エスカレーター

毎日地下鉄の改札から地上に上がるエスカレーターに乗る。
途中、天井がガラス張りで空がよく見える箇所がある。
上を向いていると空がどんどん近づいてくる感じがする。

人生みたいだなと思った。

ボ～ッと立ってるだけでも確実に死に向かっている。
エスカレーター。
座っていても、立っていても、笑っていても、
泣いていても、へこんでいても、ハイテンションでも、
どんどん上っていく。
進みたくなくても勝手に進んでいく。

途中で別のエスカレーターに乗った人と出合い、
同じスピードで進んでいる間は会話をしたり、
時間を共有していることになるだろう。

でも次第にそのスピードにも差が出てくる。
相手のエスカレーターの速度が速くなったり、
逆に自分の速度が速くなったり。

そうやって出会ってはすれ違っていく。

それでも最後はみんな同じで、
雲の上の天国みたいなところに繋がっている。
エスカレーター。

遅かれ早かれ行き着くところはみんな同じだ。
同じはずだ。
きっと。