片道きゃっちぼーる

平凡な生活ですけど。

雪。

2010-03-10 23:03:57 | Weblog
今月号のカぺタ読んで、泣いちゃった。


3月に入ってからというもの、東京は天候不順が続いています。
なもんで、見にいきたい大学野球の練習試合が中止になってばかりです。
昨日なんて大雪だもんね。
夜の10時半頃、家に帰ろうと教室を出たら
ものすごい勢いで大粒の雪が空から落ちてきていました。
電車、めちゃめちゃ遅れてそうだなあ。
そう思いながら、mp3のイヤホンを耳に突っ込み再生ボタンを押したら、
あろことかTUBEの『SUMMER CITY』が流れてきました。
真夏じゃん。


雪が降るといつも、思い出すことがあります。
前の仕事をしていた時の話です。

仕事で名古屋に行った時のこと。
時期は…確か2月くらいだったと思うのですが、
その日の名古屋はものすごい雪が降っていました。
当時ワタシが付き人をしていた師匠に
某有名店の天むすを買ってくるよう言われました。
大通りまで出てタクシーを捕まえ、言われた店に行き
お目当ての天むすを購入。
お店の前で待ってもらっていたタクシーに乗り込み、そのまま
元々居た場所…駅の近くの建物に戻りました。
いや。
戻ろうとしました。
先に書いた通り、その日の名古屋は大雪。
大通りは何とか車が通ったものの、
目的地に行くため少し細い道に入ると
車の流れはピタッと止まってしまいました。
天むすを買ってこいと言いつけられてから、確か30分くらいが過ぎていました。

こりゃいかん。
このまま車が動くのを待ってたら、絶対ウチの師匠は機嫌が悪くなる。
ちょっと前に、雑誌に出てたレストランの予約が取れなかっただけで
機嫌を損ねて口きかなくなったことがあったし。
自分が悪いわけじゃないのに怒られるのは、イヤだなあ。

仕方がないので、そこでタクシーを降り、
そこから大雪の中を目的地までノソノソと歩いて行きました。

歩いたのは…どのくらいだったかなあ。
たしか、10分か15分くらいだったと思います。
スニーカーにジーンズ。
そして、少し厚手のパーカー。
タクシーで行き来するつもりだったので
手袋もマフラーも、傘すらも持って出ていませんでした。
死ぬかもしんない。

あと10メートルで、師匠の待つ建物の通用口…という所で
後ろから声を掛けられました。

「なんだよ。雪だるまが歩ってると思ったら、お前かよ」

威勢の良い江戸弁。
声の主は、故桂三木助師匠でした。

「仕事でこっち来てたんだけど、お前んとこの師匠がちょうど名古屋で仕事だっていうから
 差し入れ持ってきたんだよ」

その時、ワタシの目に入ったのは、三木助師匠が手にしている袋。
あの…ワタシが買いに行ったお店と同じ袋なんですけど…。

「この雪の中、わざわざ買いにいかれたんですか?」
「違うよ。来る途中で駅前のビルの地下で買ったんだよ」
「…あぁ…駅前で買ったんですか…」
「そう。歩いて5分かかんなかったよ」

ショック過ぎる。
ワタシは雪の中を本店まで買いに行って、
しかも帰りは遭難しそうになりながら歩いてきたのに。
つーか、駅前に店舗があるなら教えてくれよ。

「なんだ、お前本店までわざわざ買いに行ったの?
 この店はいろんなとこにあるのに。東京のデパートでも売ってるよ」

自分、切な過ぎる。
田舎者のワタシは、有名な店とか知らないし。
第一、何だよ天むすって。
そんなん知らねえよ。
関東の人間は食わねえよ。(食べます。)
天ぷらは天ぷら、ご飯はご飯で食えばいいじゃねえか。

やり場のない怒りを、罪の無い天むすにぶつけるワタシ。
ごめんね天むす。

案の定、小1時間待つことになったウチの師匠は重いっきり機嫌を損ねており
帰りの新幹線の中では一言も口をきいてくれませんでした。

今だから
「なんだこの師匠。いい年こいてガキかよ」
と笑って話せるのですが…ま、良い思い出ですかね。
そんなに良くないか。


別の話で、大学生だった頃
名古屋から某プロレス団体の選手バスに乗って
当時住んでいた横浜まで帰って来た…というのもあるのですが。
それはまた別の機会に。

最新の画像もっと見る