『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

30年後の答え ~一生使わない微分・積分などを全員に勉強させる理由~

2020年08月13日 | 考える日々


子どもの頃、暗記をしなくちゃいけなくなるたび、
「なんでこんなことやってんだろ?調べりゃ載ってるのに」と思ってきた。
当時から記憶力に難アリの私としては、理不尽な思いを抱いていた。

たとえば、平家物語。
滅びた年代? そんなの知らない。
でも、たぶん私、クラスで一番清盛のこと語れるし、
清盛に学べてるよ、『女人平家』上下巻と、
子ども版の平家物語ダイジェストの範囲内だけど、
みたいな世界(^^)。

微分積分とか、サイン・コサインみたいに、
そもそも何に使うんだかわかんないこととか、
文学者の名前と作品名、〇〇派を結ぶ、とか、
あ~、本質と関係ないとこでしんどいなぁ~、と思って、ン十年。

中2の子どもが、
そろそろそういうことを感じる年ごろになっている。
けど、なんか素直で、私のようにウダウダ考えない。
むしろ、今だに親の私の方がこっそり疑問を持ち続けている。

当時から、
別に勉強や校則がイヤだと反抗してるんじゃないのよ。
それを日本中で学生に教えるには何か意味があるはずだから、
それを学ぶ意味を教えて欲しい、って言ってるだけなんだけどね。
一部の先生を除いて、見事に誤解されてきたもんだ(^^)。
まぁ、足並みの揃わない、めんどくさい子どもではあった…かも。

で、今日読んでいた本。
『AI vs 教科書が読めない子どもたち』
by新井紀子さん 東洋経済新報社

この中に「どうして三角関数を勉強しなきゃならないの」
という小見出しがあったので、
思わず「おお~、30年ぶりに答えてくれる人がいた!」と読んでみた。

P255~256に曰く。
 三角関数や微分・積分は、一部の専門的職業を除き仕事には役に立ちませんが、
 それを理解できないまでも公式を覚えて問題を解ける能力は、
 仕事でも有効で汎用性があります。(中略)
 また、自分の役に立つかどうかもわからないことでも、
 やれと言われれば一所懸命に取り組む従順性や、
 入試のためだからと割り切って努力できる合理性は、
 企業が多くの従業員に求める資質だと考えることもできます。(引用)

納得~。だからイヤだったんだ!!
特に後半。
それって、都合のいいヤツじゃん。

ともあれ、こういう勉強は、
学生が会社で使えるかどうか振り分けるのに役立ってきたけど、
あと10年もしたら、たぶん、こういう従順さとかじゃなくて
コミュニケーション能力とか、創造力とか、
前向きな雰囲気を作る力とか、突破力とか…、
そういう「人間だけにある力」が今よりもっと大事になる気がするなぁ。

ちなみに、同書のP170によると、
10~20年後、AIで仕事が淘汰されていっても残る職業第1位は
「レクリエーション療法士」ですってよ!!
えーと…何だっけ? キャンプのリーダーみたいな人?
デイサービスでリハビリ兼ゲームみたいなのをしてくれる人とか、だよね?

あとは、小学校の先生とかカウンセラーとか
作業療法士とか各種コーディネーターとか、
そういう、数字では分析できない、答えも一つじゃない、
「人と人とをつなぐあったかいもの」
が求められる仕事が、残っていくようです。

へぇ~。なんか納得です。
じゃあ、使える学生を古い分ける入試問題や入社試験は
「友達と仲良くできる:とか、そういう方がいいじゃん(^^)。

まぁ、何を勉強するにしても、何になるにしても、
やりたい方向に向かってガシガシ努力できる力は
突破口を開くよね。


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