埼玉発、研修講師のつぶやき~マナー・食・文化・四季折々~

埼玉を元気にするため地域限定で活動する研修講師が感じたマナー・食・文化のことなどを折に触れ発信します

今日は小正月

2011-01-15 | 行事・歳時記

大晦日から三が日を大正月と言うのに対し、1月15日は小正月。

小正月の朝には、小豆粥を食べて、一家の無病息災を祈る習わしがあります。鏡開きに比べて、やや知名度不足の感があり、お汁粉より小豆粥は馴染みがない方も多いかもしれませんが、とても美味しいものです。小豆粥には、塩派と砂糖派があるのをご存知でしょうか。お粥にお塩、これはまぁ普通として、「エ、エェー、お砂糖?」と思うかもしれませんが、これもまた、なかなかいけますよ。考えてみれば、おはぎやお団子があるのですから。

かつては松の内も小正月まででしたが、現代では小正月までお祝いの行事を続ける余裕もありません。また、別名「女正月」と言って、暮からお正月にかけて何かと忙しかった女性の休息日とする意味もありました。でも、昔のように大掃除をしたり、お節を作ったり、年始客の接待をしたり、座る暇もなく働くなんていう主婦もいなくなりつつあるでしょうから、時代と共に習慣も変わってきたのでしょう。暮から一家で海外旅行なんていうのも当たり前の昨今ですから。お節料理にしても、昔は三が日は商店が休みで、仕方なく保存の利くものを用意しなくてはならなかったでしょうが、今はコンビニは元日から、スーパーやデパートは2日からやっていますものね。でも私は、正月三が日はお財布を開かない(お金を使わない)という教えを守っています。

【今日のワンポイント】

今日でお正月の行事は全て終わりです。遅れていた年始のご挨拶に伺うのも、今年初めて会った人に「おめでとうございます」と挨拶するのもこの日までです。正月用品を仕舞うのもこの日を目処にします。重箱や屠蘇器などの塗物は、きちんと手入れをして保管し、来年に備えましょう。

 

 


鏡開きも済んで

2011-01-12 | 行事・歳時記

今朝起きてくると、何となく家の中の雰囲気が変わっていました。そう、昨日の鏡開きが済んで、家の中にお正月を感じさせるものがほとんどなくなったからでしょう。

1月11日は鏡開き。年神様にお供えした鏡餅を下げて、お汁粉にしていただきました。年神様の霊が宿ったお餅を食べることで、新しい生命力が授けられると言われています

鏡餅は大小二つのお餅を重ねますが、これは月と太陽(陰陽)を表しています。正式には三方に半紙を敷き、裏白(ウラジロ)とゆずり葉(ユズリハ)を置いて鏡餅を置き、橙(ダイダイ)を載せますが、これに昆布や串柿、するめ、海老等の縁起物を添えることもあります。てっぺんに載っているのは蜜柑でも金柑でもありませんよ。代々譲るという意味で橙が正解です。

最近では、お餅をそのまま飾ってあるものはあまり見かけなくなりましたが、本来はガチガチに硬くなってひびの入ったお餅を木槌などで叩いて使います。包丁などの刃物で切るのは縁起が悪いからです。今は真空パック入りになり、カビひとつ生えず、型から出して簡単に使えてとても便利です。鏡餅の型の中に角餅が入ったものもあるそうですが、角餅ではちょっと意味が違うかなとも思います。先日、薄型テレビの上に挟んで置くタイプや壁掛け型のものが紹介されていましたが、そこまでしなくても、飾り棚などのちょっとしたスペースに置けばよいのでは?

鏡開きと言えば、お祝いの席やパーティーなどで使われる樽酒もありますが、どちらも切る・割ると言わずに開くと言うのは、忌み言葉を避けるという同じ理由からです。


今日は七草

2011-01-07 | 行事・歳時記

早いもので年が改まって、もう一週間が経ちました。今日は七草。七草粥は召し上がりましたか?

「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」春の七草。何となく見覚えのある雑草のようなものもあり、すずなは蕪、すずしろは大根。春の七草が食べられるものであるのに対し、秋の七草は花を付けるものが多く、特に茶花として珍重されます。

スーパーの店頭でも、パック入りの七草セットが売られていす。私は数日前にこれを買い求め、今朝七草粥を頂きました。正月疲れの胃腸に優しいと言われますが、本当に何だかスッキリしました。ご存知のように、お粥をお米から炊くのは大変。でもご安心をレトルトパックの白粥を温めて、パックの七草を刻んでサッと湯がいて合わせれば、ハイこれで七草粥の出来上がり 忙しい朝に手間を掛けなくても、季節感は味わえます。現代生活の中に上手く伝統行事を取り入れる工夫をすれば、決して面倒ではなくなりますよね。

確かにお米からコトコト時間をかけて炊き上げたお粥は美味しいものです。よく、時間と愛情が料理を美味しくしてくれるなんて言いますが、そんな面倒なことしない、と言っているうちにドンドン旧いものが失われていきます。ですから私は便利なものは上手く利用することも否定することはないと思っております。

【今日のワンポイント】

今日で松の内は終わり。お正月飾りを片付けましょう。クリスマスツリーもお雛様も、季節のものは、早めに出して終わったらサッと仕舞うことが大切です。あ、鏡餅はまだですよ。鏡開きは11日です。

年賀状も今日でおしまい。これから立春までは寒中見舞いになります。ここでご注意ですが、暑中見舞いや寒中見舞いを書く時に、目上の方には「お見舞い」ではなく「お伺い」にいたしましょう。


お正月

2011-01-04 | 行事・歳時記

明けましておめでとうございます。今年一年が皆様にとって、良い年でありますように。

お正月は日本人にとって特別なもの。普段現代的な生活を送っている人も、何となくお正月気分で日本的な生活を送ったのではないでしょうか。お正月には、この時季にしか聞かれない言葉やしきたりが多くあり、一年で最も日本を意識出来る季節でもあります。

時代と共に、伝統や文化も廃れつつありますが、一時のイケイケドンドンの時代に比べ、最近また日本的なものが見直されてきたようです。町家再生や和服の復活、歌舞伎や茶道などの和ブーム等々、動機は様々でも、喜ばしいことだと思います。特に、季節の行事やしきたりは、やはり家庭で受け継がれていくものですから、昔のままにとはいかなくても、できる範囲で生活に取り入れたいものです。

お正月と言えば、御屠蘇・お節・お雑煮の三点セットです。さすがにお節を全部手作りという家は少なくなったと思いますが、たとえ市販のものでも、家族でお節を囲んで、それぞれの謂れをお子様に説明しながら楽しめれば、それで充分だと思います。お節には家内安全・五穀豊穣・子孫繁栄などを願って、一つ一つにきちんと意味があるのです。  お雑煮は、地域によって特徴があっておもしろいですが、我が家はシンプルで殺風景な江戸前です。最近は屠蘇散を使った本当のお屠蘇で祝うことも減りましたが、日本酒でもいいじゃありませんか、何となくそれらしい演出をして。

【今日のワンポイント】

お屠蘇は、年少者から順番に杯を頂きます。

お箸は両端が細くなった物を用意しますが、これは片方を年神様がお使いになるためです。箸袋に名前を書いたものを三が日使いますが、最近は干支の絵入りの可愛いものも売っていますので、家族それぞれの干支を用意するのも楽しいですね。