堕落論 2006-04-01 | 教室(classroom) <私は放校されたり、落第したり、中学を卒業したのは二十の年であつた。十八のとき父が死んで、残されたのは借金だけといふことが分かつて、私達は長屋へ住むやうになつた。お前みたいな学業嫌ひな奴が大学などへ入学しても仕方なからう、といふ周囲の説で、尤も別に大学へ入学するなといふ命令ではなかつたけれども、尤もな話であるから、私は働くことにした。小学校の代用教員になつたのである> 坂口安吾が1947年に書 . . . 本文を読む