
2008年12月14日、
お台場の東京カルチャーカルチャーで開催したイベント
『軍艦島ナイト』のイベント完全リポートです。
『記憶屋 廃墟』管理人のドイテフさん、
そして『ワンダーJAPAN』編集長の関口さんをゲストに迎え、
オープロジェクト(大西、黒沢、西田)の3人と共に、
画像や映像を見ながらのトークセッション形式のイベントでした。
第5回 軍艦島に最初に魅力を感じた点
西田:
(前回の記事の『廃墟の魅力』の話の続き)今日は軍艦島ナイトなので、このへんで軍艦島の魅力についても触れて行ければと思いますが、軍艦島に魅力を感じたきっかけは何だったのかを伺って行ければと思います。ドイテフさん、どうですか。
ドイテフ:
軍艦島の魅力はなかなか行けない場所という点が大きいですね。誰でもいけないという、閉ざされた場所というところに魅力を感じています。
黒沢:
瀬戸内海にも確か軍艦島という名前の島がありますよね?
ドイテフ:
四阪島。。。
黒沢:
あぁ、そうです、そうです。あそこは行けるんですか?
ドイテフ:
あそこも上陸禁止、、、じゃないですか。
西田:
関口さんはどうですか。
関口:
ドイテフさんがおっしゃったように、行きにくい、っていうことはあると思います。ドラクエのようにあちこちで情報を集めて行く、みたいな、ちょっと現代では考えられない感じなんですけど、簡単に行けない、というのが魅力だと思います。でもう一つは廃墟の島ということ。島にこれだけの建物が残っているということで、ある意味「国」みたいな感じじゃないですか。そういった小さな国が残っていて、それが廃墟になっている。そして上陸すると、他に誰もいない。岩がごろごろしてたりして、その島自体を征服してしまったような感じ、自分と対峙してしまうような魅力もありますね。
西田:
大西さんはどうですか?
大西:
他の廃墟とは違う所は生活感が非常に残っているところですね。他の廃墟では鉄とコンクリート、もしくは緑とのセットで僕は見るんですが、ここにはそれプラス生活っていうのが残ってる。このメッセージをだしている所が、魅力かなと思います。他の廃墟も特別は特別なんですが、そういった意味で、ここは特別だな~、という印象があります。
西田:
軍艦島って海に囲まれているじゃないですか。国内の各地の産業遺産や廃墟は、どうしても周りに現実感のあるもの、例えば幹線道路があったり生きている家があったりしますが、ここにはそういった感じのものがないんですよね。海という空間に隔てられているゆえに全身を包まれ、かつその中に日本初のRCのアパートがあったりの歴史が眠っている。これだけ堪能出来る場所は、ここをおいて他にないところが最も魅力のひとつだとだなぁー、と思います。黒沢さんはどうですか?
黒沢:
もともと炭鉱の島だったんで、島の半分には炭鉱の施設があったと思うんですが、今現在はほとんど残っていないんですね。なにがあったのかわからない状態でちょぼちょぼと残っている。で、それが何だったんだろうな?と。島の半分は住宅なんで、住宅の方には人が住んでいたんだな、とわかるんですけど、炭鉱って聞いても、ここに本当に炭鉱があったのかな?と、施設が殆ど残っていないから面白かった、とうか、ないからこそ、ここが全盛期の時にどんな形をしていたんだろう?という想像力をかき立てられたというところが、最初の魅力を感じたきっかけですね。
西田:
ここには本当に竪坑も残っていなくて、遺跡のように残骸だけが残っている。今写っているのはドルシックナーですが、よく調べないとわからない、というのは軍艦島の魅力かもしれないなーっていうのは凄く感じますね~
◇ archives ◇
第1回 イベントコンセプト
第2回 イベントスペーズ
第3回 オープニング
第4回 廃墟の魅力
第5回 軍艦島の魅力
第6回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/廃墟]
第7回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/軍艦島]
第8回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/廃墟]
第9回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/軍艦島]
第10回 写真を見ながら各人解説 [大西/廃墟]
第11回 写真を見ながら各人解説 [大西/軍艦島]
第12回 写真を見ながら各人解説 [西田/廃墟]
第13回 写真を見ながら各人解説 [西田/軍艦島]
第14回 軍艦島大解剖
第15回 アンケートに答えながら1
第16回 アンケートに答えながら2
第17回 アンケートに答えながら3
第18回 アンケートに答えながら4
第19回 軍艦島や廃墟を表現するということ
第20回 軍艦島映像作品紹介