大津市内に滋賀県内初の缶詰工場「カンビー」が誕生し、11月17日稼働を始めた。

↑写真:産経新聞より
工場面積わずか49㎡で製造機械を納入した業者によると、「日本で2番目」に小さい缶詰工場というが、工場責任者の井上修司さんは「小回りが利く利点を生かし、どこにもない缶詰の商品化のお手伝いをしたい」と大きな夢を語る。
49㎡「フードロスの解決にも」
工場を設置したのは、井上さんの家業の土産物製造販売業「いのうえ」。同社営業担当の取締役として、多くの地産地消商品の開発に携わってきた。
滋賀県農山漁村発イノベーションプランナーとして農業者らと交流するうち、「トマトやイチゴが余った」などの声を聞くようになったが、滋賀県内には少量の素材を加工したり、商品化したりする業者が殆どないうえに、滋賀県外の会社に加工を依頼するのも現実的でなく、多くが破棄されている。
そこで、会社の駐車場に建築基準(50㎡)ギリギリの広さの工場を建て、素材の皮むきやカットから、煮る、蒸す、焼く、揚げるの調理、缶詰めや瓶詰めまでする小ロットの缶詰製造を思いついた。名前は英語で「○○することができる」のcan beと「缶」をかけて「KANbe(カンビー)」にした。
工場には、減圧しながら素材を低温で炊き込むため風味を損なわない、日本で4台目のイタリア製真空回転自動調理釜や、平3号缶(ツナ缶サイズ)と6号缶(サバ缶サイズ)の蓋(ふた)を付ける半自動缶シーマー(巻き上げ機)、ジュース瓶(180ミリリットル)とジャム瓶(90g)のキャップを締める真空キャッパーなどを設置。缶詰なら1日約400缶の製造が可能という。
井上さんは「余剰生産物を使えばフードロスの解決につながる。滋賀ならではの特産品を開発して、滋賀の魅力を感じる人が増えて欲しい」と話す。
また、ふるさと納税の返礼品開発や、新婚夫婦が作る料理を缶詰にして引き出物にするなど、世界でたった一つの缶詰作りの相談にも応じるという。
工場見学の希望や問い合わせ: カンビー(077-522-7352)
<毎日新聞より>