今朝、いつものように何気なく朝刊を開いて、愕然としました。私が、長年公私に亘りお世話になっている方の訃報が掲載されていたのです。
企業の会長であり、数々の公職にもついていらっしゃる方なので、本来なら亡くなってすぐわかるはずですが、既にご親族だけで密葬を済ませれ、本日付で公表なさったということです。
先代から親子3代にわたり本当によくしていただき、今日の私があるのは、こちらの会社とそのご一族様のおかげといっても過言ではありません。
本来なら、何をおいても駆けつけるところですが、ふと考えました。今日まで伏せていらっしゃったのですから、朝刊を見て、関係各方面は大騒ぎでしょう。ご自宅の電話は朝から鳴りっ放しではないでしょうか。お電話差し上げるのも控え、すぐにでも飛んで行きたい気持ちを抑え、冷静に考えてみました。自宅に来られても、ご迷惑なのではないか。奥様はさぞお疲れでしょう。でも、こんなにお世話になったのに・・・どうしよう
午後になって、お電話を差し上げました。会社の方がお出になり、やはり私が想像した通り、朝から大変だったようでした。丁重にご辞退をいただいたので、後日行われるお別れの会に伺うということで、ご家族へのお言伝をお願いし、本日の弔問は差し控えました。
先代が亡くなった折には、ご連絡を頂いてすぐにご自宅に伺い、ご対面させていただきました。ご家族とご一緒にゆっくりお別れができました。今思えば若気の至りというか、何も考えずに伺いましたが、あれでよかったのでしょうか。そういえば他にどなたもいらっしゃいませんでした。
現在、マナーや常識を人に説いている立場であるが故、相手の立場を慮り、常識的な判断を優先させてしまいますが、正直言って、とても辛いのです。自分の気持ちのままに飛んで行って、お別れができたら・・・と、つくづく考えてしまいました。
会長、長い間ありがとうございました。どうぞ安らかにお休みください。(合掌)