贋作・罪と罰(2005)野田MAP第十一回公演

2006年01月05日 | 演劇をみました
行ってきましたよ昨年に引き続き、年始の野田MAP。

今年は「贋作・罪と罰」でした。

ちなみに、1月4日の19時~21時の午後公演でした。
F席の端っこだったので、見にくいかな?って思ったのですが
(前の端っこは見にくい)円形舞台で、F席は前から3列目の
去年に引き続いてのかぶりつきでした。満足~

実は「罪と罰」ってドストエフスキー作って事以外、知りません。
で、ドストエフスキーって山本正之の「キットクルマン」の歌の
歌詞中の「ドストエフスキーも待っててね」でしか知らないという
衝撃事実をココロに秘めつつ観劇してきました。

事前に読んでおこうかとも思ったのですが
基本的に原作モノの映画、演劇を見る前には
原作を読まない主義なので、我慢しました。
つか暇が無かったのも事実。

オハナシは
「超人には、人類のために既成の道徳法律を踏み越える権利がある…」
の思想を軸に展開します。というかコレが全てなのですが
きっと原作もそうなのでしょう。

演劇の方のストーリーは、リンク先に詳しいので配役と感想のみ。

一線を踏み越えてしまった物語の主人公ハナブサ、
公家の縁戚であることのみを心の拠り所に生きる母セイ、
女である生き方というとフェミニストの方に
怒られそうだけど、誰かに守られ誰かのために犠牲になる
ただそれだけでも生きていける妹トモ、
大志を抱き家を飛び出すも目先の快楽に走る父
そんな三条家の面々の配役は
三条 英(はなぶさ):松 たか子
三条 清(母):野田 秀樹
三条 智(妹):美 波
三条 聞太左衛門(父):中村 まこと

ってカンジでした。

オイルに引き続き、松さんの演技は濃いいです。
良いです。魂を吐き出すような演技をします。
エクトプラズム出てますよ。
そして野田秀樹は相変わらずウルサいです。
演出というよりも言葉遣いだけで
すんごいよなぁ、と思えるのに
キンキン声で野田秀樹が飛び回るだけで
げぅぅってカンジなんですけど…
まぁ、いいやね。好きでやってるんだもんね…
で、父も良い演技だったのですが
野田秀樹の演劇には必ず出てくる美少女係の
美波ちゃんが可愛い、声とおる、カツゼツ良い
と非常に良かったです。

で、引き続きメインキャストその2は
ハナブサと共に幕末を生き、統幕を目論むサイタニ、
一線を越えたハナブサを追い詰める捜査官、
望むものを全て手に入れ、それでも手に入らないモノに
苦悩する大富豪タマリミズ
そんなハナブサの脇を固める俳優陣は
才谷(さいたに)梅太郎:古田 新太
都 司之助(捜査官):段田 安則
溜水(たまりみず)石右衛門:宇梶 剛士

ってカンジでした。

しかし古田新太ってカッコいいねぇ…
おなかなんかボヨンボヨンのオヤジなのに
なんつーか、ビシッと決まるんだよね…
かっちょえぇ…
そして段田さん、サスガです。
台詞回しが素晴らしい。
芸に深みがあるのかどうかは微妙だけど
安定したカツゼツは芸の域ですよ。
で、押しの強さのみで乗り切った感のある
宇梶さんですよ。
野田キャラは判り易さが身上ですからね。
それもまた良し!

そしてバイプレイヤーというには個性的な
思想ばかりで実現できないイマドキの若者チックな
幕末志士の皆様は
志士クロダ:マギー
志士ヤマガタ:右近 健一
志士イトウ:小松 和重
志士カツラ:村岡 希美
志士カツラ:進藤 健太郎

ってカンジでした。

ジョビジョバ以来のご無沙汰ぶりです、なマギーさんですよ。
あ、踊る大走査線で見かけたや。あれは解散前だっけ?
そして我らが劇団☆新感線の歌姫っていうか
姫じゃないか歌彦か?な右近健一さんですよ。
特異なキャラがそのまま出てますよ。
そして、多分どこかで見たことアル系の
小松さん、村岡さん、進藤さんですよ。

全体としての感想ですが、
野田MAPの演劇って、史実か原作があって、
その上にさらに野田節というか感動モノの言い回しというか
台詞回しが乗るのが常だと思うのです。
そして登場人物と配役も法則というか好みというか
野田MAPな部分が色濃く出てるのです。
あれ?野田MAPって劇団員は野田秀樹のみなんだっけ?

で、今回は台詞回しよりもキャラ重視だった気がします。
原作の流れ的には必然だったのかもしれませんが
今までに無く人物で魅せてくれました。

あ、奥様が帰り際に「原作を侮辱している」と
憤慨しながら帰って行った若者を見たそうで。
まぁ、若さゆえの狭量さだよね。
というか原作を愛していて、それ以外を認めたくないなら
原作モノに触れてはいけないと思うんだけど…
それが判らないからこその狭量さだし
それが判る頃には周辺物を愛する余裕も
出ているハズだし。結局は若さなんでしょうね。

さて、本買いに行こうっと。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハッケンデンハッケン | トップ | シゴト始めました »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

演劇をみました」カテゴリの最新記事