日経新聞の先週の土曜版で「夕陽の美しい宿」ベスト10をとりあげていましたが、残念ながら九州地区は入っていなかったですね。かつては夕陽をおいかけてバイクを乗り回していた私、夕陽が見えた宿、見えるシチュエーションの宿をせんえつながら紹介しましょう!
●ホテル竜宮(熊本県松島温泉)
部屋から見える静かな海はまさにエメラルドグリーン。透き通った海に目をこらせば魚がおよぐのが見え、部屋から釣りができそうな気さえします。金色にきらきら輝く海に天草の島々がだんだんシルエットになっていく……。夕暮れ時は本当に胸がせつなくなるような風景をまのあたりにできます。写真はこの、ホテル竜宮からの夕景です(HPからお借りしました)。
私が泊まったのは「さらさ館」で、ちょうど夕陽の時に部屋で夕食、刻々と色を変えていく空と海を眺めながらエビづくしをいただきました。いや、うまかったッス、えびづくし。塩焼きを殻ごと食べられて、逆に味が濃く感じる車エビは夕陽とともに強く印象に残りました。伊勢海老のお刺身も甘くてとろろん。やや、醤油が甘めだったかな?(色気なくてすいません)。
また、ここのガラス張りの内湯からも同様の美しい海が眺められます。ここの敷地内に立つ「天使の梯子」のデッキ露天からはまさにこの夕陽を独り占め、まさに船旅のような気分が味わえるに違いありません。
●五足のくつ(熊本県 天草)
ホテル竜宮が女性的でたおやかな海の夕陽ならば、こちらは壮大な夕陽。高台にあるここからは、とにかく広大、荘大、雄大な東シナ海が視界の半分に横たわります。残りの半分は空。
水平線の向こうに中国大陸を想像させながら、大きな海に輝く太陽の道をつくりながら、溶けていく太陽。ここに泊まる人は、少なくともダイニングで、こんな夕景を眺めながら乾杯することができます。テラスから夕陽が眺められる部屋もあり、シャンパンで乾杯することも可。夕食の時間も自由なので、夕陽が沈んで、桃色に輝き、暮れなずんでいく空いっぱいの雲が闇に沈むのを待ってから、さあゴハン、というのも可能です。
ここのご飯は文句なしに美味です。
すべて天草半島の小さな港からのもの、というお造りは「ふだん街では食べられないようなものを」と都会の料亭でありがたられるようなタイやヒラメといったおなじみ高級魚をなるべく登場させない様にしているとのことで、初めての味ぞろい。また、ハモの骨と天草産たまねぎでダシをとったハモしゃぶ(夏)も優しい味で美味しかったです。
夜は海に背を向け、窓越しに緑をのぞむバーで寛ぎのひととき。天草出身の人々ばかりというスタッフも優しくて、高級だけれど心温まる素敵な宿だったと思います。ここは新婚旅行の選択肢にさえ加えられるゴージャス系「勝負宿」ですね♪
●小浜温泉(長崎県)
ここは実際に泊まって夕陽を見ていないのですが、バイクでの夕陽ツーリングのいきさきの1つでもあり、じゃらん時代には夕陽撮影に何度かいきました。国道沿いの宿にはのきなみ橘湾を望む展望露天があり、橘湾に沈んでいく夕陽を望みながらの入浴が可能です。
ただし、国道の内側にあるので、あんまりのびあがると国道から見えてしまう可能性もありますので、節度を持って。小浜温泉もお魚自慢の宿が多く、リーズナブルにおいしいお魚をいただけます。冬にかけて橘湾に夕陽が戻ってくる絶好のシーズンです。
あと、私は訪れていませんが、知り合いに聞いた話だと壱岐にある「海里 村上」の夕陽も素晴らしいそうです。料理もとにかく美味しいとのことで、お金があったら一度訪ねてみたい宿です。
さて海の夕陽があるなら山の夕陽も。
●旅行人山荘(鹿児島県霧島温泉郷)
霧島の山の1つ、5万坪が敷地という広大すぎる宿。晴れた日は露天風呂から霧島の山裾の向こうに桜島が浮かぶのですが、遭遇率はなかなか少なし。山の天気は気まぐれなうえに、湿気が桜島を隠してしまうのです。桜島寄り遭遇率が高いのが美しい夕陽。高台にあり、木々を染めながら沈んでいく夕陽が見られます。
ガスっぽい晴れでも、空が薄ピンクの優しい色に染まっていくのに癒されます。レストランからも見えますが、人気宿ゆえ、夕食時はガヤガヤしてるのでゆっくり夕陽に意識を飛ばす…… というのは難しいかもしれません。
●久住高原コテージ(大分県 久住高原)
ここの温泉からはうねる波のような草原をいっぱいにのぞむことができます。草原の大海原を染めながら、阿蘇方向へと沈んでいく夕陽は、本当に壮大、のひとこと。昼の間は緑一色だった草原の「波」に、金色の陰影がついて、やがて全体が紫に沈んでいく。そのとき、空の広大さに気づく。1つ、2つと星が現れる……。そんなドラマチックな時間帯を過ごしていると、いつまでもあがりたくなくなるほどです。
これからの季節はススキが柔らかく輝き、空もひときわ高くて本当にお勧めです。宿泊料金が安いカジュアルな宿なのに、こんな夕景が見られるのは、本当にオトクなのですが、夕陽好きだったら、あの露天風呂は一人静かに大地と空に向き合いたい……。
●ア・マ・ファソン(大分県瀬の本高原)
残念ながら温泉ではなくなりましたが、ここのダイニングからの夕陽も圧巻。ここも阿蘇五岳をはるかに眺めながら、うねる広大な草原に影をつけながら夕陽が沈んでいきます。部屋のテラスで眺めるもよし、ですが、夕陽を眺めながら乾杯するのがベストだと思
います。美しく、かつ美味しい料理に舌つづみをうちながら、目を窓の外に遊ばせれば、そのつど色が違う瀬の本高原。やがて闇に外の景色が沈み、視線がダイニングの中に戻った時…… 温かい照明にうかびあがる安らぎのインテリアにほっとします。見めも麗しいフレンチですが、ここのスタッフも温かいです。シェフの人柄ゆえだと思います(人吉のしらさぎ荘の息子さんがここの厨房で修業されていましたが、今もいらっしゃるかな?)。
ちなみにここも、好きな人と訪れたい「勝負宿」ですが、みんなそれをわかっているのかクリスマスの予約はすぐに埋まるそうです。
ちなみに冬は積雪することも多く、そうなるとアクセスは大変ですが、なんとかたどりつけたときの夕陽は、一生に何度も見れないと思うような素晴らしさです。白い阿蘇を浮かべた白銀の高原が、だんだん金色がかって桃色に染まっていくのです(取材で偶然出会うことができました)。
●ホテル竜宮(熊本県松島温泉)
部屋から見える静かな海はまさにエメラルドグリーン。透き通った海に目をこらせば魚がおよぐのが見え、部屋から釣りができそうな気さえします。金色にきらきら輝く海に天草の島々がだんだんシルエットになっていく……。夕暮れ時は本当に胸がせつなくなるような風景をまのあたりにできます。写真はこの、ホテル竜宮からの夕景です(HPからお借りしました)。
私が泊まったのは「さらさ館」で、ちょうど夕陽の時に部屋で夕食、刻々と色を変えていく空と海を眺めながらエビづくしをいただきました。いや、うまかったッス、えびづくし。塩焼きを殻ごと食べられて、逆に味が濃く感じる車エビは夕陽とともに強く印象に残りました。伊勢海老のお刺身も甘くてとろろん。やや、醤油が甘めだったかな?(色気なくてすいません)。
また、ここのガラス張りの内湯からも同様の美しい海が眺められます。ここの敷地内に立つ「天使の梯子」のデッキ露天からはまさにこの夕陽を独り占め、まさに船旅のような気分が味わえるに違いありません。
●五足のくつ(熊本県 天草)
ホテル竜宮が女性的でたおやかな海の夕陽ならば、こちらは壮大な夕陽。高台にあるここからは、とにかく広大、荘大、雄大な東シナ海が視界の半分に横たわります。残りの半分は空。
水平線の向こうに中国大陸を想像させながら、大きな海に輝く太陽の道をつくりながら、溶けていく太陽。ここに泊まる人は、少なくともダイニングで、こんな夕景を眺めながら乾杯することができます。テラスから夕陽が眺められる部屋もあり、シャンパンで乾杯することも可。夕食の時間も自由なので、夕陽が沈んで、桃色に輝き、暮れなずんでいく空いっぱいの雲が闇に沈むのを待ってから、さあゴハン、というのも可能です。
ここのご飯は文句なしに美味です。
すべて天草半島の小さな港からのもの、というお造りは「ふだん街では食べられないようなものを」と都会の料亭でありがたられるようなタイやヒラメといったおなじみ高級魚をなるべく登場させない様にしているとのことで、初めての味ぞろい。また、ハモの骨と天草産たまねぎでダシをとったハモしゃぶ(夏)も優しい味で美味しかったです。
夜は海に背を向け、窓越しに緑をのぞむバーで寛ぎのひととき。天草出身の人々ばかりというスタッフも優しくて、高級だけれど心温まる素敵な宿だったと思います。ここは新婚旅行の選択肢にさえ加えられるゴージャス系「勝負宿」ですね♪
●小浜温泉(長崎県)
ここは実際に泊まって夕陽を見ていないのですが、バイクでの夕陽ツーリングのいきさきの1つでもあり、じゃらん時代には夕陽撮影に何度かいきました。国道沿いの宿にはのきなみ橘湾を望む展望露天があり、橘湾に沈んでいく夕陽を望みながらの入浴が可能です。
ただし、国道の内側にあるので、あんまりのびあがると国道から見えてしまう可能性もありますので、節度を持って。小浜温泉もお魚自慢の宿が多く、リーズナブルにおいしいお魚をいただけます。冬にかけて橘湾に夕陽が戻ってくる絶好のシーズンです。
あと、私は訪れていませんが、知り合いに聞いた話だと壱岐にある「海里 村上」の夕陽も素晴らしいそうです。料理もとにかく美味しいとのことで、お金があったら一度訪ねてみたい宿です。
さて海の夕陽があるなら山の夕陽も。
●旅行人山荘(鹿児島県霧島温泉郷)
霧島の山の1つ、5万坪が敷地という広大すぎる宿。晴れた日は露天風呂から霧島の山裾の向こうに桜島が浮かぶのですが、遭遇率はなかなか少なし。山の天気は気まぐれなうえに、湿気が桜島を隠してしまうのです。桜島寄り遭遇率が高いのが美しい夕陽。高台にあり、木々を染めながら沈んでいく夕陽が見られます。
ガスっぽい晴れでも、空が薄ピンクの優しい色に染まっていくのに癒されます。レストランからも見えますが、人気宿ゆえ、夕食時はガヤガヤしてるのでゆっくり夕陽に意識を飛ばす…… というのは難しいかもしれません。
●久住高原コテージ(大分県 久住高原)
ここの温泉からはうねる波のような草原をいっぱいにのぞむことができます。草原の大海原を染めながら、阿蘇方向へと沈んでいく夕陽は、本当に壮大、のひとこと。昼の間は緑一色だった草原の「波」に、金色の陰影がついて、やがて全体が紫に沈んでいく。そのとき、空の広大さに気づく。1つ、2つと星が現れる……。そんなドラマチックな時間帯を過ごしていると、いつまでもあがりたくなくなるほどです。
これからの季節はススキが柔らかく輝き、空もひときわ高くて本当にお勧めです。宿泊料金が安いカジュアルな宿なのに、こんな夕景が見られるのは、本当にオトクなのですが、夕陽好きだったら、あの露天風呂は一人静かに大地と空に向き合いたい……。
●ア・マ・ファソン(大分県瀬の本高原)
残念ながら温泉ではなくなりましたが、ここのダイニングからの夕陽も圧巻。ここも阿蘇五岳をはるかに眺めながら、うねる広大な草原に影をつけながら夕陽が沈んでいきます。部屋のテラスで眺めるもよし、ですが、夕陽を眺めながら乾杯するのがベストだと思
います。美しく、かつ美味しい料理に舌つづみをうちながら、目を窓の外に遊ばせれば、そのつど色が違う瀬の本高原。やがて闇に外の景色が沈み、視線がダイニングの中に戻った時…… 温かい照明にうかびあがる安らぎのインテリアにほっとします。見めも麗しいフレンチですが、ここのスタッフも温かいです。シェフの人柄ゆえだと思います(人吉のしらさぎ荘の息子さんがここの厨房で修業されていましたが、今もいらっしゃるかな?)。
ちなみにここも、好きな人と訪れたい「勝負宿」ですが、みんなそれをわかっているのかクリスマスの予約はすぐに埋まるそうです。
ちなみに冬は積雪することも多く、そうなるとアクセスは大変ですが、なんとかたどりつけたときの夕陽は、一生に何度も見れないと思うような素晴らしさです。白い阿蘇を浮かべた白銀の高原が、だんだん金色がかって桃色に染まっていくのです(取材で偶然出会うことができました)。