『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

反対の意見に耳を傾ける大切さとしんどさ

2020年07月20日 | 考える日々


高校の頃、新聞には会社ごとに論調があって、
ある種の政治的バイアスがかかっていることを知った。
それに驚く程度には、メディアリテラシーがなかった。

授業で、
「朝日とサンケイとか、自由民主と赤旗とか、
両方読んでいる人って、どんな意見してるんでしょうね。
読解力を疑います」と社会の先生が言ったのを
「ダメだ、こりゃ」と思ったのを覚えている。

自分の意見を後押ししてくれる理論や数字を拾うためには、
同じ論調のものが嬉しい。
だけど、反対の意見のものを読まなければ、
相手の言うことが正しくても、かたくなに反対するだけになる。

わかってるんだけど、やっぱり、
同じ意見のものばかりを読むクセは抜けない。
何より、同じ意見のものを読むと気持ちがいい。
そして、自分の意見に自信がないから、
他の人の言葉で理論的に納得して、
自分の意見に自信を持ちたい、なんてこともあった。

そこから30年。
ガンガン感染者が増えている中で、
「コロナは都市封鎖する必要はない」という人がいる。

聞いてみたら、それはそれで、大変説得力のある意見だった。
自分の考えていたことが否定されるから、
とても居心地悪いんだけど、それでも、
両方を聞いて判断することができれば、
片方だけにすがっているよりは、真実に近づく。

そのウイルス研究者の意見は、
以下3条件を満たすだけで大丈夫、
都市封鎖などする必要はない。
なぜなら、社会がもたないから、というもの。

 1 マスクをするか、小声で話す
 2 目や鼻、口をさわらない
 3 手を洗う

8割減を目指すのは、人と会う絶対数じゃなくて、
人と会った時の
自分の感染リスクを8割削減する方向で考えよう、と。

少なくとも、
「もういいよ」と言われたから危ぶみながら町に出る、
というような気分ではなくて、
「アレとコレとソレを気を付けて出たら、ほぼ大丈夫」と、
自分で行動をコントロールできるのが頼もしい。

同じ論調のものを読んで
「ほら、〇〇さんもそう言ってる」と安心するのは、
真実よりも自分の心をヨシヨシしたいという寒い心が見え隠れして、
カラダが風邪をひく前に、すでに心が風邪ひいてるなぁ、と思います。

あと、もうひとつ。
反対の意見を見て、今まで自分が持っていた考えに「?}が浮かび、
「んで、どーしたらいいんだ??」と頭が混乱している時に思ったのは、
「どっちでもいいから、専門家に指示してほしい!」ということでした。

ああ、こうやってわかりやすいスローガンが支持され、
自分で考えることを放棄し、無関心な加害者になっているんだなぁ。
ユダヤ人を殺したのも、公害で苦しめたのも、
原発を田舎に押し付け、基地を沖縄に押し付けたのも、
私と同じ、ふつーの人。

自分で考えるって、あれこれしんどい。
人生を狂わされた人の比じゃないのに。


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