goo blog サービス終了のお知らせ 

出雲にある木造りの空間に癒される美食の湯宿

2010-04-09 11:17:00 | 中国地方の温泉など
 ン回めの誕生日を迎え(笑)、いろいろな湯宿・旅館様から心づくしのお祝いのお手紙をいただきました。お手紙や葉書を見ていると


 「この宿はお湯がよかったなあ」
 「あの料理が美味しかったなあ」


 と楽しい思い出に心がなごみますね。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。


 お手紙をいただいた中から、まだこのブログで紹介していなかった宿の1つを紹介しましょう。少々遠いのですが、島根県にある「はたご小田温泉」です。九州に比べて素朴な宿、もしくは大旅館系が多い山陰にあって珍しくこぢんまりとしてセンスの良い宿といえるでしょう。


 はたご小田温泉は、出雲市西部、いちじくの産地で有名な多伎町にあります。九州からだと、車で出雲大社に詣でたときに泊まるのにちょうどいいくらいの距離かもしれません。もっと西にいくと石見銀山があるので2つを観光するのにはぴったりですね。


 私が訪れたのは仕事のついでで、ちょっと到着が遅くなったせいかあたりはすでにまっくらで、ちょっと迷いました(笑)。しかし、電話で親切に誘導していただき、無事にたどりつくことができました。山陰本線の駅が目印になるようです。


 ご主人が陶芸作家という宿だけあり、木造りの館内は温かみのある照明でほっと安らぐ雰囲気。道に迷ったあとではことさらです。


ラウンジ



 例のごとく一人旅ですが部屋は十分な広さの和室。


部屋
洗面浴衣



ふすま 室内のちょっとしたところに陶芸がしつらえてあります。写真はふすまの取っ手。


 トイレは男女別の共用ですが、トイレに近い部屋だったせいか、自分専用のトイレのようでした。他の客の気配も感じなかったです。


 いちじくの産地らしく、おもてなしのお菓子もいちじくを使った地元のオリジナル。


おもてなしのお菓子



 おとずれたのが秋で、また自然に囲まれているせいか、カメムシが何匹か部屋に入り込んでいたのですが、若女将さんが申し訳なさそうにガムテープでとってくれました(昼間追い払ったはずなのに、まだ何匹か潜んでいたとのこと)。私は虫系はそれほどダメじゃないので、ガムテープを手にして隠れているカメムシ探しはゲームみたいで面白かったです(といっても3匹くらいしかいませんでした)。


 温泉は渡り廊下を通って木造りの湯屋へ。この渡り廊下から見える坪庭がまた可愛い♪ 翌朝みるとこんな感じでした。


渡り廊下



 温泉がまた素敵な雰囲気です。木造りの素朴な感じの湯屋に、ご主人が焼いたタイルがはめ込んであるのです。お湯の色を表すかのようなタイルは一枚一枚表情が違っていて、また少し表面に凹凸があり味があります。


温泉温泉
脱衣所



 泉質は無色透明の単純泉。ph7.4の弱アルカリ性。泉温が低い(おそらく冷鉱泉)ので加温してあります。残念ながら循環・塩素添加してあるとのことですが、あまりそれを感じませんでした。ただ、メタケイ酸泉とうたっているわりには、メタケイ酸は75mg、まあ御愛嬌でしょう(笑)。湯屋の薄暗い雰囲気と、美しいタイルに癒される湯でした。


 さて、この宿の料理は本当に美味しかった! 食事は、宿泊棟から渡り廊下を渡ってたどりつく、庭を眺めながらいただくダイニングにて。衝立で仕切っていただけるそうですが、たまたまそのときの先客がヘビーな感じの喫煙者、ということでお宿のほうから打診があり、個室を用意していただけました。ラッキー♪ 中広間のような大きな部屋で大変申し訳なかったのですが、おかげさまで料理を存分に堪能できました。


 出雲の幸をふんだんに盛り込んだ料理はどれもとても美味しかったです。いろどり・しつらえもキレイ!


前菜あんこう
スープ芋ご飯
煮物包葉
ババロア膾
酒




 特に「栗のすり流し」栗のスープですが、これは思い出すと本当によだれが出てきそうですね~。刺身をはじめ日本海の海の幸も、工夫されていて美味。出雲風に糸作りにした鯛、ソバの実がかかった里芋の煮物、骨まで食べられる鮟鱇には甘い下仁田ネギととろっとした黄身おろしがかかって上品な味になっています。海の幸が美味なので日本酒をオーダーしましたが(出雲は美味しい日本酒の産地でもあります)、お勧めしていただいた「おろちの舞840」が美味♪ ボディがしっかりしているのにフルーティなのです。ヒラメの刺身から、味の濃い朴葉焼まで全部に素晴らしく合い、幸せでした。〆の芋ご飯が、またウマイ! 醤油味のご飯にほくほくの芋の甘みが絶妙で、おなかいっぱいなのに進んでしまいます。デザートは名産のいちじくババロア。


 また朝ご飯も地元色が豊富。


朝ご飯湯豆腐



 特に青海苔がいっぱいかかった磯の香りの湯豆腐が大のお気に入りになりました。運転がなかったら朝からお酒飲みたかった~。朝のダイニング。


ダイニング廊下



 私は夕食と同じ個室でしたが、ここで朝ご飯食べるのも爽快だろうなあと思いました。


 鍋とかメイン的な肉料理はなかったにもかかわらず、ここまですべての料理が美味しく感じることもあまりなくて、とにかく堪能&満足しまくりでした(たまたま好きな素材とか、好みの料理が重なったのかもしれないですけれど)。


 若女将さんをはじめ、サービスも親身な感じで、仕事の疲れがとても癒されて、福岡への長い帰路についたのでした。


外観



 はたご小田温泉
 HP http://www.odaonsen.jp/











「ゲゲゲの鬼太郎」のまち境港にいってきました!

2009-11-27 11:54:16 | 中国地方の温泉など
 取材で鳥取県は境港にいってきました♪ すぐ近くの島根県松江市までは毎年のようにいくのですが、境港は初めてです。ちなみに福岡から高速利用で6時間くらいかかります(笑)。でも一度行ってみたかったのでラッキー☆


 境港といえば、松葉ガニ、今年の2月にさぎの湯温泉でいただいたカニも境港に揚がったカニでした(旨かった~♪ 今年食べた美味しいものの中ではベスト1ですね)。そして来年の朝ドラ「ゲゲゲの女房」の舞台、つまりゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげるさんの生まれ故郷というのはすでに有名。水木しげるロードには妖怪たちとゲゲゲファミリーのグルメ&グッズを売る店が大集合し、平日だというのに地方の商店街とは思えないほどの活況を呈していました。写真はおなじみ「ねずみ男」。


「ねずみ男」



 取材したのは「水木しげる記念館」。1時間の予定が2時間くらいいたのですが、それでも足りなかった! 1階は水木しげる氏と妖怪の紹介コーナー…… というより、お化け屋敷といったほうがいいかもしれません。


「水木しげる記念館」1「水木しげる記念館」2



 薄暗い中に、妖怪がケケケケケと笑いだし、のんのん婆の声で妖怪の紹介が流れる……。小さな子どもは泣き出してしまうことも多いというのもうなづけます。水木しげるさんの年譜も興味深かったです。39歳まで独身だった(今はわりとアタリ前?)水木さん、奥さんとはお見合いで知り合ったとのことですが、出会ってわずか数日で結婚しているんですよね。当時はまだゲゲゲもヒットしておらず、安定収入があるわけでもない水木さんです。「食べること」「眠ること」が最優先だという水木さんです(まるで私やん)。しかも、結婚してすぐに奥さんは水木さんの漫画の手伝いにせいを出している。奥さんと結婚して5年後、ようやく「ゲゲゲ」がヒットするわけですが……。


 口伝えできかされた妖怪イメージをユニークな絵として活写した水木氏も素敵ですが、夢を追う39男を伴侶に選び、支えた奥さんもスゴイ。そのへんの心境や経緯をどう描くのか、来年の朝ドラがちょっと楽しみになりました。写真は水木氏が描いた人生絵巻。


「水木しげる記念館」3



 2階には「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターの解説や(鬼太郎の肌から白い粉が出るとか、ねずみ男が結婚詐欺にだまされたことがあるとか…… 初めて知ることがいっぱい!)東海道五十三次の水木しげる氏によるパロディー絵(といっても大変精緻)とか、また作品を自由に読めるライブラリーもあり。


 そしてこの記念館の最大のウリは、「再入場できること」。1階で「ゲゲゲ」に興味を持ち、2階のライブラリーで読み込んで、途中で、水木しげるロードにお昼を食べに行ったりして、また戻ってきて続きを読む…… なんてことが可能なわけです。


 記念館を拠点に、一日でも飽きない水木しげるロード、また訪れたいですね! こちらは妖怪がほっこりなごむ庭園(記念館は元料亭だそうです)。


「水木しげる記念館」4



 水木しげる記念館
 http://www.sakaiminato.net/mizuki/


 こちらは、
 「ごはん屋 漁火」の海鮮丼(上)。

海鮮丼



 カニの甲羅がトッピングされたカニまるごと丼が有名なお店です。カニは残念ながら取材の都合上いただけなかったのですが(通年版の本なので、シーズン物の撮影を選ばなかったのです。残念)海鮮丼も大変美味でした~♪お父様が美保関の漁師というご主人「船に酔うから漁師にならず」に料理人になったということですが、わば新鮮な魚についての英才教育を受けてきたようなものでしょう。こちらはご自分で採ったという岩のり。袋から出すと磯の美味しそうな香りが鼻をくすぐりました。


岩のり



 仕入れによって変わるという刺身、その日はキンメ・ヒラメ・マダイ・アコウダイ・ダルマダイ・ヒラマサ・ウニ・イクラ・ホタテ・マグロ・白イカの刺身という豪華さ。すべて豪快な厚切りでご主人がいうようにお酒のつまみにぴったりそうです。ウニがないシーズンは、カニに変わるということです。


 名物の松葉ガニでも定評があり、毎年東京などからはるばるやって来るリピーターさんも多いとのこと。カニのコースはかなりボリュームがあるので、「コースの半分は1日目に食べて、残りは2日目に」と2日にわけて1つのコースをいただくお客さんまでいるとか(それぜひやってみたい……)。


 また海鮮丼のほかにも、鯛刺しのたまご丼など丼ものの種類はかなり多く、鳥取でなければ毎日通いたい! とりあえず次回はカニをいただきにまた来ます♪


ごはん屋 漁火



 ごはん屋 漁火
 http://sanin-net.com/isaribi/index.html







駆け込みカニ・マイレージ旅!カニ一人旅の至福

2009-03-06 12:00:00 | 中国地方の温泉など
 マイレージが2月で期限だったのであわてて使いました。といっても、行けるのは大阪・高知・出雲くらいまでとのことだったので、いつかはやりたかった山陰カニ旅行にすることにしました。


 ズワイガニ、山陰地方の呼び名は松葉ガニ。これも食べられるのは3月までだからちょうどよい。ついでに出雲大社に遅い初詣も兼ねます。しかし、この1年間で出雲3回目です。何のゆかりもないのにどんだけ出雲地方好きなんだろう(笑)と自分でも思います。


 でも癒されるんですよね。いくところもだんだん固定化してきていて私の中では「由布院化」してきてます(あちこち観光せずに、気に入った行きつけだけ訪れて和む、という意味)。今回も「ふなつ」の出雲そばと、「月照寺」の抹茶、「ろんぢん」の島根和牛のしゃぶしゃぶ、「さきたま」で好きな天然石を1粒ずつ選んだアクセサリー…… と松江のお気に入りを訪れます。


 しかし、なんといっても今回のメインはカニです。温泉宿で松葉ガニ~、できれば焼きガニ。


廊下 今回カニの宿で選んだのはさぎの湯温泉「さぎの湯荘」。さぎの湯温泉は田園の中、足立美術館のまわりに3軒の湯宿が建つこぢんまりとした温泉地ですが、いずれも源泉かけ流しの小規模宿ばかりというのが好感持てます。さぎの湯荘も広い内湯&大浴場と、貸切の内湯、露天とすべてが源泉かけ流しで24時間入れるという温泉的にも申し分ありません。カニに備えて早々とチェックインし、コンディションを整えます。


 中庭を囲んで建つ館内はかなり広く(貸切にいくときなどちょっと迷いました)、ところどころに美術品が配されていて上品な趣があります。写真は客室へ続く廊下。


 それでいて卓球場などもあり、温泉場の素朴な情緒も共存していて。ライブラリースペースやラウンジなど客室以外に寛ぐ場所がたくさんあったのが贅沢な感じでした。


ラウンジ



 部屋がまた広い。あいていたのか、一人旅なのに2間続きの玉砂利の庭園に面した部屋に通され、ちょっとビビりました(笑)。


2間続きの部屋玉砂利の庭園が見える部屋


洗面浴衣



 この部屋の床の間にも高そうな壺。でも愛らしい青い小鳥が描かれた掛け軸に心和みました。女性客は浴衣の替えも選ばせていただけます。ドライヤーはイオンドライヤー。


 で、さっそく大浴場へ。


大浴場露天風呂



 田園に面した開放感いっぱいの大浴場は、貸切状態でした。ちなみにここには3回入りましたが、3回とも貸切状態。平日ならではですね♪ 泉質は無色透明で、含放射能、ナトリウム-カルシウム炭酸水素・硫酸塩泉(あとでいただいた泉質の表によればPH7.7)。飲むとごくわずかに塩分と土の香りを感じる柔らかい湯でした。


 露天は内湯に沿うようにL字型にありました。源泉の近くによると熱く、遠いところはぬるかったので、移動しながら長湯を楽しみました。


 温泉の中に背もたれにちょうどい岩があるのも○。放射能泉は湯気を吸い込むのが効果的なので、存分に長湯をしてスーハースーハーと吸い込みます(笑)。


 貸切湯は眺望はないですが、露天はツルツルに磨かれた一人サイズの浴槽が気持ちよく、また内湯は成分が濃い感じがしたので要入浴。写真は貸切露天。梅がちょうどきれいでした。


貸切湯




 宿泊者専用なせいか、シャンプーなどが大浴場に比べて高そうに見えました。


 取材ではない宿泊なので、存分にだらけつつ、気がつくと片ほほがゆるんでいる。今から出会う焼きガニを思うと笑いが止まらないのです。ふふ、うふふ……。


 ハタから見ると気持ち悪いヒトだったと思いますが、一人旅だから誰もなんにもいいません。思えばここから極楽が始まってましたね♪


 そんな中、いよいよ夕食です。もちろん部屋食。感じのいい仲居さんが、悩みながら食卓に料理を並べます。というのは、カニを焼く炭火がかなりでっかい!ゆえにどのように並べるか迷うというわけです。赤々と燃える炭火はもちろん本物の備長炭(たぶん)。ワクワクする中、カニ登場。な、なんとタグ付きの生。殻を透かした半透明の身がうつくしい……。


 その日は、仕入れ運がよかったらしいです(天候や漁の状況で値が変わるのでいつもそうとは限らない)。日ごろ必死で働いた神様のご褒美でしょう(祈)。若い専務さんが、「通常のカニづくしプランはカニ2杯以上なのですが、カニは1杯にし、その半分を焼きガニにし、残りをいろいろとお料理にしましょう」と予算内で工夫してくれたので、焼きガニのほかにも、カニ刺しや、カニ天、ロールカニサラダが並び、大豪華な夕食となりました。


ディナー




 料理はカニ天以外は最初にすべて並びますが、これでいいのです。ふっふっふ。料理と二人きり。どんなふうに食べようと私の勝手です。


 さっそく生カニを炭火に乗せ、その間にドラマ「銭ゲバ」のように行儀悪く、カニ刺しをずるっとしゃぶります。あまーい!! とろける! ウマー\(((°∀°)))/


カニ刺し焼きガ二




 そうこうしているあいだに、焼きガニが食べごろに。


 「ちょっと白くなったくらいが食べごろですよ。焼きすぎると身離れが悪くなりますから」


 というアドバイスに従い、生加減でアツアツを。おおお。それからあとは言葉にできませんね。ただ、カニだけに集中して、味わいました。しかし、一人でカニを味わう至福といったら! 炭火でぐつぐつ煮たてたカニミソにカニ身をからめて食べるうまさ……。


 思い出すとぼーっとしてしまいます。


 「カニを食べると無口になる」とはよくいいますが、私は断言しますね。


 「カニは一人で食べるものだ」。関節を好きなだけしゃぶろうと、爪までほじくりだそうと自由! どんなに行儀悪く食べようと誰も見ていない。どんなに時間をかけて食べようと、誰も文句をいわない。そして存分にカニをいただいて、カニ臭くなった手を体ごと洗うべく温泉へいく贅沢。カニ旅には、一人旅の醍醐味がカニみそのように濃厚に詰まってました……。


 ちなみに部屋には空気清浄機がついていたのですが、焼きガニのあとに大活躍していました。


 さぎの湯荘
 HP:http://www.saginoyusou.com/


 源泉かけ流し、24時間入浴OK、部屋食。カニ以外のお料理やご飯もおいしくて、一人旅の私にも優しく接客していただき、大満足の温泉宿でした。写真は朝ごはん。島根名物しじみ汁や湯豆腐がつきます。


朝ご飯




 カニなしだと1万円台前半~で泊まれます。今回は2万円で焼きガニを食べたいとメールで交渉してご対応していただきました。そんな融通がきく小規模宿ならではの優しさもあり、またぜひ伺いたいお宿です。











冬のドライブ♪ ボンネットの猫に要注意!

2008-12-12 11:16:00 | 中国地方の温泉など
 雪が降りましたねえ♪ その前日から私は大分の良宿に泊まっていて(その宿のレポはまた後日します)、翌日は由布院にでも行くかと思っていたのですが、雪のため九重で引き返すはめに。


 しかし、冬大好きな私、そのままうちに帰るわけありません。特にこんな雪の日こそ、普段見れない絶景に出会えるチャンス! しかも、絶対に人出が少ないぜェ!(←つまり土曜日に一人で出歩くのにうってつけ)


 『急』のつく運転さえしなければ大丈夫さ♪ と、ジェロの歌ばり(笑)に「海に降る雪」をめざして関門海峡を渡ったのでした。


 あいにく雪は止んでしまいましたが、どんより重い雲間から陽がさして、田んぼや木に残った雪を輝かす…… というふだんは見られない景色に出会えました。


 写真は山口県の千畳敷にある「カントリーキッチン」より暮れかけた日本海。


カントリーキッチンからの展望
カントリーキッチン店内



牛肉のビール煮込み 高台にあり窓に沿ってぐるりと配置したカウンターから日本海を見渡す人気のカフェもこの日はさすがに私の貸切でした~。芝生の上に雪が積もっているのがわかりますか? ホットチョコレートが飲めたらいいや、ぐらいで訪れてみたのですが貸切なのに気をよくして、早めの夕御飯をいただいてしまいました。牛肉のビール煮込み(天然酵母パンとサラダのセットで1800円だっけ?)、煮込んだ肉が柔らかくほぐれて美味しかったです。 ネットの情報では17時と表記されていますが、現在は18時30分までやってるようです。


 カントリー・キッチン
 0837-37-3824
 木曜定休




 10年くらい前から好きでたまに行くお気に入りの店なのですが(サンドイッチやハンバーグも美味しいです。チョコレートケーキもずっしりしていて好み)、ただし店内にトイレがナイ。キャンプ場のを利用するようになっていますが、これがやや遠いうえに汚い(暗いとたぶん怖い)。ここを訪れる前にコンビニなどで必ずトイレを済ましておくことをお勧めします。


 さて、寒い時のドライブ、温泉好きならなおさら楽しいですが、先日取材中に思いもかけぬ出来事がありました。とある取材場所(すごく寒い)を終了して車をスタートさせてまもなく。


 カメラマン「猫の鳴き声しません?」
 高山「カーラジオっすかね」


 ……と、ラジオをオフに。


 止んだ? と思ったらまたしばらくすると猫の鳴き声が。しかもかなり大きく。座席にはもちろん猫は入り込んでいません。あわてて車を止めました。


 ……折しも、引きずり事故が多く報道されている時節柄。え、まさかひいちゃった!? とおそるおそる車の下をのぞきこみましたが、猫の姿はなし。しかし猫の鳴き声はあいかわらず聞こえます。しかもさっきより大きく、かつ苦しげに。


 「巻きこんじゃってたらどうしよう」と二人でおろおろと這いつくばるようにして車の下を懸命にのぞきこみますが猫の姿はまったく見えず。だけど苦しげな猫の声は止みません。


 「どうしよう」「JAF呼びましょうか」


 猫の声はボンネットの下から響くように大きく聞こえます。


 もしかして……と、「ボンネットをあけてみましょう」と提案し、カメラマンさんが開けたとたん、ぴょーん! エンジンルームの中から猫が飛び出しました。野良猫のようでした。どうやら、あまりに寒かったせいか、車のエンジンのあったかさに惹かれて猫は車のエンジンルームにもぐりこんだようなのです。走り出した車のエンジン音にびっくりしたのでしょうか、それで騒ぎ出したらしい。猫は、まだ温かいエンジンに未練があるのか、車のそばで鳴いてます。まったく怪我はしてなさそうです。


 「よかった~」カメラマンさん、安心のあまりべそをかいてました。ボンネットをあけて血まみれの猫の一部が見えたらどうしよう、と私も怖かったのでほんとうに腰砕けになりそうでした。


 それにしてもどこから?…… 全然ボンネットはあけてないし、どう考えても車の底部から入り込んだとしか考えられません。車の底からボンネットって、猫なら簡単に入り込めるほど大きな隙間があいてるんですね……。初めて知りました。


 ということで、冬のドライブに出かける皆さん。こんなこともあるんですよ~。


 出発前、および出発してしばらくは、くれぐれも知らない猫がエンジンルームに入り込んでいないかご注意ください。ま、めったにないとは思いますが(笑)


 最後に写真は先日取材した「めかり山荘」からの夜景。


「めかり山荘」からの夜景








有福温泉の街並みを望む露天風呂付き宿・旅館樋口

2008-08-29 10:00:00 | 中国地方の温泉など
 今日は7月に取材した島根県は有福温泉にある老舗宿・旅館樋口を紹介します。創業100年を超える老舗宿は2006年に改装され、18室中15室に専用露天風呂がつく和モダンの宿になりました。有福温泉は山陰の伊香保とよばれ――それは伊香保温泉に階段が多いことにちなんでいるのですが――石州瓦の温泉街は小道と階段で結ばれてちょっとした散策が楽しめます。共同湯は3か所あり、いずれもいまだに地元の人が洗面器片手に通っていて独特の風情があります。樋口の裏口は、このうちの大正風のレトロな共同湯「御前湯」からすぐ。宿と御前湯はわずか1分で結ばれているわけです。


ラウンジ 斜面に建つ昔からのつくりを改装した館内は、最初はなかなか覚えられないほどでした(もっとも取材のためにあちこち撮影しないといけないから迷っただけで、普通にお客として泊まってたらそれほど迷わないかもしれません)。写真はラウンジです。










ステンドグラス すべての客室を見せていただきましたが、全部違うつくり。ドアには広島の作家さんに作ってもらったという石見神楽を題材にしたステンドグラスがはめ込まれています。鯛のステンドグラスを気に入って撮影していたら、ここが私の部屋で、ちょっと嬉しかったですね~♪


 建具は竹と木を中心に、モダンとはいえ自然素材を使ってあって落ち着けます。茶香炉の香りが迎えてくれるのがさわやかです(お茶は何度も替えられる)。改装の過程でできた1畳ほどのデッドスペースも「こもり部屋」になっていたりして、面白いです。


自然素材の部屋


 どの部屋にも使い(座り)心地のよいオリジナル家具が配置されていているのですが、この家具は青山のデザイナーさんに実際にここに泊まっていただいてつくってもらったそうです。どの部屋にも大きなDVDのプロジェクターがあったのが印象的でした。ソフトも廊下の途中にあるライブラリーから勝手に借りてこれるようになっています。


 私が泊まった部屋には、温泉街を見渡すように2間にまたがる広いウッドテラスがついていて、その1間側に露天風呂がついていました。もちろんここで楽しめるのも温泉です。泉温がぬるめなので加温こそしてありますが、源泉のままです。主に檜風呂で、部屋によっては陶器湯船と2つある部屋もあります。見晴らしがいい=温泉街からこっちが丸みえかも、という一抹の不安から、照明はすべて消して、バスキャンドルと茶香炉の火だけで入浴したのですが、これがまたよかった。温泉をぬるめに調節して夜空を眺めながら、薄暗がりでぼけーっと浸かるのはなんとも気持ちよかったです(*^o^*)。お湯はクセがない透明な湯です。


温泉



 ちなみに部屋に置いてある固形石鹸は、お宿の手作り。これがとてもいい! ベースにオリーブオイルを使い、温泉水を配合した石鹸は肌に優しく、エッセンシャルオイルの匂いも自然。あちこちの温泉で石鹸を買いあさってる私ですが、これはレベル高いです。もちろんお土産に買っちゃいました。ちなみに原料のオリーブオイルは近々さらに高級なアルガンオイルに変わるとのことで楽しみです。


 ただし、客室には内湯がありません。私が泊まったのは夏だったので、ここで体を洗っても問題なかったですが、冬になったら体を洗うのは大浴場でやったほうがよさそうです。


大浴場



 部屋でいただくお料理は日本海の海の幸がメインの純和風ですが、手が込んでいて美味しかったです。温かいものを1つずつ持ってきていただけます。特に浜田港からあがった新鮮なお刺身。地元らしさを感じてもらえるよう、おなじみの大型魚よりは地魚を使うようにしているようです。私のときは「アオハタ」という魚がとても美味しかったです。あと島根といえば、ノドグロ。浜田のあたりで取れるものが高級品だそうで、その塩焼きは脂がのってほろほろと舌の上で崩れる身から甘い脂の味がとろけそうです。陶板焼きで出た島根和牛に負けない濃厚さでした。麦のプチプチした食感がうなぎのヤマイモ蒸しもよかった。


刺身ノドグロウナギ



 いずれの料理も、地酒・都錦の純米大吟醸「しずく酒」にあいました。このお酒、フルーティで美味しいのですが、フラスコみたいな丸いガラスの瓶に入ってるのがまた可愛い。オススメです。サービスもよかったです。私の部屋についたのは研修中の若い女の子(可愛い)でしたが、とても丁寧で一生懸命な感じが好感度大でした♪


朝食 朝は朝食会場でいただきます。カレイの一夜干しにのり佃煮、ホタルイカの塩辛に仁多米のご飯がとても美味しかったのですが、カレイの一夜干しを固形燃料で焼くのは抵抗がありました。蒸発したパラフィン成分が魚につきそうで(今までにもこれをやってる宿にかなり出会いましたが……)。敷いてあった笹ごと焼くことでなんとか避けましたが。そこだけは少し残念、小さな炭火にするか、あらかじめ焼いて出してもらったほうがいいですね。











コーヒーテラス 朝食後は、自室に戻り、温泉コーヒーをいただきます。客室には湯沸かしに入っている温泉水と、大きな籠に入ったコーヒーセットが用意されています。ここには竹炭でローストした豆のままのコーヒーが入っていて、銅のミルを自分でまわして挽くようになっています。ふだんだったら、ちょっと面倒なのですが、温泉に入ってゆったりしているせいか、逆に楽しい。


 テラスで赤い瓦の連なりを眺めながらコーヒーをいただくひとときは、日頃の雑多を忘れるひとときでした。




 旅館樋口
 http://www.arifuku.com/