りはいたってフルーティ。ワインみたいなよい香りですが、口にすると…


 …。


横尾



 驚きました。


 なにこれ、こんなお酒、飲んだことありません。豊かな辛口に、あとから燻製の香ばしい香りが追ってくるのです。炭火焼というか、キャンプファイヤーというか。温かな炎を連想させる香り。この香ばしい香りにすっかりほれ込んでしまい、生まれて初めて一升瓶を買いました(横尾は一升瓶のみの販売なのです)。


 当然予算外でしたが、家に帰ってあらためて飲んで、私の選択は間違いじゃなかったな、と喜びつつ、保存用にどうぞ、ともらった720mlの瓶に移し替えて冷蔵庫にいれたのでした。


 一升瓶は、消費量の少ない家庭の場合、何度も傾けて注ぐと味が落ちるので720mlの瓶2本に移し替えておくのがよいそうです(余りはそのときに飲む)。


 といいつつ、あまりに美味しく(香ばしい燻製の香りがあとをひく!)チョイチョイ飲んでしまってます。すぐに追加を買いに行くことになるのかもしれません。


 ちなみに若竹屋の蔵の隣は、有名な「和くら野」。蔵料理として、できたてのお豆腐や鶏の赤ぶどう酒煮に美味しいお酒をあわせていただくこともできます。本物の、代々磨きこんできたゆかしい風情極まる蔵屋敷の中の雰囲気も素敵です(平日におひとり様で食事したことありますが、寛げましたよ)。


 田主丸駅から徒歩10分ほどなので、お酒を飲む人は電車でどうぞ。


 若竹屋公式サイト
 HP:http://homepage3.nifty.com/wakatakeya/







神社から湧くヌルヌル美肌湯・紫尾温泉のお気に入り宿

2010-05-07 13:08:47 | 鹿児島の温泉など
 予告通り、宿泊レポートを。鹿児島県紫尾温泉にある「くすのき荘」です。ここは2006年に大人のウォーカーで訪れて以来、再訪したくて仕方がなかった宿です。


 紫尾温泉は紫尾山麓の田園地帯にある北薩・ヌルヌル美肌湯の1つで、神社の下から湯が湧き出ているのです。そのアルカリの強さは、それを利用してつくる干し柿「あおし柿」が名物になるほど。


 共同湯と宿3~4軒の小さな温泉地なのですが、バスがない……。最寄りは温泉から5~6キロ離れた宮之城温泉もしくは、もう少し離れた宮之城市街地になりますが、宮之城温泉行のバスは極めて少ない上に鹿児島から乗り換え2回(だったと思う)。肥薩おれんじ鉄道を利用した私は比較的本数が多い川内→宮之城市街のバスに乗りました。よくわからないので宮之城車庫という終点まで乗りましたが、少し失敗。紫尾温泉へは「宮之城駅」のほうが近かったらしいです。木造りのレトロ~なバス営業所にたった一人だけいた女事務員さんに頼んで(建物の雰囲気から、「スタッフ」などというより「事務員さん」という言い方が似合う・笑)タクシーを呼んでもらったのですが、紫尾温泉入口まで2500円までかかりました。ちょっと痛い出費です。ルートも途中までは歩けそうでしたが、紫尾に近づくにつれて人気も歩道もない道になってくるのでここもできればマイカーでアクセスしたほうがいいでしょう。


 くすのき荘は共同湯の斜め前にあります。10室ほどの小さな宿です。


外観



 宿の前で振り返ると共同湯、つまり神社があります。


宿の前で振り返ると共同湯



 玄関まわりは06年に訪れたときのままでした。


ラウンジ



 さっそく部屋に案内していただきます。私が通されたのは、こたつがしつらえられた8畳間で窓からは緑が見えます。部屋の入り口まわりや縁側もゆったりつくってあって、一人旅には十分な広さです。写真に写っていませんが金庫もちゃんとあります。部屋にドライヤーはなかったですが、温泉の脱衣所にありました。お茶も茶葉で用意(ティーバックで手を抜く宿が多い昨今、嬉しいことです)。


部屋1部屋2
洗面廊下



 温泉は宿泊棟から渡り廊下を渡っていきます。


外観渡り廊下



 湯小屋、という感じの木造りの素朴な感じで、男女別に分かれています。ここの一番の魅力、温泉は、内湯と露天で楽しめるのですが、内湯には神社から湧き出る「神の湯」、露天には自家泉源と2種類の違う温泉が味わえるのです。どっちも硫黄の香りがして少し甘苦い感じのお湯。硫黄の香りに慣れさえすれば美味しく感じガンガン飲んでしまいました(飲泉はもちろん可)。ちなみに硫黄泉なので飲んだら、お通じがよくなります。


 前の時は、この湯で地焼酎の温泉割をしてたいそう美味しかったので、食事の時に申し出たのですが、スタッフさんには「やってない」といわれてしまいました。しかし帰りに若女将さんに聞いたら「美味しいですか? お好きならお持ちしましたのに。お送りしましょうか?」とありがたいお言葉。温泉で焼酎を割ると、芋のクセが増長されて嫌うお客がいるので、おおっぴらには出さなくなったらしいです。しかし私はむしろそれが好きだ~♪


 肌触りは、内湯も露天もいずれも、自分の体をいつまでもナデナデしたくなるような、ヌルヌル湯。43.2度と適温湧出ゆえに加水・加温なし。正真正銘の源泉かけ流し湯です。ph9.4・溶存物質379mg の重曹泉の性格を持つ単純硫黄泉。ヌルヌルの単純硫黄泉にしてはメタケイ酸の含有が68mgと若干多めなのも私には嬉しい。露天は岩風呂と寝湯が、タイルづくりの内湯には乾式サウナと小さな水風呂があります。


露天1露天2
内湯寝湯



 温泉と水風呂のかわりばんこ入浴は、気持ちよくてこたえられません~♪


 料理が美味しいのも「くすのき荘」の魅力の1つです。前回いただいた黒豚の温泉しゃぶしゃぶも美味しかったのですが、今回もとても美味でした。前回と変わっていたのが食事処。改装したのか、個室っぽく区切られていました。お客さんが多かったのでしょうか、一人客の私は、二人客のお客さんと衝立で区切られて1部屋を使用。ブルーライトを使った不思議なライティングは健在(笑)で、料理写真はすべて青っぽいですがご容赦を。


肉料理前菜
鍋刺身
小鉢蕎麦
天ぷらデザート



 鹿児島らしく厚切りのカツオが乗ったお造りも、海鮮鍋も、手打ちそばも山菜の天ぷらもどれも美味しかったです。地鶏のたたきや鹿刺しといった野趣あふれるものが出た前回より無難な素材にはなっていましたが、味的には前回同様◎、満足でした。地元・紫尾の名前がついた焼酎はたっぷりあり、部屋に持ち帰りました。


 朝食は大広間にて。


朝食



 ちなみに朝食前に共同湯にいってみました。前の時よりキレイ、というか風情がなくなっていました。普通の町営浴場のような感じです。お湯はさすがによかったですが……。というわけで、朝食の後もう1回、宿の温泉を楽しみ、宿泊中、足掛け4回湯を楽しみました。


共同湯外観
共同湯
足湯



 帰りは若女将さんに送っていただき(一人旅なのに申し訳なかったです)ました。仕事柄、初めての宿を選ぶことが多く、いい宿でもなかなか再訪することができないのですが、この「くすのき荘」のように、前回もよい印象だった宿が、前に訪れた時よりさらにいい宿になっていると、とても嬉しく、旅自体が充実しますね。湯自体も大変素晴らしいので、またぜひぜひ訪れたいです*^_^*


 記念日系・プレゼント系のゴージャスな宿ではないですが、本当に温泉が好きな人がほっこりするのにお勧めです。



 くすのき荘(公式HPなし)
 鹿児島県薩摩郡さつま町紫尾2162
 0996-59-8841
 1泊1万くらい。一人旅1万2000円











西郷隆盛も通った山の中のひなびた湯街・川内高城温泉

2010-04-30 12:26:41 | 鹿児島の温泉など
 北薩(鹿児島県北部)はアルカリ硫黄泉、すなわちヌルヌル系の美肌湯の宝庫。大の温泉好き偉人・西郷隆盛が訪れた湯も多いのですがそのうちの一つが川内高城(せんだいたき)温泉です。


 肥薩おれんじ鉄道の旅のついでに立ち寄ってきました。西方駅または薩摩高城駅からタクシーを利用(バスはあるが一日4本くらいであまり使えない)、地図で見たら4~5キロだったのですが、西方駅からは1350円、薩摩高城駅からは1650円と、高い立ち寄り湯になってしまいました。泊まりだったら送迎がある宿もあり。


 しかし、女性が一人で歩いて行くには、かなり心細いような山道から田舎道をわけいっていくので、タクシーを利用したのは正解でした。まあ、普通はマイカーでアクセスするのがいいでしょう(笑)。


 そんな山の中に忽然とあらわれるひなびた湯街。それが川内高城温泉です。


 鎌倉時代の「薩摩国建久図田張」(1197年)にその名を記されたという、鹿児島県内でも古い温泉は、昔の湯治場風情を残したまま、静かに肩を寄せ合うようにそこにありました。本当に静かで両側を囲む山々からの野鳥のさえずりがひびきわたるほどです。


湯街1湯街2
湯街3湯街4



 竹細工屋さんがあるも人影なし。


竹細工屋



 温泉街の入り口には西郷さんがお出迎え。


温泉街の入り口には西郷さん



 西郷さんが幕末から明治まで狩りと温泉を楽しんだと書いてあります。この人形は痩せているから、若いころのイメージでしょうか(笑)。1844年頃に工事の仕事で訪れたのが最初だといいます。12年くらい前に取材で来たときから同じ顔です。やや顔色が悪くなってますね。


 「西郷隆盛 宿泊跡」なんて案内も。


西郷隆盛 宿泊跡



 『西南戦争の4年前の明治6年旧10月、西郷さんが4~5人の供をつれて兎狩りに来られました。上床ミノさん宅の6畳二間に幕を張って1週間滞在』とあります。


 いくつか湯はありましたが、いちばんメジャーっぽい「ホテルマル善」に立ち寄り湯。ジャングル風呂で有名な宿です。


ホテルマル善



 ジャングルというよりは巨大な温室のような温泉。硫黄の香りが立ち込めています。


ジャングル



 53.7度の源泉は、加水せず特殊な装置で適温にし、源泉かけ流し。つまり源泉のままの湯が楽しめるのですが、ph9.3の湯は本当にトロトロのぬるぬるです。湯の中でなめらかな肌触りを思わずナデナデしてしまう気持ちよさ。


 泉質は単純硫黄泉(溶存物質267mg)、ナトリウム硫酸塩泉・ナトリウム炭酸水素塩泉の性格を持っています。


 外には露天もあります。露天には小さな岩ぶろの水風呂がついています(内湯にはサウナもあり)。


露天



 ヌルヌル湯と水風呂を往復する気持ちよさ。入湯料300円分以上の値打ちでした♪


 ちなみに、西方駅からは海岸の景勝地「人形岩」へ歩いて行けます。砂浜ぞいに散歩道も設けられていて、今の時期は気持ちいいです。


海岸の景勝地「人形岩」
散歩道