日本が新型コロナ対応に成功した2つの根本的な要因~国民皆保険と靴を脱ぐ文化
青山)耐えて勝つしかないのですけれども、かつてのパンデミックは何年も続き、見方によっては、ほぼ1世紀続いたという説もあるわけですから、これだけ交通の行き来が激しくなっていて、数ヵ月でここまで収まるということは大変な成果です。楽観的なことを言いたくはないのですが、よき面を考えると、アメリカでなぜ亡くなる方があれだけ多いか。僕はアメリカの政府高官や軍の将軍だけでなく、一般の黒人の知り合いもいますけれども、病院に行ったことがないという人が多いのです。アメリカには健康保険がいまも事実上ありませんから。オバマケアと言っても、政府の健康保険ではありません。病気を抱えている人が圧倒的にアフリカ系アメリカ人に多くて、それで亡くなる人が多い。でも、「生まれてから病院に行ったことがない、行ったら数十万取られる」という人は日本にはいない。そして日本は、靴を脱いで家にあがる文化です。実は日本が世界に比べて抑えられている根っこには、その2つがあるのだと思います。
第2波では抗体を持つ人が多い
青山)それから第2波、第3波ももちろん警戒しなければいけないけれども、抗体を持つ人が第1波のときよりもはるかに多いわけですから。このウイルスは異様なウイルスなので、抗体が本当に免疫をつくってくれるかどうかということは、抗体と免疫の違いを言っていたらきりがないから省略して言いますけれども、一応、ウイルスは一度かかったら抗体ができて、その抗体をもとに免疫ができて、ほとんど感染しなくなるというのが基本です。そうすると、第1波より第2波の方が少し軽いということも期待できるので、希望を持って一緒に頑張りたいと思います。