音楽一期一会

大人のピアノ教室講師の日々を綴ります

ベートーヴェン特別セミナー④

2021年10月11日 | セミナー



ベートーヴェン特別セミナー①
ベートーヴェン特別セミナー②
ベートーヴェン特別セミナー③

と書いてきましたが

最後にペダルについて
質問させていただいたことに
お答えいただいた内容を
ここに紹介させていただきます



私はいつも曲の最後の音を弾く時に
激しく終わる曲であれば
手と足をほぼ同時に放していますが

静かな曲であればあるほど
その最後の音をどう消してゆくかに
こだわりを持って

少しずつペダルに乗せている足をゆるめて
最終的には指を放すことによって
音を消すようにしています


これは誰かに教わったことではありませんが
何となくそうしているのです


プロのピアニストの演奏を聴いていても
必ずしも誰もが
そのようにしているわけでもありません

ところが本日
今井先生が「月光」の1楽章を演奏して下さった時
最後の音を鳴らした後
まずペダルをゆっくりとあげて
その後に鍵盤から静かに指を放されました


正に
私が理想としていたやり方で!


それが嬉しくて
なぜ先生がそのようにされたのか
その理由があれば聞かせていただきたいと
申し出たわけです


その答えは以下の通りです


音をどこまで伸ばしどこで切るか
ピアニストは他の楽器に比べて
このことに無頓着であることが多い


「音と音の間」がとても美味しいのです


ペダルをどれくらいの深さで踏むかで
音の量が変化する

少しずつペダルから足を放せば
共鳴している音が少しずつ痩せてゆく

そして最終的に
指でトップの音を少し残すこともできれば
ベースの音を最後まで響かせることもできる
という自由がある


音楽の原点は
身体で感じ 
皮膚で感じて弾くところにある


だから
ブレスもとても大切なんです・・・



時間があれば
もっとその先をお聞きしたかったですが
ここまででちょうど
2時間となってしまいました


今井顕先生には初めてお会いしましたが
その専門性と音楽性はもちろんですが

お話のなかににじみ出る謙虚さと誠実なお人柄に
とても感銘を受けました




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