沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった人たちを悼む「慰霊の日」を迎える。
70年前、最後の激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)にある沖縄平和祈念堂では22日、沖縄全戦没者追悼式の前夜祭があり、遺族が「平和の鐘」を鳴らし、琉球舞踊などが奉納された。
前夜祭には遺族ら約450人が出席。鐘の音に合わせて黙禱(もくとう)し、犠牲者を追悼した。会場外の「平和の礎(いしじ)」周辺では、ろうそく7千本に火がともされ、上空4千メートルまで届くサーチライトが夜空を彩った。
追悼式は23日正午前から同市の平和祈念公園で開かれ、安倍晋三首相やケネディ駐日米大使も出席する。
今年の「慰霊の日」は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画に反対する翁長雄志知事が、移設を進める安倍政権と激しく対立している中で迎える。
平和宣言を読み上げる翁長氏が、県民の4人に1人が犠牲になったとされる沖縄戦と戦後続く米軍基地問題について、どのようなメッセージを発信するか注目される。
首相にとっては、4月末の日米首脳会談で辺野古移設を進める決意を米側に改めて伝えてから初めての沖縄訪問となる。(吉田拓史)