パペット劇場ふらり旅 ~広島~

芝居好きの私がめぐり合った人形劇の魅力、たっぷりとお伝えします。

人形劇フェスティバルの実体は・・?

2005-09-19 | 人形劇
香川県の東かがわ市にあるとらまるパペットランド第1回とらまる人形劇カーニバルに行ってきた。
もとより急に思い立って出掛けたので事前調べも行き届かなかったのだろうが
広島からの私には戸惑うことが多かった。
カーニバル情報は京阪神向けにテレビでPRを流したらしいが、だいたいは香川県内向けのものばかり。私はたまたま人形劇団のHPの公演情報で知ったのである。

瀬戸大橋の開通で高松までのアクセスは快適なのだが、
会場のあるJR三本松駅までの高徳線は1時間に1~2本、運転手さん一人のワンマン列車で心細いこと限りない。しかも駅からとらまる公園への経由する定期バスは4月に廃止、カーニバル中のみシャトルバスが運行されていることを到着した駅で知った。
とらまる公園は駅から2キロ以上はなれた郊外にポツンとあるのだ。

しかも午後の公演が夕方の4時に終わると売店や食バザーのコーナーは
あっという間に店じまいしてしまい、7時開演の平常(たいらじょう)の『毛皮のマリー』までは閑散とした公園内で途方にくれてしまった。公園の近隣にはコンビニひとつないのだ。
町の中心部で行われるイベントもタクシーしか移動手段がない私は諦めることに。
参加者は殆んど自家用車に乗り合わせて来ているらしい。

帰りのタクシーの運転手さんから昨年の台風で会場体育館の屋根が吹き飛ばされたこと、カーニバル開催にはいろいろ経緯があったらしいことを聞いた。

地元紙四国新聞社のサイトによると
「同カーニバルは、昨年まで二十年間続いた「レクリエーションと人形劇のカーニバル」をさらに盛り上げようと、出演劇団を日本のトップクラスに絞り込んだり、地元商店会などが協力し、地域を挙げてのイベントにリニューアル。三本松商店会(田中久夫理事長)も街角で人形劇のミニステージを開催した。」とある。

検索で調べてみると開催までには市議会でひと悶着あったらしいことが分った。
今回のカーニバルは、市長が定例会の施政方針で断腸の思いで中止を決定した僅か数ヵ月後に急遽補正予算が計上されている。これに反対した市議会の減額提案が僅差で否決された為にかろうじて開催にこぎ付けたというのが実情のようだ。

HPの議会報告でカーニバルの予算を知ることができた。
とらまる人形劇カーニバルの予算案は860万円、支出のうちプロ劇団に要する費用は、報償費・旅費で375万円とのこと。6月補正予算での人形劇カーニバル補助金は380万円、修正提案はアマチュア劇団を中心としたカーニバルとして100万円のみ認めるという内容だったようである。
常に経費節減を迫られる厳しい地方行政、乏しい財源の中で文化予算はどこも風前の灯であろうは想像がつく。かがわ市では、(カーニバルを)いったん止めてしまえば復活するためには大変な力がいる、市全体の予算の中から何とか捻出しようということで今回の実施となったようだ。

市議会議員さんの中にも人形劇に対する釈然としないものがあったようである。
修正予算での減額要求がプロ劇団に対する経費であったことにそれが窺われる。
参加プロ劇団数、役者の人数、公演数を考えると予算額は決して法外だとも思えない。
プロ人形劇団のプロとしての実力に対する社会的認知の低さにがく然とした。
人形劇フェスティバルというのは規模の大小は問わなければ実にたくさんのものが全国各地で開催されているのであるが・・。→参照

そのとらまる人形劇カーニバルでのプロ人形劇団の公演の観劇報告は明日アップします。観劇したのは以下の5作品。
人形劇団京芸「おれはママじゃない」
よろず劇場とんがらし ザ・ドラマティック腹話術「あかずきんちゃん」 ←オススメ
人形劇団クラルテ「ポリチーノのけっこんしき」 ←今回のダメダメ
人形劇団ひとみ座「花咲かじいさん」 ←今回のダメダメ

そして大人向け作品として
平常(たいらじょう)「毛皮のマリー人形劇版」 *リンクは上記参照。

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