電源用の電圧レギュレータ TPS7A47の半田付けをやってみました。
TPS7A47メーカーサイト ⇒ http://www.tij.co.jp/product/jp/tps7a47
ICの半田付けはいくつか経験しましたが、足のないQFNパッケージは難物です。試行錯誤ありましたが、いくつかのサイト情報を組み合わせてやってみましたので、参考までに・・・
【用意するもの】
15W程度の半田ごて 先端のチップは尖っている方がよい。今回はHAKKOのこて先タイプI型のものを利用。
仮止め時にチップを押さえる道具(ラジオペンチ、爪楊枝、輪ゴムを利用した道具を使用)
フラックス、無水アルコール、綿棒等
(あると便利) 10倍程度のルーペ、デンタルミラー(実は東急ハンズとかで売っている)、小型のLED懐中電灯orライト
【やってみた方法】
1 仮止め用予備半田を置く
チップの位置決めをしたら、仮止めした方が作業が楽なので、普通予備半田して仮止めしますが、今回はランドのうち1本だけ予備半田しました。
これは、QFNパッケージは位置決めが難しく、仮止めしたはいいが、実は仮止め作業中に微妙にランドとパッケージの端子がずれていたりすることがある、なんてしばしば起こるわけで、仮止めが1本だけなら、やり直しが簡単だから。
2 位置を決めたら、チップを仮固定し、仮止め
位置決め、ヤッカイです。なんせ小さい相手が! しかも4辺もあるし・・・。ということなので、ルーペ、小型ライト、デンタルミラーはあると大活躍です(デンタルミラーはあっち側の辺の端子とリードがずれてないか確認するのに至極便利)。
仮止めの仮固定は、ラジオペンチ、爪楊枝、輪ゴムで作ってみました。(Web上に作例がありました)
でも結構難しい(爪楊枝がチップに接触した際に縦横方向に微妙にベクトルが、なんてことで・・・。なので、予備半田、仮止めは1端子だけなんです)
下の写真、下辺の一番右のランドに仮止め用半田が乗せてあります。仮止め半田付け前なので、少しチップ右に浮いてます。
3 仮固定して、ランドとパッケージの端子が位置ずれてないか確認
(ずれてるときは、仮止め外してやり直しやり直し・・・)
10倍ルーペで覗き見。
仮止め・・・
4 どの辺からでもいいので、1辺ずつ半田付け
こいつがまた厄介でして、とにかくランドと端子がきちんと半田で一体化させなければいけないのだけど、なんせICの足がないから orz
なので、
①フラックスをドバドバ
②細い半田を使って、ある程度ランドに半田を流し、端子が半田で光ってなければ端子の方にエイヤッと半田ごてのこて先で半田を流す。結構チップの端子に半田をのせるのは思うようにいかない。フラックスをある程度多めに使って、こて先に半田を盛ってさっとリードを撫でればランドには半田は乗るし、普通ならフラックスが乗っていれば、ランド上に半田はさっと広がる筈。
③ブリッジしたり端子がきちんと半田乗らなかったら、ルーペで状況をよく確認して、一旦ゴミ(焦げたヤニとか)を無水アルコールで拭き取って、やり直せばよい。ブリッジはフラックスを塗ってこて先で撫でれば普通は解消する。
④これを各辺繰り返す。
⑤怖がる必要はなく、端子に半田を乗せるには思い切りが必要だが、確認、あとブリッジやり直しするときはやり直し前に前のゴミとかを除去する作業は丁寧にする。
【追記】
半田付けの際は、先端が斜めに切れたこて先の15-20Wの半田ごて(HAKKOならBC型こて先)を使い、フラックスをドバドバして、こて先に少し半田を乗せ、ランドを垂直にすっとこするようにすれば、半田が金属面にさっと広がり、大体において綺麗に半田付けできるのですが(小生がSSOPパッケージを半田付けするときはこのやり方)、多分QFNでも同じようにできそうですし、多分こっちの方が成功率は高そう。結局やらなかったけど。
なお、このやり方だとあまりブリッジも起きず、そうはいってもこて先に乗せた半田が多いとブリッジしますが、そいつは一旦ヤニとかカスとかあればそいつを無水アルコールで拭き取って、も一回フラックスして、こて先の綺麗な半田ごてでこすれば、あら綺麗に解消しますので。
⇒結局、ランド・パッケージ端子に半田がよく乗っていない一つ二つの箇所をこのやり方で再半田しましたが、まあまあ綺麗にできました。
てなことで、こういう風にはなかなか行ってくれませんが
とにかく時間をかけて丁寧にやれば、トーシロでもなんとかなります。
TPS7Aは裏面にサーマルパッドありますが、こっちは40Wとか、ある程度容量の太い半田ごてで、やっぱりフラックスドバドバして、穴の片側からエイヤッと半田を思いっきり溶かし込みしましょう。