【採決の模様を伝えるNHKの中継放送=午後3時半頃】
かみさんのホームページ『阿部りつ子の女川町(おながわちょう)便り』
嘘つき野田政権に造反73名・・・・・民主党は分裂状態なり! しかし、小澤グループなど造反議員は、本当に国民生活の守り手か?
2012年6月26日午後3時半。
テレビは1時からNHK、そしてテレビ朝日を除く民放在京キー局は、一斉に2時から国会の生中継をしていた。
それもそのはず、長期のデフレ不況下の国民(庶民)生活を脅かす『消費税増税法案』が、衆議院で採決されるからであり、当然国民の関心も高いからである。
若者も含めて年収200万円以下の人口が1千万人を超え、生活保護受給者が210万人を超えるという、過去に例のない異常な社会にしておいて、国の借金がGDPの2年分にもなると言われても、失政(悪政)を重ねた浪費の果てのつけを、庶民に回すやり方は許せない。
どの大マスコミの世論調査でも、国民の反対が多数を占める『消費税増税法案』であり、その世論調査の結果を冷静に見れば、『決められない政治からの脱却』を声高に叫んで政府・与党の尻を叩き、民自公3党の体制翼賛会的な密室合意を『決められる政治』と評価している大マスコミの異常な報道姿勢を、多くの国民が批判をしているとも言えるのである。
その大マスコミや財界、そして似非労組”連合”の応援があるから採決できる、と、何か勘違いして国民の空気を舐め無視して強行突破しようとしていた野田首相だったが、3党合意を背に「うそつきなどと言われる中で、それでも腹をくくっている」と強弁しても、その顔には与党内からの造反を怖れているのか、冷静さを装ってはいたが、どこか目が泳いでいた。
それもそうだろう。
党内に小澤一郎グループや中間派など根強い反対があり造反が予想されていて、政権維持のために自公の軍門に下って採決できるとはいうものの、造反者の数次第では、先行き不透明な政権運営を強いられるからである。
午後3時過ぎから始まった衆議院の採決は記名投票で、民・自・公などの賛成363、反対96で可決された。
野田首相は鳩山政権、菅政権と違って『決められる政権』と自負しているのかも知れないが、私の目には自公に操られた哀れなピエロに見えて仕方がなかった。
そして、彼の怖れていた通り、いやそれ以上に民主党からの造反者が相次ぎ、事前のマスコミや無責任な政治評論家の予想を上回る、反対57名、棄権・欠席16名の計73名を出し、遂に与党分裂・民主党瓦解への終章へと向かったと言える。
何より庶民から見れば、消費税大増税こそ悪政の極みであるし、私のような東日本大震災大被災地に住む人間から見れば、明日の暮らしの展望が見えない中で復興の足枷になるのは間違いないと、みんな思っていて怒っている。
だから何より許せないのは採決の時、ひな壇の大臣席に一人座っていた安住淳財務大臣で、死者・行方不明者6千人以上となる大被災地宮城5区(石巻市や東松島市や女川町など)選出議員である。
誰より地元の状況を知っているはずの議員なのに、郷土へ寄り添う思いはないのであろうか?
なのに彼は、民自公3党の密室合意を受けて、国民の意思を全く聴こうとしないで異常な短時間審議で採決を強行した衆院社会保障・税制特別委員会審議でも、しばしば笑顔を見せていたが、その姿勢が地元民から見ればあまりに不真面目に、いや不見識に見え、余計被災地の怒りを買っているのである。
午後6時頃からの記者会見で野田首相は、『社会保障と税の一体改革』など、何かをやってから決めるといって何もこれまで決められなかった、と語り、国難から逃げる政治、先送りする政治を改め、国論を二分するものでも決める政治、と胸を張ったが虚勢にしか見えなかった。
そして小澤一郎グループなどの造反者について記者から問われ、「党のルールに則り厳正に処分する」と述べたもののどこか自信なげで、自民党からは造反者を厳正に処分せよと党内に手を突っ込まれ、それがないと参議院では厳しいと迫られる始末であった。
2009年の総選挙で誇らしく高く掲げたマニフェストに書かれたほとんどは、多くの善良な国民を騙す空手形であり疑似餌だった事を天下に晒し、野田首相本人の饒舌な街頭演説も、詐欺師のそれだった事が明白である、と声を大にして言いたい。
野田首相曰く「マニフェストにはルールがあるんです。書いてあることは命がけでやる。書いてないことはやらないんです」
政権交代を果たした遂3年前の街頭演説であり、その己の言葉を恬として恥じないのであるから、今後の選挙に於いて野田首相の所属する民主党、いや何党になっているか知らないが、いずれにせよそのマニフェストは、金輪際信じてはならないのである。
さて、手勢を率いて造反した小澤一郎元代表であるが、彼の今回の『消費税増税法案』反対を素直に信じて良いのだろうか。
彼は元々、消費税増税論者であるが、そんなことは勿論おくびにも出さない昨今である。
そして彼は今回の造反劇の後、野田首相に先立つ事30分、午後5時半頃に記者会見を開いた。
曰く「消費税増税だけが先行するのは国民への背信行為である」
「国民との約束を全力で実行する」
「年金・医療を棚上げし、増税を先行は国民が納得しないし許さない」
「法案は参議院へ移るが、国民のために阻止するよう努力する」
「最善の策は原点に戻ること」
「本来の民主党に帰ることを政府及び党に求めてゆく」
「総選挙が近いことが予想されるので、ゆっくりしていられないが、近い内に決断をしなければならない」
「今日は同志の一任を取り付けたので、皆の気持ちを汲み最終の結論を出したい」
いかにも終始一貫国民の立場に立っていたような錯覚を国民に与えるような物言いであるが、その中身の本質は、民主党内での主導権を取りたい一心だったのであり、次の総選挙を意識したものだろう。
だからこそ小澤一郎元代表は、民主党に留まるのか離党を示唆したのか・・・・・どっちつかずの発言をしたのだろう。
彼は、党内役員会で造反者の処分を一任されたという、野田首相と輿石幹事長から除籍(除名)処分を座して待つのか?
あるいは先手を打って離党し新党か?と、マスコミは賑やかであるが、自らからは離党しないで除籍されるまで、模様眺めかも知れぬ。
いずれにしても、双方「国家と国民のため」を標榜しているが、その実態は国民不在の権力争いに他ならない。
言葉は悪いが所詮同じ穴の貉であるから、努々、野田、小澤、双方の言行を迂闊に信じてはならないのである。
さて、私は障害年金を受給している障害者であるが、少ない年金から何か買う度高い消費税を取られのは、たまったものではない。
障害者のためのサービスを受けようとすれば、受益者だからと応益負担を強いられ、物を買えば高い消費税では生きていくのは大変である。
その上今回、社会保障の一体改革と言っても実質改悪であり、マニフェストに掲げた最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止など重要政策は自公のなすがままにされ、マスコミはそれらを棚上げと書き野田政権は”国民会議”で議論するから棚上げではないとこの期に及んでも強弁するが、実質ドブに棄てたに等しいのである。
そして、消費税を全額社会保障に当てる、と言っても、それを信じるお人好しはそうはいまい。
過去、消費税3%を導入した竹下内閣の時以降、そして5%へ増税した村山内閣~橋本内閣の時以降とも、社会保障が良くなったためしはない。
消費税を語る時の言葉は、中身の無い空念仏で何時も何時でも「社会保障のため」である。
書きたい事は山ほどあるが、余りの怒りで疲れた。
しかしこの稿最後に、次の一文を読む方々に訴えたい。
民主党・自公傀儡政権を許すな、参議院審議を監視し廃案にするため声を上げよう、そして次の総選挙で増税勢力に鉄槌を下そう、と・・・!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます