悶々とした前回の捕獲失敗から数週間がたち、2月に入ってようやくの6頭目が罠に掛りました!
こちらは山里の植林の中に掛けていた罠です。
ここも人に頼まれて掛けた場所なのですが、なかなか掛らずに苦慮していたところでした。
その日もいっそ罠を増やそうと、狙った場所に2個増設してから他の罠を見て回りました。
無意識のうちに掛ってないだろうと思い込んでいたので、気楽にフンフンと見回っていました。
しかし、最後の1個のところに近づくところで何か違和感が…。
あ、あんなところに岩とかあったっけ…?
いつもは無いはずの場所に暗い色のカタマリが…。
いや、わかってる、わかってるよあれが岩じゃないことくらい…。
すっかり戦闘モードの抜けたお気楽気分で見回りをしていたので、いきなり目の前にイノシシが現れると一気にビビりスイッチがONになってしまうのです。
そーっとそーっと斜面の上側に移動しつつ横目で確認します。
こちらを見つめるつぶらな瞳、三角の耳、まちがいなくイノシシです。
しかもこちらをガン見しています。
ちがう、ちがうよ~、猟師じゃないよ~。
そんなことを心の中でつぶやきながらとりあえず車のある方へ回り込んで体勢を立て直すことに。
ビビりモードに入った私はかなりヘタレです。
このイノシシはなかなかアグレッシブなタイプだったようで、回り込んでいる間も威嚇と突進を繰り返してきました。
しっかりとした場所に罠が掛っているかどうか確認できていなかったので、もし切れたらやばいな~と思い緊張しました。
安全な場所まで戻ると、とりあえずいつものように師匠に電話です。
もちろん師匠は一人でヤッテミロ!というのはわかっているのですが、とりあえず緊張のはけ口として電話をすることで落ち着きを取り戻します。あと、もし返り打ちにあったとしても電話をしていれば発見してもらえるというものです。
この日はあまりに久々に獲物が掛ったので気後れしてしまい、結局は師匠に応援部隊を送ってもらうことになりました。
応援を待つ間、応援部隊員用に生木を一本切り出しておきました。
イノシシの様子も待っている間によく観察してみると、足のいいところに掛っているようです。
応援に来てくれたのは近くに住むTさんです。
Tさんには昨年も助けてもらいました。
ガタイのいいTさん(非猟師)がいれば百人力です。
ふたりで現場に向かいますが、やはり切り込み隊長は私です。
結構でかいイノシシで、ワイヤーも巻いてなくて行動範囲が広かったのですが、ワイヤーの限界を見極めて最初の一撃を食らわします。
が、足場が悪くて体勢が崩れ浅い攻撃しかできませんでした。
それでもなんとか数発くらわせた後、イノシシは嫌がって反対方向へ逃げました。
そこへすかさずTさんが回り込みます。
「たのんだ!Tさん!!」
素人のTさんに無茶ぶりです。
それでもTさんは持たされた生木を手に一生懸命頑張ってくれました。
「やれっ!もっと!もう一発!!」
酷い言葉で激励し、やっと打撃の効いたイノシシが斜面を転がり落ちました。
すかさず駆け寄り、回り込んで最後のとどめは私が刺しました。
まさかこんなことをやらされると思っても見なかったTさんは息を切らしながら立ちつくしています。
ゴメンナサイね…。
血抜きをすませ、車に積むのを手伝ってくれたTさんはさっそうと帰って行きましたが、
「わし、こんなんしたん初めてや…」
とつぶやいていました。
後日聞いたところによると、帰り道の間中やっつけたイノシシが目にちらついてどうしようもなかったということです。
何度か現場を見ているとはいえ、見るのと自分がやるのでは違いますよね…。
トラウマ作っちゃったかも…ごめんね、Tさん。
今回獲れたのは
♀58キロでした!
しかも結構脂の良いメスで、脂ナシヲばかりだった今年度では初の上物でした。
久々の獲物で上物ときたら、山の神様に大感謝で大喜びしたのは言うまでもありません。
Tさんにもいいお礼ができます。
このイノシシでサラミも作れる!そう思って腸を取っていると、嫌な黄色の内容物がたくさん出てきました。
なんとなく○レーみたいでゲンナリしましたが、気を取り直してなんとか小腸を取りました。
胃袋もパンパンで、どうやら食後の帰り道にまんまと捕まったところだったようです。
家に帰って小腸を洗っていると、ふわっと漂う柑橘系の香り。
近くにはミカン畑などない場所なので不思議に思いましたが、どうやら黄色いものは柑橘系の繊維だったようでした。
後日見回りの時に気を付けてよく見てみると、まさかとは思いましたが数本ある放棄柚子の木の近くに点々と転がるこんなものが。
近づいてみるとやっぱり柚子の皮でした。
しかも、じょうずに種を出して袋の部分だけ食べています。
イノシシも柚子を食べるなんて初めて知りました。
オリーブ牛ならぬ柚子イノシシですね。
まぁ、まだ肉になるほどは食べてませんでしたけど。
柚子も落ちると酸味が減るのでしょうか。
それにしても、葛の根や山いも、栗やマムシや豪勢な感じのものばかり食べてイノシシはグルメだな~なんて思うのは私だけでしょうか。
今回も
イノシシさん、
山の神様、
師匠、
Tさん、
ありがとうね~!
こちらは山里の植林の中に掛けていた罠です。
ここも人に頼まれて掛けた場所なのですが、なかなか掛らずに苦慮していたところでした。
その日もいっそ罠を増やそうと、狙った場所に2個増設してから他の罠を見て回りました。
無意識のうちに掛ってないだろうと思い込んでいたので、気楽にフンフンと見回っていました。
しかし、最後の1個のところに近づくところで何か違和感が…。
あ、あんなところに岩とかあったっけ…?
いつもは無いはずの場所に暗い色のカタマリが…。
いや、わかってる、わかってるよあれが岩じゃないことくらい…。
すっかり戦闘モードの抜けたお気楽気分で見回りをしていたので、いきなり目の前にイノシシが現れると一気にビビりスイッチがONになってしまうのです。
そーっとそーっと斜面の上側に移動しつつ横目で確認します。
こちらを見つめるつぶらな瞳、三角の耳、まちがいなくイノシシです。
しかもこちらをガン見しています。
ちがう、ちがうよ~、猟師じゃないよ~。
そんなことを心の中でつぶやきながらとりあえず車のある方へ回り込んで体勢を立て直すことに。
ビビりモードに入った私はかなりヘタレです。
このイノシシはなかなかアグレッシブなタイプだったようで、回り込んでいる間も威嚇と突進を繰り返してきました。
しっかりとした場所に罠が掛っているかどうか確認できていなかったので、もし切れたらやばいな~と思い緊張しました。
安全な場所まで戻ると、とりあえずいつものように師匠に電話です。
もちろん師匠は一人でヤッテミロ!というのはわかっているのですが、とりあえず緊張のはけ口として電話をすることで落ち着きを取り戻します。あと、もし返り打ちにあったとしても電話をしていれば発見してもらえるというものです。
この日はあまりに久々に獲物が掛ったので気後れしてしまい、結局は師匠に応援部隊を送ってもらうことになりました。
応援を待つ間、応援部隊員用に生木を一本切り出しておきました。
イノシシの様子も待っている間によく観察してみると、足のいいところに掛っているようです。
応援に来てくれたのは近くに住むTさんです。
Tさんには昨年も助けてもらいました。
ガタイのいいTさん(非猟師)がいれば百人力です。
ふたりで現場に向かいますが、やはり切り込み隊長は私です。
結構でかいイノシシで、ワイヤーも巻いてなくて行動範囲が広かったのですが、ワイヤーの限界を見極めて最初の一撃を食らわします。
が、足場が悪くて体勢が崩れ浅い攻撃しかできませんでした。
それでもなんとか数発くらわせた後、イノシシは嫌がって反対方向へ逃げました。
そこへすかさずTさんが回り込みます。
「たのんだ!Tさん!!」
素人のTさんに無茶ぶりです。
それでもTさんは持たされた生木を手に一生懸命頑張ってくれました。
「やれっ!もっと!もう一発!!」
酷い言葉で激励し、やっと打撃の効いたイノシシが斜面を転がり落ちました。
すかさず駆け寄り、回り込んで最後のとどめは私が刺しました。
まさかこんなことをやらされると思っても見なかったTさんは息を切らしながら立ちつくしています。
ゴメンナサイね…。
血抜きをすませ、車に積むのを手伝ってくれたTさんはさっそうと帰って行きましたが、
「わし、こんなんしたん初めてや…」
とつぶやいていました。
後日聞いたところによると、帰り道の間中やっつけたイノシシが目にちらついてどうしようもなかったということです。
何度か現場を見ているとはいえ、見るのと自分がやるのでは違いますよね…。
トラウマ作っちゃったかも…ごめんね、Tさん。
今回獲れたのは
♀58キロでした!
しかも結構脂の良いメスで、脂ナシヲばかりだった今年度では初の上物でした。
久々の獲物で上物ときたら、山の神様に大感謝で大喜びしたのは言うまでもありません。
Tさんにもいいお礼ができます。
このイノシシでサラミも作れる!そう思って腸を取っていると、嫌な黄色の内容物がたくさん出てきました。
なんとなく○レーみたいでゲンナリしましたが、気を取り直してなんとか小腸を取りました。
胃袋もパンパンで、どうやら食後の帰り道にまんまと捕まったところだったようです。
家に帰って小腸を洗っていると、ふわっと漂う柑橘系の香り。
近くにはミカン畑などない場所なので不思議に思いましたが、どうやら黄色いものは柑橘系の繊維だったようでした。
後日見回りの時に気を付けてよく見てみると、まさかとは思いましたが数本ある放棄柚子の木の近くに点々と転がるこんなものが。
近づいてみるとやっぱり柚子の皮でした。
しかも、じょうずに種を出して袋の部分だけ食べています。
イノシシも柚子を食べるなんて初めて知りました。
オリーブ牛ならぬ柚子イノシシですね。
まぁ、まだ肉になるほどは食べてませんでしたけど。
柚子も落ちると酸味が減るのでしょうか。
それにしても、葛の根や山いも、栗やマムシや豪勢な感じのものばかり食べてイノシシはグルメだな~なんて思うのは私だけでしょうか。
今回も
イノシシさん、
山の神様、
師匠、
Tさん、
ありがとうね~!
イノシシベーコンいいですね。私も今年は久しぶりに作ろうと思っています。
あと約1週間、ラストスパートですね。
僕の方も猟期終了前のラッシュで調子良く捕れてます(^^)先日も70キロクラスのメスをゲットしました(^^)v解体、精肉もウンザリって感じですが他の罠にも掛かりそうな感じなんですよ(-_-;)
猟期が終われば猪ベーコン作り等忙しくなりそうです。猟期もあと少し頑張りましょう!
確かに皮も厚いし、イノシシは見かけによらず敏捷なのでマムシをやっつけることは簡単なのかもしれませんね。
あとは、先輩猟師が耳を切って山の木の枝なんかに刺してくるので、真似をして耳を置いてきてます。たまに忘れて丸ごと持って帰りますが・・・。
これも雄ならどっちの耳を、と決まっているようですが詳しく教えてもらっていないので適当です。多分高知の猟師の人がやっていたことだと思うのですが、みんなやったりやらなかったりしているようです。
おそらく香川県はイノシシの狩猟文化は浅いので、あまりそういうのはなかったのかなと推測します。
民俗学、面白いですよね。
私も興味はあるのですがなかなか手を出せません。
何か面白い話があればまた教えてください。
(私は16貫目くらいのを狙ってたので)
山の神に感謝するとき、そちらの地方では何か唱えてますでしょうか?
私には猟の師がいないので、どこぞの民俗学の本で仕入れた
業尽有情(ごうじんうじょう)
雖放不生(すうほうふじょう)
故宿人天(こしゅくにんてん)
同証仏果(どうしょうぶっか)
と唱えるのを常としていました。
無宗教なのですが、狩猟にまつわる民俗学に少し興味があります。
もしあればお教えください。