功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

林外相にも外交ボイコットを申し入れ (2021-12-16 04:27:24)

2021-12-16 07:05:49 | On the Road
▼きのう12月15日水曜の夕刻、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) は外務省を訪れ、林外務大臣に、北京冬季五輪の外交ボイコットを断行するよう求めました。
 感染症対策のために人数制限があり、やむなく護る会は執行部に限定しました。

▼まず、12月7日に岸田総理とお会いして手交した申し入れ書と同文の文書を、林外相にも手渡しました。
 その文書はこのエントリーにあります。そのエントリーでは宛先が総理となっていますが、当然ながら、外相には「外務大臣 林芳正殿」という宛先となっている文書をお渡ししました。

▼そのうえで、総理との会談から8日が経過した現下の情勢を踏まえて、口頭にて、外相に以下を求めました。

( 1 ) 閣僚の派遣についてはすでに、日本政府として慎重に対応する ( つまり閣僚は派遣しない方向で検討されている ) と理解しています。
( 2 ) 一方で、室伏スポーツ庁長官、橋本聖子五輪組織委員会会長、山下JOC ( 日本オリンピック委員会 ) 会長の派遣が検討されているとも聞いているが、室伏長官は政府の一員であり、派遣すべきではありません。また橋本会長は、主権者・国民に選ばれた参議院議員でもあり、派遣すべきではありません。もしも派遣するのなら、スポーツの公益財団法人であるJOC会長の山下さんにとどめるべきです。
( 3 ) 外交ボイコットとは称しない案も検討されているが、きちんと、外交ボイコットを行うと表明すべきです。
( 4 ) いたずらに決定を先送りするのでは、意味を成しません。早期に、できるだけ今週中に決断し、表明すべきです。

 上記は、護る会の執行部会や総会での議論を踏まえつつ、青山繁晴 ( 護る会代表 ) の意見であることもきちんと述べました。


▼同行された高木啓・護る会事務局長、山谷えり子・護る会常任幹事もそれぞれ考えを述べられました。
 高木さんは「東京オリンピック・パラリンピックの際に中国は、中国軍機を南西諸島に飛行させ、航空自衛隊は戦闘機のスクランブル発進を強いられた。平和の祭典を傷つける行為である。このような国であることをきちんと踏まえるべき」という意見を、外相に述べられました。
 山谷さんは「オリンピック・パラリンピックはあくまで平和の祭典であることを考えて、決断なさるべきです」と外相に述べられました。

▼これに対して林外相からは、以下の考えが表明されました。

( 1 ) 国際社会の普遍的価値である自由、基本的人権の擁護、法の支配を中国も尊重すべきだと考えている。すでに王毅国務委員 ( 外相 ) との電話会談で直接、この考えを明確に伝えた。
( 2 ) 護る会の考え、申し入れも含め、適切に勘案して決める。
( 3 ) 私と外務省、総理官邸で情報や考えをシェアし、最終的には、岸田総理が決断をされる。
( 4 ) G7の外相会合でも、北京五輪を含めた中国の問題が最優先に議論され、1時間を費やした。
( 5 ) G7外相会合では、北京五輪について厳しい意見が多く、そうではなかったのは、五輪開催を控えている国だけだったという印象だ。
( 6 ) かつて欧州は、中国を経済の観点からだけ見る傾向があったが、安全保障の観点からも見るべきという日本の姿勢に、欧州も足並みを揃えたと考えている。

▼会談後、外務省内にて、報道各社のぶら下がり取材に、丁寧に応えました。
 ぶら下がり取材に応じることは、あらかじめ外相に伝えました。
 ただし報道されるかどうかは、まったく分かりません。関知しません。判断は報道機関の自由です。

▼林外相は、先の総選挙までは参議院議員であり、たがいの意見の違いも含めて良く存じあげているので、フランクな ( 率直にして、肩の力を抜いた ) 議論も交わしました。
 たとえば冬季五輪について、2026年にはアルペンスキーの本場である欧州に戻り、イタリアがコルチナ・ダンペッツォ ( とミラノで ) 開催することから、冬季五輪を開催するような雪のないソチや北京での開催という ( 独裁下の ) 異様な時代がようやく、少なくともいったんは終わるという声も、欧州の知友の本音としてあるということを話しました。
 そして「なぜ北京かというと、同一都市で夏と冬の五輪が開催された例は過去になく、初めての夏冬開催を自分の手でやりたいという習近平国家主席の欲にもとづく開催であることも、背景として考えねばなりませんね」とぼくから話し、林外相は「それは勉強になるなぁ」と応じられました。

 また「同じアジアでも、日本の札幌五輪では、手稲にアルペンスキーのダウンヒル ( 滑降 ) 種目のコースを新設しましたが、そのあとに丁寧に自然に戻し、評価されています」と話しました。
 林外相はこれも、関心を持って、聞かれました。

 また林外相がG7外相会合で、ピアノで「イマジン」を弾いたことも話題になり、林さんは「たった2分ですよ。こんなに話題にされるとは思わなかった」と述べられました。




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