「WRO2019ハンガリー大会」で6位入賞し、笑顔を見せる沖縄アミークス小学校の(前列左から)中川仁斗さん、佐和田海斗さん、山田黎弥さん。後列は佐和田さんの父・尚登さん(提供)
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世界最大級の学生対象ロボット競技大会「ワールド・ロボット・オリンピアード(WRO)2019ハンガリー国際大会」が8~10日、現地のオリンピック・スポーツ・パークで開かれ、レギュラーカテゴリの小学生エキスパート競技に日本代表として出場した沖縄アミークス小学校のチーム「AMICUS NKR」が6位に入賞した。
6位は日本チームの同カテゴリで最高順位タイ。
出場したのは6年生の中川仁斗さん(12)と佐和田海斗さん(12)、5年生の山田黎弥さん(11)の3人。8月に行われた国内大会で優勝し、県勢として初めて国際大会への出場権を獲得していた。
レギュラーカテゴリは自律型ロボットを製作し、設定コースの課題をクリアする部門。小学生エキスパート競技には世界各国の92チームが参加した。
初日はばらばらになった部品を組み立て、2日目は発表された課題に合わせてロボットやプログラムを組み直し、課題に挑戦した。3日目も三つの課題に挑戦した。課題の内容は事前に知らされておらず、臨機応変にプログラミングする能力が問われた。
中川さんは「初めての国際大会だったけど、チームワークも良く、緊張せずに挑戦することができた。来年こそはメダルを取りたい」と技術の向上を誓った。
佐和田さんは「ベストを尽くして入賞することができた。とてもうれしい」、山田さんは「他の国の選手と話すこともできて楽しかった」とコメントした。
琉球新報
首里城の写真を募集し、デジタル上の3次元で首里城の復元を目指す「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」のホームページ
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焼失した首里城をデジタルの世界で再建させようと、画像処理やバーチャルリアリティーの分野の専門家らが集まり「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」を立ち上げた。プロジェクトは、異なる視点からの写真やビデオを集め、デジタル上で3次元の形状を復元する技術を使用する。メンバーらは全世界から首里城の写真の提供を募っている。プロジェクトの中心となっている東京大の川上玲特任講師は取材に「完成後は沖縄の方々に活用してもらい、首里城が再建するまでの観光資源として役立ててほしい」と語った。
写真や映像などの素材が多いほど精密に再現できるため、同プロジェクトのメンバーらは100万枚を目標に広く提供を呼び掛けている。
川上さんによると、5日夜にプロジェクトのホームページを立ち上げ、ツイッター(短文投稿サイト)などで呼び掛けを始めた。既に世界中から写真などの提供が相次ぎ、8日午後3時には1万枚を突破。海外の研究者らもプロジェクトに参加し、日本だけでなく、米国や欧州、アフリカなどさまざまな国々から写真の提供があるという。
プロジェクトを呼び掛けた川上さんはコンピューターに画像をどう理解させるのかを研究するコンピュータービジョンの専門家。首里城を訪れたこともあり「(火災は)とてもショックを受けた。火災の影響で学校に行けない小学生がいることをニュースで知って悲しい気持ちになった」と語る。火災があった10月31日は国際会議に参加するため韓国にいたが、帰国後すぐにプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトは画像だけでなく、撮影された時期やその時の思い出なども募集している。
3次元の首里城の中に入ると、人々の思い出などが浮かび上がる仕組みも考え「心のこもったコンテンツ」(川上さん)となることを目指している。
同プロジェクトのホームページはhttps://www.our-shurijo.org/
本島北部のテーマパーク事業に携わるコンサルティング会社「刀」(東京)の森岡毅CEOは11日、事業の実現に向けて年末年始に初期段階の資金調達計画をまとめ、春ごろまでに中間報告をする考えを示した。事業費は数百億円規模を見込む。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をテーマパークに導入することについては「構想の中には入っていない」と否定した。名護市内で報道陣の質問に答えた。
森岡氏はテーマパークについて「五感に訴える演出を、大自然の刺激の中で成し遂げられる施設にする」と説明した。建設予定地のオリオン嵐山ゴルフ倶楽部は豊かな森林が残されており、日常と切り離した独特な空間を演出できるという。大自然を生かし、屋内施設では味わえない体験や興奮を提供するという、北部テーマパークの基本的な方向性を強調した。
一方で、設置するアトラクションの詳細については「環境アセスメントが終わるまでは具体的なプランの話はできない」と明らかにしなかった。
資金調達に向けて県内企業を中心に協力を要請し、不足する部分について県外企業にも投資を依頼するという。森岡氏は「沖縄の発展のために事業を進める。その考えに賛同してくれる皆さまに協力をお願いし、われわれもビジネスに全力を尽くす」と強調した。
IRについては「沖縄が豊かになるために必要不可欠な施設ではない」と指摘した。テーマパークは北部への誘客や、中長期的な地域の活性化を目標に掲げており「北部に税金が落ちる構図をつくる」と話した。家族連れや女性客などを主なターゲットに、日本人と外国人客の両方が楽しめる施設を想定している。
北部のテーマパークは刀のほかオリオンビール、リウボウ、ゆがふホールディングスなど県内外の企業が事業に参加する。オリオン嵐山ゴルフ倶楽部の敷地約120ヘクタールのうち、約64ヘクタールを利用する計画。2025年頃の開業を目指す。
ユー・エス・ジェイ執行役員として沖縄でのUSJ計画にも携わった経緯を持つ森岡氏は、やんばる観光推進協議会が11日に名護市内で開いた講演会に招かれ、テーマパーク事業や北部観光のマーケティング戦略について講演した。
エイサーを披露する三茉エイサーのメンバーら=10日、那覇市の国際通りむつみ橋交差点
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福建師範大学協和学院のエイサーサークル「三茉(サマー)エイサー」は10日、那覇市の国際通りむつみ橋交差点で、県内のエイサーや旗頭の団体と共にエイサーを演舞し、交流を深めた。
中国の踊りとエイサーを融合させた演舞を披露。リーダーの林燕娟(りんえんけん)さん(23)は「沖縄の伝統的なエイサーを生で見ることができ良かった。演舞できて楽しかった」と話した。
首里城の再建に向けた募金活動も実施された。副リーダーの林桂発(りんけいはつ)さん(22)は「再建のために役に立てるのならうれしい」と笑顔を見せた。