本島北部のテーマパーク事業に携わるコンサルティング会社「刀」(東京)の森岡毅CEOは11日、事業の実現に向けて年末年始に初期段階の資金調達計画をまとめ、春ごろまでに中間報告をする考えを示した。事業費は数百億円規模を見込む。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をテーマパークに導入することについては「構想の中には入っていない」と否定した。名護市内で報道陣の質問に答えた。
森岡氏はテーマパークについて「五感に訴える演出を、大自然の刺激の中で成し遂げられる施設にする」と説明した。建設予定地のオリオン嵐山ゴルフ倶楽部は豊かな森林が残されており、日常と切り離した独特な空間を演出できるという。大自然を生かし、屋内施設では味わえない体験や興奮を提供するという、北部テーマパークの基本的な方向性を強調した。
一方で、設置するアトラクションの詳細については「環境アセスメントが終わるまでは具体的なプランの話はできない」と明らかにしなかった。
資金調達に向けて県内企業を中心に協力を要請し、不足する部分について県外企業にも投資を依頼するという。森岡氏は「沖縄の発展のために事業を進める。その考えに賛同してくれる皆さまに協力をお願いし、われわれもビジネスに全力を尽くす」と強調した。
IRについては「沖縄が豊かになるために必要不可欠な施設ではない」と指摘した。テーマパークは北部への誘客や、中長期的な地域の活性化を目標に掲げており「北部に税金が落ちる構図をつくる」と話した。家族連れや女性客などを主なターゲットに、日本人と外国人客の両方が楽しめる施設を想定している。
北部のテーマパークは刀のほかオリオンビール、リウボウ、ゆがふホールディングスなど県内外の企業が事業に参加する。オリオン嵐山ゴルフ倶楽部の敷地約120ヘクタールのうち、約64ヘクタールを利用する計画。2025年頃の開業を目指す。
ユー・エス・ジェイ執行役員として沖縄でのUSJ計画にも携わった経緯を持つ森岡氏は、やんばる観光推進協議会が11日に名護市内で開いた講演会に招かれ、テーマパーク事業や北部観光のマーケティング戦略について講演した。
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