呆老冷水録-Don’t be silly Grand'pa

80すぎたら横と後ろだけ見て過ごそうか!

鈴木正三

2006年05月13日 | 暮らしの雑事
戦国末期から江戸時代初期を生きた鈴木正三というお坊さん(思想家・哲学者というべきか)の名は20数年前に山本七平の著書「勤勉の哲学」で知っていたが彼が奥三河の人だったとはハズカシながら今朝の新聞で初めて知りました。

武士だった正三(ショウサンとかマサミと読むらしい)の功績は「日本的」仏教思想の普及や天草事件後の島原藩再建に尽くすなどいろいろあるそうだが私の知識にある正三は、ひらたく言えば「自分のなすべき事を誠実に実行する事が即ち仏の教えを守る事だ」という行動哲学を説いた人なのです。
山本七平の「勤勉の哲学」はキリスト教では信者は神と直に向き合い己の罪・弱みをさらけ出して神の慈悲を請うのに対し、正三の説く仏教思想は人間と仏の間には相当な距離があるから、人に出来る事はまず己の身近なものに誠を尽くす事であって、その連鎖が最終的には仏に誠意を伝えることになるという理屈から、子は親に孝行を、百姓はひたすら農業に精を出し、職人はもっぱら良い仕事をし、武士は主君に最善の忠義をつくすことが仏の道だというもので、これは現代日本社会でも人間の行動規範として脈々と生きているといったようなことを述べた著書で、当時絶好調だった日本企業の強さの秘密的な意味合いも多分にあった筈です。
そういえば私の勤めていた会社の社是にも「社業を通して社会に貢献云々」という一節があったが、我国では商人といえども最優先は顧客であり、利益は結果としてついてくるモノというのが日本的(正三的)思想であって、敢えてこれに反抗して「利益最優先」思想をさらけ出しては(ホリエモンが典型)結局うまく行かないようですね~。
というわけであらためて昨今の世間を見渡すと先月も書いたがガックリする事ばかり!
ついに学校の教科書にも誤字脱字が増えた等というニュースを聞くに至ってはモウ言葉も失うが、このブログもボヤキ記事が増えすぎて趣旨が変質しないよう、ここは用心用心・・・(2006年5月記)
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3 コメント

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新聞記事の正三公園 (カワセン)
2006-05-13 17:09:23
こんにちは。

はじめて訪問いたします。



新聞記事にある正三公園に隣接する小学校の職員です。

ずいぶん前から正三に注目してみえたですね。

本校では、正三を学校の教育活動に取り入れています。

http://www2.town.asuke.aichi.jp/school/norisada/syosan/index.html

昨年、正三没後350年でした。正三ゆかりの豊田市2校、熊本県本渡市の小学校1校が参加して組曲「鈴木正三物語」を行いました。



また、何かお気づきのことがありましたら、ご指導ください。



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世法即仏法 (カワセン)
2006-05-17 01:09:40
コメントありがとうございます。oldjackさんの博学ぶり、感心いたしました。本校の合言葉は「真心こめて力いっぱい」です。正三の教えから来ています。「世法、仏道二法にあらず」(世法即仏法)はまさに、身近なものに真剣に取り組むことの尊さをあらわしていると思います。現代社会に生きる者が大切にしたい点です。

今後ともよろしくお願いします。
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今日の中日新聞にも (やさま まやけた)
2006-05-19 22:10:29
載っていましたね。

山本七平の「勤勉の哲学」読み返してます。

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