「ゲゲゲの鬼太郎」のまち境港にいってきました!

2009-11-27 11:54:16 | 中国地方の温泉など
 取材で鳥取県は境港にいってきました♪ すぐ近くの島根県松江市までは毎年のようにいくのですが、境港は初めてです。ちなみに福岡から高速利用で6時間くらいかかります(笑)。でも一度行ってみたかったのでラッキー☆


 境港といえば、松葉ガニ、今年の2月にさぎの湯温泉でいただいたカニも境港に揚がったカニでした(旨かった~♪ 今年食べた美味しいものの中ではベスト1ですね)。そして来年の朝ドラ「ゲゲゲの女房」の舞台、つまりゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげるさんの生まれ故郷というのはすでに有名。水木しげるロードには妖怪たちとゲゲゲファミリーのグルメ&グッズを売る店が大集合し、平日だというのに地方の商店街とは思えないほどの活況を呈していました。写真はおなじみ「ねずみ男」。


「ねずみ男」



 取材したのは「水木しげる記念館」。1時間の予定が2時間くらいいたのですが、それでも足りなかった! 1階は水木しげる氏と妖怪の紹介コーナー…… というより、お化け屋敷といったほうがいいかもしれません。


「水木しげる記念館」1「水木しげる記念館」2



 薄暗い中に、妖怪がケケケケケと笑いだし、のんのん婆の声で妖怪の紹介が流れる……。小さな子どもは泣き出してしまうことも多いというのもうなづけます。水木しげるさんの年譜も興味深かったです。39歳まで独身だった(今はわりとアタリ前?)水木さん、奥さんとはお見合いで知り合ったとのことですが、出会ってわずか数日で結婚しているんですよね。当時はまだゲゲゲもヒットしておらず、安定収入があるわけでもない水木さんです。「食べること」「眠ること」が最優先だという水木さんです(まるで私やん)。しかも、結婚してすぐに奥さんは水木さんの漫画の手伝いにせいを出している。奥さんと結婚して5年後、ようやく「ゲゲゲ」がヒットするわけですが……。


 口伝えできかされた妖怪イメージをユニークな絵として活写した水木氏も素敵ですが、夢を追う39男を伴侶に選び、支えた奥さんもスゴイ。そのへんの心境や経緯をどう描くのか、来年の朝ドラがちょっと楽しみになりました。写真は水木氏が描いた人生絵巻。


「水木しげる記念館」3



 2階には「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターの解説や(鬼太郎の肌から白い粉が出るとか、ねずみ男が結婚詐欺にだまされたことがあるとか…… 初めて知ることがいっぱい!)東海道五十三次の水木しげる氏によるパロディー絵(といっても大変精緻)とか、また作品を自由に読めるライブラリーもあり。


 そしてこの記念館の最大のウリは、「再入場できること」。1階で「ゲゲゲ」に興味を持ち、2階のライブラリーで読み込んで、途中で、水木しげるロードにお昼を食べに行ったりして、また戻ってきて続きを読む…… なんてことが可能なわけです。


 記念館を拠点に、一日でも飽きない水木しげるロード、また訪れたいですね! こちらは妖怪がほっこりなごむ庭園(記念館は元料亭だそうです)。


「水木しげる記念館」4



 水木しげる記念館
 http://www.sakaiminato.net/mizuki/


 こちらは、
 「ごはん屋 漁火」の海鮮丼(上)。

海鮮丼



 カニの甲羅がトッピングされたカニまるごと丼が有名なお店です。カニは残念ながら取材の都合上いただけなかったのですが(通年版の本なので、シーズン物の撮影を選ばなかったのです。残念)海鮮丼も大変美味でした~♪お父様が美保関の漁師というご主人「船に酔うから漁師にならず」に料理人になったということですが、わば新鮮な魚についての英才教育を受けてきたようなものでしょう。こちらはご自分で採ったという岩のり。袋から出すと磯の美味しそうな香りが鼻をくすぐりました。


岩のり



 仕入れによって変わるという刺身、その日はキンメ・ヒラメ・マダイ・アコウダイ・ダルマダイ・ヒラマサ・ウニ・イクラ・ホタテ・マグロ・白イカの刺身という豪華さ。すべて豪快な厚切りでご主人がいうようにお酒のつまみにぴったりそうです。ウニがないシーズンは、カニに変わるということです。


 名物の松葉ガニでも定評があり、毎年東京などからはるばるやって来るリピーターさんも多いとのこと。カニのコースはかなりボリュームがあるので、「コースの半分は1日目に食べて、残りは2日目に」と2日にわけて1つのコースをいただくお客さんまでいるとか(それぜひやってみたい……)。


 また海鮮丼のほかにも、鯛刺しのたまご丼など丼ものの種類はかなり多く、鳥取でなければ毎日通いたい! とりあえず次回はカニをいただきにまた来ます♪


ごはん屋 漁火



 ごはん屋 漁火
 http://sanin-net.com/isaribi/index.html







温泉のもとで温泉をつくるとすると

2009-11-20 13:54:11 | 温泉談義
 今週は自宅で原稿チェックなどに追われていたため取材ネタがありましぇん。原稿書きやらチェックやらに追われていると、神経がささくれ立ち、嗚呼こんなときこそ温泉で潤いたい…… と思うのですが〆切に追われてそれどころではない。


 せめて自宅の風呂で温泉気分のリラックスを~、と入浴剤やらアロマオイルやらを入れるのです。うちで愛用しているのは財宝温泉のもとなのですが、成分をみると炭酸水素ナトリウム・乾燥硫酸ナトリウムとある。


 溶かせば、ナトリウム炭酸水素塩・硫酸塩泉ができるわけです。美肌の湯ですね。


 さて、どんくらいの分量を溶かせばいいんでしょう? どれくらいの分量で温泉とおんなじくらいの濃さになるんでしょうか?


 ……なんとなく薄緑色になればいいや、とケチケチ使っていたのですが、ある日こんな疑問が浮かび。計算してみました。


 「塩化物泉」に認められるには、温泉水1kg中、溶存物質が1g以上入っていなくてはなりません(ちなみに1g以下の場合は単純泉扱いになる)。


 うちの浴槽が、だいたいカーブとか無視すると幅60cm×長さ105 cm(古いマンションだから狭いなあ)で、深さ30 cmでお湯を入れるとすると、189リットル、つまり189kgのお湯が入る。1kgにつき1g、ということは…… 入浴剤189gも入れないと塩化物泉レベルではないということ!


 はかってみたらこれだけありました。


計り



 あらためてすごい!


 いつもせいぜい大匙2(30gくらい?)くらいしか入れてませんでした……orz


 「塩化物泉」にはなんにもしなくても、これだけの入浴剤(入浴剤でなくても、ナトリウム塩化物泉ならば食塩、ナトリウム炭酸水素塩泉ならば重曹でもよい)が含まれているんですね~ あらためて自然の恵みに恐れ入りました。


 早く温泉にいけるように仕事片付けようっと。







石窯ピザにメイプルシロップで2度美味しい♪

2009-11-13 10:57:40 | +大分の寄り道
 さて今回は、まさしくブログで紹介したい取材中の「こぼれ話」! ガイドブックの記事には文字量ゆえだいたいは書けない情報なのです♪


 湯布院ICの近く、由布院盆地を見渡す高台にある石窯ピザのお店「檪の丘」にいってきました。店の半分が開放感があるテラス席なので、今のシーズンは本当に気持ちいいですね。


テラス



 500度にもなるという石窯はクヌギの薪だけで1時間かけて温めるという本格的なもの。ピザなら2分で焼きあがってしまいます。薄いナポリピザがまず絶品なのですが、この窯で焼いたスペアリブがウマイ♪ 赤ワインと玉ねぎでマリネしたスペアリブは、大量の遠赤外線を出す窯の中で、外側はパリッと、内側は肉汁一杯の柔らかジューシーで、仕事中でなければビールかワインがほしいところ。

 撮影したのはカプリチョーザとクワトロフォルマッジのハーフ&ハーフ。


ピザ



 ここのピザは食材も安全にこだわっているのが特徴で、野菜は江藤農園(玉の湯などでも使っている有機無農薬農園)のもの、チーズはうらけん農場のものなどを使っているんだとか。カプリチョーザに載ってるベーコンも桜のチップを使った自家製。製造現場を見せていただきました。美味しそうな香ばしい香りが……。


燻製



 クワトロフォルマッジは、モッツァレラ、クリームチーズ、ブルーチーズ、パルメザンの4種類のチーズが乗ったチーズ好きににはたまらない(これもワインほしい。赤が特に♪)のですが、お店のご主人が「これをどうぞ」と持ってきてくれたのがメイプルシロップ。


 試しにかけてみると…… あら、美味しい! チーズのクリーミーさとしょっぱさにメイプルシロップの香ばしい甘さがまじりあって普段は口にしない美味♪ お食事だったピザが、なんだかデザートになってしまいました!


 常連客の外国人の方のアイデアだそうで、以来クワトロフォルマッジのお客さんにはオススメしているそうです。ふるまってくれた冷たいコーンスープも甘くて美味しく、近日中にリピしたいお店になりました♪


コーンスープ




 檪の丘
 HP:http://kunugi.ptu.jp/


 テラス席には虫よけスプレーが置いてあるのも気が利いています。








時間制限のない貸切青湯!ご飯も美味しい野蒜山荘

2009-11-06 11:21:00 | 大分の温泉など
 今週も青湯の宿のレポです。ちなみに来年3月発売の「湯布院・黒川ベストガイド」では、私が企画持ち込みしました青湯特集が巻頭に登場します♪ お湯以外の魅力で語られることが多い由布院ですが、青湯をはじめお湯もやはり素晴らしいのです。透明でクセがないお湯が多いので、見過ごされがちではあるのですが……。そんな由布院(一部別府)のお湯代表として、青湯を持ついくつかのお宿や施設を紹介していますので、皆さまヨロシク☆


(青湯以外にも素敵な場所を取材しました。文章からはみ出た情報やら個人的な感想はおいおい紹介していきますね)


 さて、今回紹介するのは、そんな青湯の宿の1つ、野蒜山荘です。2名で宿泊しても一人12600円~という由布院ではかなり安いといえる宿ですが、大満足の宿でした♪


 野蒜山荘は前回紹介しました泰葉から、川をはさんだ向かいにあります。つまり由布院の中心街から離れた山の斜面にあり、文字通り「山荘」な立地なわけで
す。


廊下




 敷地からは由布岳が見えます。


 以前日帰りの取材でうかがって、今度ぜひ泊まりに来たいと思っていたところ、運よく取材で泊まるチャンスがあったという次第です。


 この宿のすごいところは、客室わずか10室に対し、温泉が5か所も楽しめるというところ。男女別内湯と男女別露天、それに貸切露天が3か所もあり、そのすべてで青湯が楽しめるわけです。こちらは女性用露天と内湯。露天と内湯は別々にあります。


露天
内湯



 他に、東屋のような感じの足湯もあるのと、温泉がついている客室もあるので、人によっては7か所楽しめる!


足湯



 さらに、貸切湯は時間制限なし。あいていたら入れて好きなだけ長湯してもよい。貸切湯にはすべて洗い場と内湯がついています。


貸切湯2
貸切湯3



 この好きなだけ貸切は日帰りにも適用されるのが気前いい。もちろん常識の範囲でですが、「家族で貸し切った時に、60分くらいだと時間が足りないだろうから、制限時間なしでゆっくりしてもらいたい」という女将さんの心づかいからです。


 お湯は向かいの泰葉さんからもらっているということですが、なるほどここも美容液のような湯触りのトロトロの青湯で湯あがりに化粧水いらずです。ときに、紫がかったようなコバルト色になったりもするそうです。温泉はすべて青湯なのですが、特に青が濃くなりやすいのは女性用の露天風呂だそうで、場所や使用状況で色が変化しやすいのかも、とおっしゃっていました。


 それにしても「あと何分」と気にすることなく、美容液湯を心行くまで体中に染み込ませられる、というのは嬉しいですね。


 お手頃価格で泉質もよいということで、平日泊にもかかわらず、お客さんはかなり入っていました。学生くらいの年齢の若いお兄ちゃんたち4人グループなどもいて、足湯では4人で楽しそうに長時間おしゃべりしていました。温泉旅といえば女性グループのイメージでしたが、若い子は男の子同志のグループでも楽しむんだなぁ、と目からウロコでした。ちなみに、この宿では学割もあるそうで、卒業旅行のシーズンは学生さんも多いそうです。


 しかし、かなりお客さんが入っているようなのに、温泉で誰かと一緒になることは1回もありませんでした。つまり男女別の温泉もつねに貸切状態。貸切湯も3か所のうち、どこかはあいているという感じで、温泉環境はかなり贅沢でした。温泉は12時までと朝は6時からとのこと。


 今回泊まったお部屋。窓からはこの通り由布岳が見えて、気持ちいいです。


部屋1部屋2



 玄関まわりも広くてゆったりしています。ただし、水回りは洗面所とトイレが一緒なので、朝は混む可能性があるといえます。


洗面



 とはいえ、身仕度などは、朝風呂ついでに内湯の洗面台を使えば問題なしでしょう。


 さて、この宿の最大の難点は「網戸がないこと」。私が泊まったのは9月なので、部屋は窓を閉めてしまえば大丈夫でしたが、窓を開け放ってあった廊下などは、夜になると蛍光灯のまわりを虫がブンブン飛び回っていて街灯のようでした(笑)


 あとからなぜ網戸がないのか聞いてみたら、何年か前の台風で全部飛ばされてしまい、そのままになっているということでした。宿の人は虫に慣れてしまっているようで、あまり気にならないようでしたが……(笑)


 殺虫剤やベープなどは貸してくれますが、虫が嫌いな人は、真夏、もしくは冬になるまでは厳しいかもしれません。真夏はエアコンをいれるゆえに窓は閉め切るし、冬になれば窓も開けないし、そもそも虫もいなくなるから、虫がうるさいシーズンは実はそんなにないのかもしれないですが。


 料理がまたスゴイ。ボリュームもたっぷりな上に、味もウマイ。


前菜スープ
茶碗肉
かゆデザ-ト



 由布院らしく、野菜や山菜をふんだんに使っているのが健康的です。印象に残ったのが、食事の最初に出たごぼうのスープと、最後に出たお粥しゃぶしゃぶ。お粥で豚肉をしゃぶしゃぶにするのですが、おかゆがクリーミーに肉にからんで絶妙な上に、お粥自体にも鍋の具のダシが出て美味しい。ごぼうのポタージュも食事の最初に嬉しいメニューでした。


 他にも刺身に、枝豆と野菜、れんこんの前菜にみょうがとタコの酢の物、餡がかかった茶碗蒸し、揚げ茄子とひりょうずの煮物、豊後牛の鉄板焼き(これはそのまま火をつけずに、鉄板が温まってから肉を載せたほうが美味しい)、鰆の焼きもの+キノコの和え物、揚げ物、地鶏飯と地鶏のにゅうめん、デザートにクレソンのババロア…… と品数・ボリュームもすごい。美味しいので残さずにいただいていたら(さすがに地鶏飯は少し残した)、久しぶりにお腹がはちきれそうになりました(笑)


 朝ごはんも写真のように豪勢です。


朝食



 食事場所は朝夕広間ですが、相談で部屋食も可能になるようです(サービス料を加算)。


 客室や施設はオーソドックスですが、贅沢なお湯環境に、ボリュームたっぷりで心づくしの料理。女将さんや若女将さんも気取らない素直な方で、ぜひまた訪れたい宿になりました。一人泊も可能というのも、またすぐに来れそうでよいですね♪


外観



 野蒜山荘
 http://www.nobiru-sansou.com/