映画なんて大嫌い!

 ~映画に憑依された狂人による、只々、空虚な拙文です…。 ストーリーなんて糞っ喰らえ!

曖昧な映画体験 (その19)

2011年04月22日 | 僕の映画史
 忘れもしない、3度目の『タクシードライバー』(1976年/米)をテアトル新宿へ見に行った時は、『ミッドナイト・エクスプレス』との2本立てでした。

     ■『ミッドナイト・エクスプレス』 (1978年/米) アラン・パーカー監督

 この作品は、トルコ大使館からの抗議を受けたとの事で、公開早々に打ち切られた曰く付きの作品です。監督は、アラン・パーカー。当時、まだ日本では無名の映画人でした。この1本前の処女作に当たる作品は、『ダウンタウン物語』というジョディ・フォスターも出演していたミュージカル映画で、出演者が全て子供たちという異色作でした。

     ■『ダウンタウン物語』 (1976年/英) アラン・パーカー監督

 これら2本の公開作が、ことごとく不入りという惨憺たる結果のアラン・パーカーでしたが、実はそれ以前に1本、大ヒット作を飛ばしています。本国の英国や米国では、不入りだったという『小さな恋のメロディ』が、それです。彼は、この作品の原作と脚本を担当していました。

     ■『小さな恋のメロディ』 (1971年/英) ワリス・フセイン監督

 英米で話題になった監督作品が、日本では不入り…。逆に、英米で不入りだった脚本作品が、日本では大ヒット…。転んでも徒では起きない浪花の商人のようです。主題歌は、ビージーズが歌う♪Melody Fair。『サタデー・ナイト・フィーバー』の♪Stayin' Aliveも大ヒットしましたが、♪Melody Fairの方は未だに健在といった感があります。

     ■『サタデー・ナイト・フィーバー』 (1977年/米) ジョン・バダム監督

 『小さな恋のメロディ』は、日本の映画ファンに愛された1970年代を代表する作品と言えるでしょう。メロディ役のトレイシー・ハイドは、当時の少年たちにとってはファム・ファタールのような存在で、洋画月刊誌『ロードショー』(集英社/2008年廃刊)の人気女優ランキングでは、何年にも亘って上位にランクインされていた位です。子供らしいあどけなさの中に、大人の気配を垣間見せる少女の姿は、それ自体が留まり続けるフィルムの魔術と同様、素敵な映画の奇跡でした…。


                                                      人気ブログランキングへにほんブログ村 映画ブログへ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 追悼:高峰秀子 (その2) | トップ | 映画狂人 シネマの煽動装置 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

僕の映画史」カテゴリの最新記事