音楽一期一会

大人のピアノ教室講師の日々を綴ります

「大人のピアノ」上手くなる極意【まとめ】

2020年05月11日 | 大人のピアノ


『「大人のピアノ」上手くなる極意①~⑨』

最後までお読みいただきありがとうございました


「極意」と言っても
なんだか当たり前のことばかりだと思いませんでしたか?

少なくとも私の生徒さんは皆
これまでに何度も耳にしたことばかりだと思います


つまり「知っている」ことです


しかし
この「知っている」というのがくせ者なのです



例えば「ブドウ」を知っていますか?

と聞かれたら誰でも
「知っている」と答えるでしょう


でも目の前にあるブドウの味は
食べてみなければわかりません

実際に口に入れて咀嚼し飲み込んだ人だけが
その甘さと酸味を味わい
その美味しさを知るのです


「知っているけど私にはできません」

と苦笑しながら仰る人もいらっしゃいますね


「どうしてですか?」

とお聞きすると

色々な”言い訳”が返ってきます



そういう人はもしかしたら
本気で上手くなりたいとは思っていないのかな・・・


それもその人の自由でしょう


しかし私は自分のもとに
時間とお金を使って
ピアノを習いに来て下さる全ての方に

自分もピアノが上手く弾けた!
ピアノを習って良かった!
ピアノが好き!

と感じていただきたいのです



本気でピアノが上手くなりたいと思っている方に
この9つの【極意】が少しでもお役に立てればうれしいです



それではレッスン生の皆様
レッスン再開はもう間もなくでしょう
レッスン室でお目にかかる日を楽しみにしています
それまでどうぞお元気で❗
niko


極意①】

ピアノを弾くことはとても難しい作業であると知ること

その一方で
誰にでも心をこめた美しい音を出すことができる
優しい楽器でもあると知ること



【極意②】

選曲は自分の弾きたい曲を選ぶのがベスト

ただし
その曲のレベルを先生とよく相談の上
自分に合ったものを選んで決定する



【極意③】

ピアノを弾くことを毎日の日課に取り入れる

毎日弾くことが無理な場合は
一週間のうちに必ず練習する曜日を設定する

特にレッスン直後はベスト



【極意④】

弾けないところは
取り出して練習する

その方法は
自分が確実に弾けるゆっくりしたテンポに落とし
1回でも多く正確に弾くことを繰り返して身体に覚えさせる




【極意⑤】

演奏しやすくまた音楽性にあった指使いを決めて指番号を楽譜に書き込み
毎回同じ指使いで弾く




【極意⑥】

ただ楽譜通りに音を鳴らすことだけを考えるのではなく
音楽を自分自身の気持ちにリンクさせて
表現することにエネルギーを注ぐ



【極意⑦】

自分のお気に入りのマイ・レパートリー曲を1~3曲選んで
普段から弾いておく




【極意⑧】

人前で演奏する機会を1回でも多く持つ




【極意⑨】

間違えずに弾くことにこだわらない



「大人のピアノ」上手くなるための極意⑨

2020年05月10日 | 大人のピアノ



「大人のピアノ」上手くなる極意について
連続して語って参りましたが
いよいよ今回が最後の【極意】となります


さて
皆様は「上手くなりたい」と思って
ここまでお読みいただいたのだと思いますが


それはあなたにとって
具体的にどのように弾けるようになることを
イメージされているのでしょうか?


このことは第1回目にもお尋ねしたことです

中には

「別に上手くならなくてもいいです
自分流に弾いて楽しんでいますから」

という方もいらっしゃるかもしれませんが
やはり少しでも上手く弾けた方が
満足度はより高いはずです


いかがですか?


”プロのピアニストのようにとまでは言わないが
せめて好きな曲を止まらずに弾きたい”


”クラシックの難曲は無理だけれど
簡単な曲でいいから間違えずに弾きたい”





こんな風に答える方が多いのではないでしょうか?



でも「止まらずに」「間違えずに」弾くことが
本当に重要なことでしょうか?



楽譜に書いてある音符を間違えずに弾くことは
運動能力と集中力と記憶力の高い人であれば
比較的容易にできるかもしれません



あのフジ子ヘミングさんの名言を
思い出して下さい


《間違えたっていいじゃない 機械じゃないんだから》



「ピアノを上手く弾く」ということは
単に「間違えずに弾く」ということではありません



もちろん練習もせずに
間違いだらけの演奏を人に聴かせるのは問題外ですが


むしろ一生懸命に練習した上で
その結果いくつかミスがあったとしても

自分の気持ちを込めて表現しようとする演奏の方が
音楽を奏でる上で
何倍も素晴らしいことではないでしょうか


それは
プロのピアニストにとっても
趣味でピアノを楽しむ人にとっても
同じだと思います


ここでもう一度

ピアノを弾くために必要な力を
確認してみましょう


1.楽譜に書かれていることを読み取る力

2.読み取った情報を指とペダルを踏む足に伝える力

3.その曲全体の表現している内容を知る力

4.曲の細部の音楽性を読み取って表現する力

5.自分の音を聴く力


これらの力がバランス良く働いた時こそ
初めて
「上手く弾けた」と言えると私は思います


そのためにはもちろん
楽譜の情報が正確に指の運動に変換されるための
演奏技術・テクニックが必要であることは言うまでもありません

その技術のレベルには初級レベルから上級レベルまで
さまざまなものがありますから
少しでも多くの技術(テクニック)を身につけるように
練習・努力することは
豊かな演奏をするために有効であることは
間違いありません


しかし
運動能力に個人差があるように
持っている演奏技術は人それぞれに異なります


大切なことは
自分が今持っている演奏技術を使って
最高のパフォーマンス・表現をするということです


決して「間違えずに弾く」ということだけが
「上手く弾く」ということではないのです


「間違い」や「ミス」をすることを怖れずに
堂々と自分の曲への想いを表現できた時

その演奏は必ず聴く人に感動を呼び起こし
ます


それが本当に「上手いピアノ」ということなのではないでしょうか



興味深いことに

ミスを怖れる心や
失敗しないで弾くことへの「執着」から
離れれば離れるほど

ミスの無い演奏が
勝手に現われてくるものです




さらに付け加えるならば
聴いている人は
あなたが気にしているほど
あなたの失敗には気づかないものです


【極意⑨】

間違えずに弾くことにこだわらないこと




「大人のピアノ」上手くなるための極意⑧

2020年05月09日 | 大人のピアノ

私はピアノを弾くことが大好きです

誰もいない部屋で一人で弾いていると
どんどん集中していくことで
日常の心配事やつまらないことなどを忘れて
心がリセットされます


また
弾けなかったところが
だんだん弾けるようになる達成感もあり

何より
ピアノの音が心を浄化させてくれるような気がします



一方
人前で演奏し
自分の思いを込めた演奏を
誰かに聴いていただく時には

緊張感と共に
一人だけで弾いているときには感じ得ない
心の高まりを覚えます


そして
聴いていただいた方と
音楽を通じて心が通い合った時の喜びは
他の何物にも代えがたいものです


さてここで
ピアノが上手くなるための極意として
特にお勧めしたいのが


「人前で弾く」

ということです



「人前で弾く」というプレッシャーを自分に課すことにより

普段の練習に真剣味が加わり
自然に練習の質と量が高まって

その結果として
発表会などに参加する度に
上手くなっていかれる方が多いというのは
事実です


人に聞いてもらう上で
忘れてならないことは

ひととき聞く人の耳をお借りするということですから
その時自分のできる最高のパフォーマンスをする
「責任」があるということです

その責任を感じたら
独りよがりの演奏は出来ませんし
練習不足の演奏をするわけには参りません


もちろん
人前で弾くということは
緊張を伴いますから
普段通りの演奏ができないのは当然です


どんなに練習を積んでも
本番では思いがけないアクシデントが
起こります


一方
時にはその緊張を味方につけて
普段以上のパフォーマンスが生まれることもあります


いずれにしても
本番独特の緊張感の中で懸命にその場に臨んでいることは
聞いている人には必ず伝わります



音楽を通じて人と心を通わせることの喜びは
プロ・アマを問わず
演奏する者に与えられた
神様からの贈り物だと私は思います



たとえ人前で弾いて
「失敗した」時があったとしても

そこでやめてしまわない限り

その『失敗』の経験はいずれあなたにとって
何物にも代えがたい”宝物”となるはずです


私の経験から
必ずそう思える時がやってくることを保証します




【極意⑧】

人前で演奏する機会を1回でも多く持つこと








「大人のピアノ」上手くなるための極意⑦

2020年05月08日 | 大人のピアノ


ピアノを習っている大人の方に
良く聞く話ですが・・・


Aさん「あなた、ピアノ習ってるの?ステキ・・何か弾いて!」

Bさん「今レッスンで習ってる曲はあるけど・・」


Aさん「それ弾いてheart


Bさん「あ~それはまだ弾けないの」

Aさん「じゃあ、前に習った曲でもいいわよ」

Bさん「あっ、それはもう弾けない!」


笑い話のようですが
心当たりのある方もいらっしゃるのでは?



こんなことにならないように
私は「マイ・レパートリー」を1~3曲作ることを
おすすめしています

それはレッスンで過去に弾いた曲の中から
自分の好きな曲を選んでいただいたら結構です

技術的には
自分にとってあまり難しいものではなく
遊び感覚で弾ける程度のものがいいでしょう


選んだ曲の楽譜はいつも手元に置いて
練習の前後や
休日で時間があるときなどに
普段から繰返し弾いて下さい


同じ曲を何度も何度も繰り返し弾くことにより
テクニックが定着しますし
何より良いことは
自分の心を表現する余裕が生まれます


あなただけの『マイ・レパートリー』


いつかどこかの「駅ピアノ」で
弾く機会が訪れるかもしれませんよheart



【極意⑦】

自分のお気に入りのマイ・レパートリー曲を1~3曲選んで
普段から弾いておく



「大人のピアノ」上手くなるための極意⑥

2020年05月07日 | 大人のピアノ


音楽とは
単なる「音」の集合体ではありません


「音」によって「楽」しむことが「音楽」です


ピアノを弾くということは
ただ単に楽譜に書かれた記号(音符)を音にすることでは
ないのです


その音にどんな思いを込められているか

何を表現するのか・・・


例えば

「♪ホ ホ ホタル来い・・・」

このたった8小節の曲も
音のつらなりによって生じる
曲の持つ意味を考えそれを表現することが

「ピアノを弾く」

ということなのです



そしてそれは
プロの演奏家だけでなく
ピアノを弾く全ての人がすべきことであり
また出来ることでもあるのです


歌詞のある曲は
歌詞が大きなヒントになるでしょう


また
クラシック曲のように歌詞が無い曲でも

メロディの流れや和声によって
音楽が表現していることを感じることができます


それを自分の気持ちにリンクさせて
演奏することが
あなた自身の表現する喜びとなるのです



「弾くことに精一杯でとても表現するところまではいきません」


そんな言い訳をして表現することから逃げている人が
たくさんいますがとても残念なことです


たった一つの音にも
精妙な意味が感じられる時があります


せっかくピアノを弾くのですから
無意識に機械的に音を鳴らすのではなく

あなたの気持ちを指先に伝え
美しい音を楽しんでください


ピアノを弾くことの
喜びが倍になりますよsymbol7kirakira2


【極意⑥】

ただ楽譜通りに音を鳴らすことだけを考えるのではなく
音楽を自分自身の気持ちにリンクさせて
表現することにエネルギーを注ぐ