テポのお墓参り

　去る９月２６日に亡くなった友人松澤保弘君のお墓参りに行ってきた。
　善光寺の北西にある雲上殿という墓地の中に松澤家代々の墓所があって、３６歳で急逝したテポがその中に眠っている。その墓地は、長野市を一望に見下ろすことのできる高台にあって、その中でも松澤家のお墓は旧家の多い高いほうに位置する。小道を隔てた二つ先には小野正孝さんという伝説の方が眠っている。

　彼が熱心に取り組んでいた長野少年サッカースクールのコーチたちと初墓参である。　
　「あいつ、まだ死んじまった実感がないかもしれないな」などと言いながら周りを箒で清め、お墓を洗い、花を手向けてそれぞれ線香をあげて手を合わせた。やっぱりこういうときには誰もが口数が減ってテポのことを考えながらお参りをした。
　彼の知り合いが誰もいなくなってここを訪れることがなくなるまで、テポは生き続ける。だからわれわれもいつまでも彼のことを覚えていようと思う。