美男子俱楽部

※単行本はBOOTHにて発売中。

変わるな!

2024-01-25 | エッセイ

 何か作品を書いて、人に認知されるには、人に共感されなければならないと思う。

 それがもっと多くの人に、と思うならば、もっと多くの人に共感されるものを書かなければならない。

 となれば、自分は多くの人と同じ思想・考えを持たねばならぬ、ということになってくる。

 その理屈の根拠として、例えば恋愛歌がある。人気な恋愛曲というのは、聞いて「わかる」と思わせる、例えば「アイツの事好っきゃねん。でもな、こんなに好きなのにな、アイツを前にすると俺はかかしみたいになって、何も出来ない何も言えない。切ない」みたいな歌詞なんかを聞いて、分かる。俺も吉田のまえだとかかしみたいになるのよ。今までこういう場合、かかしって言う奴いなかったけどな。思えばかかしですよ。俺なんて。分かる。ってか、俺のこと分かってくれてるよね、この人。俺のソウル、マジで代弁してくれてる。最高。といった具合に共感する人がその曲のファンとなり、其の数が多い、という事で人気、という事になる。

 しかし同じく恋愛曲でも、

 「アイツの事好っきゃねん。一体どこが好きかといわれたら色々ありますけど、まずピータンみたいなケツですね。あれは、最高です。輪切りにしてパイン添えたいです。その中で吉田とサーフィンしたいです。切ない」みたいな歌詞であったら全く共感出来ない。ピータン?は?みたいな。しかし自分なんかはこっち派である。つまりかかしよりピータン派と言うことで、もしこの二種の歌詞の曲があって音楽的なところは同様のものとして、どちらが好きですか良い曲だと思いますか、と尋ねられた場合、俺は、おもろ。と思ったピータンの方を選ぶだろう。

 だから自分もそう云った作品を書く。従って共感を得ず、人に認知されない。それはピータンを選ぶセンスが悪いのであって、つまり人とセンスが違ってはいけない、変わり者で有ってはいけぬのである。

 そのために、まず多くの人と同じ感覚・センスを持たねばと思ったら明日は休日、一般的な人間の感覚・センスを知る為に、とりあえず近所で一般的な人間を一人家に攫って来て尋問に掛け、もしその人が一般的な人間の感覚・センスを持ち合わせていないと認められた場合は腹いせに木材に張り付けかかしにして知り合いの農夫に送り付けて金をせびり、もしその人がピータンみたいなケツをしていた場合は輪切りにしてパインを添え、くわぁーーーーーーーー。やってしまった。これが駄目。

 ピータン。(アーメン)


「人格の」

2024-01-25 | 

深夜、高速道路

敷き詰められたタイル

 

 「その様な多量の経験によって 人間は虚無のなかで 事事しい有様で 作られる」

 「しかし一時にして例えば全ては様々な成分・作用によって構成された只一つの憎しみ、それのみによって人は塗り替えられる」

 

埋まらない歯

人格のミックスジュース


「絶望鍋(具は必ず買うてある)」

2024-01-17 | 

からだじゅうが線香臭いというのは、

どう云う訳だろうか。

 

車を運動させる君が好きである

しかしそれをみる事が許されないというのは、

俺にその力が全く無いからである

絶望的なありさま

劇的なありさま、

俺は何時も意味の在る台詞を言う時は、

→局地的な演劇を行う。

「同様にするな」(腰掛けに座してライターをにぎりかぎりなく不服に満ちた面持で)

 

分からない事が多くて困る。

けれども自分が他人を思いやったからと云って

他人に優しさを求め失意する事はとても卑しいことである

、とおもう俺は卑しいと思う、おまえは下賤である

尖り続けよ

苦しめ続けよ

折角の幸福を溝渠に捨て続けよ

折角の幸福を無様に拾い続けよ

 

鍋に君だけを加える。

君がネギ・白菜などと話す事が嫌である

水菜に笑い掛ける君が嫌である

豚肉に触れる事を禁止する

豆腐の事を好きにならないで

えのきを可愛いと思わないで

その様な我が儘が沸騰した頭で、

君を東え 君を末え

君が安心する場所え 俺以外の場所え帰す

これも演技である。

様々な気持ちを売り捌いて

一刻も早く帰宅するタイムを得る

救い難いマインドを排除して

絶望的なありさま、絶望的な鍋。

 

それでもなみだをながしながら幸福を祈ると云うのは、

一体何?


怒り

2024-01-07 | 筆録

この時間あの時間。いつも俺は怒っていた

とても腹だたしい事であるしかし辛いことである

腹だたしいとは辛い事である 苦しいことである

嫌なことをされたかも知れない

ひどいことをされたのかも知れない この時間あの時間

君に手紙をおくりたい 百枚くらいになるかも知れない

一切の怒りが無いことを約束する。それは、とても残忍な事である

 

(低俗が、事実だけをみ掛けて、一緒にするな。俺たちに何も言うな。)

責められた若者は 私なんかはと言う

私に好かれて最強である筈のあなたにそう言わせてしまうのは

とても残忍なことである。

後悔している。安心してくれ

手紙にはそれが書いてある

酒なんか飲まないで帰ってきてくれないか

 

君は待っていたのだ。

怒りにまかせたあの時間この時間

もし俺が怒ったなら、頬をふくらませる

それだけだからね

怒りが無いという事は辛くて悲しい事だからね

だから、俺は世界で一番頬をふくらませるのかも知れない

世界で一番かわいい君みたいに

それを手紙に書いてある