映画なんて大嫌い!

 ~映画に憑依された狂人による、只々、空虚な拙文です…。 ストーリーなんて糞っ喰らえ!

曖昧な映画体験 (その14)

2009年02月18日 | 僕の映画史
 視聴覚室でビデオ上映会を開催する数ヶ月前、僕がまだセブンスターを嗜んでいた頃に、YMOの坂本龍一さんが世界的に評価されるに至った“♪戦場のメリークリスマス”のサントラ盤を、繰り返し聴いていた事があります。ウォークマンと音楽テープは、当時、漫画家を目指していた同級生のホシノ君の持ち物でした。僕は当たり障りのない褒め言葉で、ホシノ君の創作活動を適当に励ます傍ら、怠惰な教室で、ひとり音楽と戯れる特権を、半ば強引に譲り受けていたのです。気のいい柔和な男でした…。ただ、プログレッシブ・ロック・バンドのゴブリンを偏愛する妙な音楽の趣味にだけは、出来るだけ立ち入らないように心掛けたものです。ゴブリンを知っていると迂闊に吐露してしまえば、奇天烈な妄想に永遠と付き合わされそうな嫌な予感がしたもので…。それとなくゴブリンを薦めるホシノ君の思惑を袖にあしらいつつ、聴いていたのはいつも“♪戦場のメリークリスマス”でした…(※無論、ゴブリンも嫌いではありません。『サスペリア』のオープニング・テーマとか…)。

     ■『サスペリア』 (1977年/伊) ダリオ・アルジェント監督


 …数ヵ月後。最後のストップモーションにあの有名な旋律が響き渡った瞬間、薄暗い視聴覚室では、皆が総毛立っていたに違いありません。上映終了後、黒くて重いカーテンをガバッと開け放つと、午後の陽光に浮かんだ1カートン分の笑顔が、そこにありましたから…。


                                                      ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 映画ブログへ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Wの悲劇 (1) | トップ | Wの悲劇 (2) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

僕の映画史」カテゴリの最新記事