山行

11月だというのに暖かく、猟期前に山に行きたくなりました。
山と言っても県内の猟場ではなく、徳島の山遊びの場所です。
コンディションが良ければキャンプしてもいいかも・・・なんて思って出かけました。

あいにく、山間部には雲が降りてきて小雨がしとしとと降っていました。
湿っていると楽しくないのでキャンプはあきらめ、山の中を散策です。



ここは師匠の鹿狩り場です。
秋に来るのは初めてですが、紅葉が素晴らしく雲さえなければ最高の場所です。



まだ反応する時期なので、師匠に鹿笛を借りてきました。
しかし、森に入っても鹿の気配なし。
とりあえずキノコでも探しながらの散策です。



食べられないようなサルノコシカケ型キノコはたくさんあるのですが、食べられそうなものは一つもありませんでした。
残念・・・。

この場所は沢が流れていて、たくさんのクルミの木がありました。


リスは半分に割ってクルミを食べます。


ネズミはかじってクルミを食べます。

この森のたくさんの命を支えているだろうクルミ、記念にほんの少しだけ頂いて帰ることにしました。

沢伝いに登っていくと、どんどん景色が素晴らしくなりました。
上に行くほど広葉樹の巨木がならび、落ち葉の絨毯と苔むした岩々がまるで日本庭園のような美しい風景を作り出しています。
昔の人々はこの光景を再現しようとしたのだろうか、自然は人の手が入らなくても美しくなるものだなぁとひとしきり感心しました。

どんどん景色が美しくなって、どんどん登っていきたい欲求に駆られましたがそういうわけにもいきません。
引き返しながら、途中で休憩がてら鹿笛を吹いてみました。

しばらくまっていると・・・

ぴぃーぃぶるるっ
（表現しにくい・・・）

という野太い声が、すぐ向こうの丘のかげから3回聞こえてきました。

きたー！！

にわかにドキドキして、体を木の幹にひっつけて牡鹿の登場を待ちました。
しかし、なかなか現れません。
こういう時は鳴き返した方が良いのか？
とりあえずもう一度笛を鳴らしてみました。

すると、今度は違う方向から違う声が聞こえてきました。
先ほどほどの野太い声ではなく、ちょっと甲高いような若そうな声です。
4回も鳴きました。

すこしして、その声がもう一度聞こえました。
場所は少し離れたようです。

私ももう一度笛を吹いてみましたが、それからは遠くで鳴く声がしただけで鹿が姿を現すことはありませんでした。
私よりも斜面の高い位置から聞こえたので、においが風に乗り人間だとばれてしまったのでしょう。
姿は見られませんでしたが、自分の吹いた笛に反応してすぐそこまで野生の鹿がやってきたなんて心の躍る出来事でした。

せっかくの雨で思ったような山行はできませんでしたが、それでも美しい風景と鹿との出会いは最高に楽しい出来事でした。
そろそろ猟期が始まるので山遊びの時間はなくなりますが、また来年遊びに来たいと思います。
今度はキャンプしに来たいな。