それでも甲府に甲斐がある ep4

（ep3の続き…）

9月18日の午後に3時間ほど眠って、夜勤へ。19日の朝、夜勤明けでそのまま甲府へ。ホテルで一睡も出来ず、20日の朝になった。ざっと計算して37時間以上も起きていた。しかし、ちっとも眠くない。元々、不眠体質なので、48時間の不眠なんて何度も経験している。3日間、眠らずに仕事に行ったこともある。あと、8時間ぐらいなら起きていられそうだけど…。

旅行2日目を眠って終わらせるなんて絶対に嫌だ。折角、甲府まで来たんだから、昇仙峡は押さえておきたい。で、頭クラクラ状態で昇仙峡観光を強行した。甲府駅からバスで約50分。まァ、50分ぐらいなら酔わないだろう…。と、高を括っていたが、全然、甘かった。前半20分は、町中なので余裕だったが、後半30分は、急こう配の山道である。死ぬほど気持ち悪いィィィ！

近くの席に、ヘソ出しルックのスレンダーガール2人組がいて、元気だったら景色よりジロジロ見ていただろう。が、あまりの気持ち悪さに、スレンダーガールを気にする余裕もなかった。1月の秩父旅行の三峯神社行きバス移動も地獄だったが、それ以上だった。本当に死すら覚悟した。50分なので耐えられたが、1時間超えていたら嘔吐していたかも知れない…。

何とか終点の昇仙峡滝上に到着。近くにあった森の駅という施設で小休止した。10分ほど休んで落ち着いてきたので、はちみつソフトクリーム500円を喰って、なんとか回復した。冷たくて、甘くて、チョー美味いッ！　これこそ甘露だ。帰りのバスが不安で仕方なかったが、折角、昇仙峡まで来たのだから、絶景を楽しもうッ！　青い空と白い雲が本当に美しいッ！

森の駅から少し歩いてロープウェイ乗り場へ。ロープウェイの時間まで余裕があったので、少し戻って、途中にあった神社に寄ってみた。夫婦木（めおとぎ）神社は、縁結びや子宝の霊験があるそうな。アラフィフ独身オッサンが、1人で参拝するのは、少し恥ずかしい名称だ。他に参拝客が居なかったので、堂々と参拝した。幸せそうなカップルが居たら、身の置き所がなかったかも…。

参拝して御朱印を頂いた。御朱印は、書置きが2種類。モミジの葉が添えられているものと、添えられていないもの。どちらも意匠が良かったので、両方とも頂くことにした。夫婦木神社を後にして、再びロープウェイ乗り場へ。先日、底がベロりと剥がれたadidasのトレッキングシューズは、靴底のラバーが2重になっていたので、1枚だけ剥がして無理やり履いていた。

午前11時にロープウェイに乗り、5分で山頂へ。流石に気持ち悪くなる間もなかった。和合権現と八雲神社に参拝し、霊峰富士に合掌。サクッと15分だけ山頂を見て回り、11時20分に帰りのロープウェイに乗り込んだ。御朱印がないし、睡眠不足だし、靴もボロボロだったので、さっさと切り上げたのだ。今になって思うと、もっと絶景を楽しむべきだったと、少し後悔している…。

再び森の駅に戻り、帰りのバスを待った。バスが来るまでの間、生はちみつレモンソーダ450円を飲んで、下り坂との戦いに備えた。adidasのトレッキングシューズは、2枚目の靴底ラバーも剥がれてきた。バスとロープウェイがなければ、とても山道なんて歩けそうにない。8000円ぐらいしたのに、とことん不良品だ。数年前までadidas大好きだったけど、もう冷めたな…。

帰りのバスは、案外、楽だった。三峯神社の時もそうだったが、下り坂は、徐々に勾配が減っていくし、重力のかかり方が違うから、酔いにくいのかも知れない。甲府駅に戻り、近くの商業施設で代わりの靴を物色した。しかし、価格的にも、デザイン的にも、気に入ったものがなく断念。代わりに多用途ボンドを買った。あと1日だけ、ボロadidasで耐えてやるッ！

（ep5に続く…）

それでも甲府に甲斐がある ep3

（ep2の続き…）

コンビニで食料を買い、ホテルにチェックイン。予約を間違えたホテルは、30年ぐらい経っていそうな昔ながらのビジネスホテルだ。俺の部屋は、喫煙室だった。駄目モトで禁煙室への変更をお願いしたら、意外と、すんなり受け入れてくれた。鍵を受け取って部屋へ。ベッド、テレビ、小型冷蔵庫、トイレ付きユニットバス、Wi-Fi、空気清浄機と、最低限は揃っているが…。

あァ、ホントなら温泉付きのホテルだったのになァ。トイレ付きユニットバスじゃ癒されないよ…。宿泊アプリの候補リスト一覧で、どちらも2泊15000円だったので、タップを間違えちゃったんだよなァ。外出して晩飯を喰うか迷ったが、不運続きの1日に疲れ果てていたので、コンビニ飯で済ませた。これにて甲府旅行1日目終了。さっさと寝て、2日目に備えよう…。

が、全然、眠れなかった…。夜勤明けで寝ていなかったし、その前日も3時間ぐらいしか眠れなかったのに、どーうしても眠れないッ！　持参したFireタブレットでDisney+の「SHOGUN 将軍」を観ていたら、結局、夜が明けた。東北新幹線運休、御朱印帳紛失、ホテル予約間違え、雷雨、トレッキングシューズ底ベロりに続き、不眠かよ…。不運6連発である。

まァ、不運6連発のうち、御朱印帳紛失とホテル予約間違えは、自分のミスだし、トレッキングシューズ底ベロりも不良品を捨てられなかった自分が悪いし、不眠も精神の弱さだし、なんだかんだ、殆ど自分が悪いのだ。しかし、これだけ続くと、甲府という土地に拒否られているようで気持ちが落ち込む…。いやいや、これも旅の経験だ。この不運だって楽しんでやる！

不眠で頭がクラクラしていたが、ホテル1階の食堂に行き、朝食を喰った。いつもなら素泊まりプランなんだけど、今回は、間違えて予約したので朝食付きプランだった。宿泊アプリの口コミに、朝食が美味いとあったが、うーん、どうなんだろう…。不味くないけど、特に美味くもない。デロンギのコーヒーマシンでコーヒーを飲みまくり、不眠の頭にカフェインをブチ込んだ。

（ep4に続く…）

それでも甲府に甲斐がある ep2

（ep1の続き…）

甲府駅から武田神社へ。徒歩30分なんて余裕だと思ったが、残暑と坂道にギブアップして、途中でバスに乗った。武田神社に到着し、参拝してから社務所へ。御朱印を頂こうと思ったが、バッグの中をいくら探しても御朱印帳が見つからない。あれれ、神社御朱印帳と仏閣御朱印帳をポーチに入れてあったはず。確か、特急あずさでポーチの中のモバイルバッテリーを取り出して…。

足元にバッグを置き、その後、ポーチをバッグの上に置いた。うーん、その後の記憶がない…。多分、バッグからポーチが落ちて、特急あずさに忘れてしまったのだろう。最悪だ。なんて、愚かなんだ。忘れ物が戻って来るか解らないが、とにかく、今は、武田神社の御朱印が欲しい。仕方ないので、新たに御朱印帳を購入し、最初のページに御朱印を頂いた。

また1からの御朱印集めになるかもなァ…。見つかった場合は、御朱印帳がダブってしまうが、まァ、それはそれで仕方ない。ちなみに、御神籤は、小吉だった。「予想外の出来事が起きやすい」とのこと。うーん、波乱の小旅行になりそうだ。忘れ物の捜索は、甲府駅に戻ってから手続きしよう。金目の物は入ってないから、ネコババされることはないと思うけど…。

武田神社前の売店で小休止。黒蜜きな粉がかかった信玄ソフトを喰らって、動揺した気持ちを静める。しかし、不運は、まだ終わらない…。スマホでホテルの確認をすると、なにか変だ。あれ？　温泉付きホテルを予約したつもりだったのに、違うホテルを予約したことになっている…。どうやら、間違えて予約したらしい。温泉も大浴場もないチープなビジネスホテルじゃん！

立て続けの不運にガックリ来たが、気を取り直して甲府巡りを再開。雨がポツポツ降ってきたが、武田神社から10分ぐらい歩いて、山形県護国神社へ。かなり立派な神社だったが、なんと参拝客が一人もいなかった。平日とは言え、誰も居ないとは…。参拝してから社務所に行くと、職員の姿すらない。暫く覗いていると、奥から禿頭のじーさんが現れた。私服だったが神職さんらしい。

御朱印をお願いすると、禿頭のじーさんが椅子に座って書き始めた。猫が机に上がって、じーさんにじゃれていた。と、ポツポツだった雨が急に強くなり、雷も鳴り始めた。おいおい、マジか…。東北新幹線運休、御朱印帳紛失、ホテル予約間違えに続いて、今度は、雷雨かよッ！　次は、信玄の墓（火葬場）に行くつもりだったが、雷雨が激しくなって来たので断念した。

予定を変更し、武田神社に戻ることに。その途中、なんと履いていたadidasのトレッキングシューズの底がベロりと剥がれてしまった。どんだけ運が悪いんだッ！　このトレッキングシューズは、数年前に購入したが、2回ぐらい履いてゴムのスパイクが何個か取れてしまい、ずっと履いていなかった。今回の旅行を最後に捨てるつもりだったが、まさか、ここまでの不良品だったとは…。

武田神社の前の売店で、バスが来るまで30分ほど待った。雷雨は、そこそこの強さだ。この不運続きの状態で信玄の墓に行っていたら、落雷に遭っていたかも…。バスで甲府駅まで戻り、忘れ物管理センターへ。丁度、雨が止み、空が晴れてきた。晴れと共に運が向いてきたのか、忘れ物は、無事、見つかった。郵送してもらう手続きをしてからホテルに向かった。

（ep3へ続く…）

それでも甲府に甲斐がある ep1

1月の秩父、3月の横浜と鎌倉に続き、今年3回目の小旅行を計画。最初は、出雲に行くつもりだったが、寝台特急の予約が取れなかったので諦めた。で、第2候補の仙台に決定。仙台のホテルの予約を取り、9月19日の朝、大宮駅へ。新幹線の予約は、あえて取らなかった。平日だし、予約なしでも乗れるだろう。で、大宮駅の新幹線乗り場に行くと、なんだか様子がおかしい…。

やたらとアナウンスが流れている。人が溢れ、殺伐とした雰囲気だ。なにィ？　東北新幹線が運休ッ？　前代未聞の連結器トラブルだとッ？　5年に1回ぐらいしか新幹線に乗らないのに、なんて間の悪い…。窓口で相談すると、復旧の見込みがないので、在来線の使用を勧められた。新幹線なら仙台まで1時間ちょいだが、在来線だと5回ぐらい乗り換えて6時間かかるらしい…。

夜勤明けで寝ていなかったし、前日も3時間ぐらいしか眠れなかった。睡眠不足で6時間の電車移動は、流石に無理っぽい…。大宮駅から仙台のホテルに電話。当日の場合、本来なら100％のキャンセル料になるが、今回は、状況が状況なので、無条件でのキャンセルを認めてくれた。あァ、泊まらなかったけど、良いホテルだ。さて、これから、どーしたものか…。

仕事を2日も休んで小旅行を計画したのに、どこにも行かずに家に帰るなんて有り得ない！　急遽、スマホで新たな旅行先を調べまくり。大宮駅から2時間ぐらいで行けて、神社仏閣と温泉と美味いものがある場所は…？　よし、甲府に行こう！　政宗より信玄だ！　数ヶ月前に読了した「信玄忍法帖」の記憶が頭の片隅にあったので、信玄公に導かれたのかも。

甲府の宿を調べると、超お得なホテルを発見した。駅から近い温泉付きホテルが2泊で15000円だと！　仙台のホテルが温泉なしの19000円だったので、これは、逆にラッキーだ。ホテルの予約を取り、大宮駅から新宿駅へ。新宿駅から特急あずさに乗り、1時間ちょいで甲府駅へ。うーん、成り行きで甲府に来てしまったが、当然、ノープランである。取り合えず、駅前の信玄公像にご挨拶。

駅前の周辺マップを見て、まずは、舞鶴城公園へ向かった。甲府城の跡地らしいが、建物は、ほぼ残っていない。武田滅亡後に、徳川によって築城されたそうな。天守があったらしい高台から甲府の街並みを見下ろす。うーん、美しい。その後、観光協会に行き、旅行のプランを練った。まずは、武田の本拠地、躑躅ヶ崎館の跡地にある武田神社に行くのがベストだろう。

（ep2に続く…）

横浜ガンダム鎌倉ダイブツ ep5

（ep4の続き…）

鎌倉大仏殿高徳院を後にして、第4目的地の長谷寺へ。長谷寺は、なんなーく、どこかで聞いたような気がする、てなぐらいで、ほぼ知らないお寺だった。ネットで鎌倉観光を検索したら、鶴岡八幡宮→銭洗弁財天宇賀福神社→鎌倉大仏殿高徳院→長谷寺というコースがド定番らしいので、そのまま実行してみたのだ。半日で歩いて巡ることが出来るので、一泊旅行に丁度いい。

長谷寺に向かう途中、あまおうソフトクリームの店があったので小休止。最後の目的地を目の前にして、足の疲労を少し癒したかった。店員さんが感じの良い美人さんだったのも足が止まった理由の一つである。美人さんは、素敵な笑顔で、自分でソフトクリームを巻きますか？　と聞いてきた。気前の良いことに、コーンに乗る量なら好きなだけ巻き巻きして良いそうだ。

実は、ソフトクリームの巻き巻きって、一度、やってみたかったんだよねェ。欲張って崩したらアホだが、少しでも大きくしたいのが人情だ。ペダルを踏んでソフトクリームを練り出し、コーンで受け取って巻き巻き…。うーん、初めてにしては上手くできたかも。美人さんも褒めてくれた。小さな夢が叶って気分が良いし、ソフトクリームも美味い。これも神社仏閣巡りの御利益だ。

長谷寺に到着。鎌倉大仏殿高徳院もそうだったが、とにかく外国人観光客が多い。改めて、コロナ禍が落ち着いたのだと実感する。そして、これまた鎌倉大仏殿高徳院と同じく、拝観料を取ら…いや、納めた。有名な神社で拝観料を納めた記憶はないが、有名なお寺って…。あちこちに仏像や装飾品があり、なんとお食事処まであり、最早、美術館みたいだ。まァ、拝観料も当然か。

御本尊に手を合わせてから、御朱印を頂いた。これで、お寺用御朱印帳が4ページ埋まったぜ。御本尊の写真を撮るのは流石に気が引けて自粛したが（そもそも禁止か…？）、あちこちを見て回って写真を撮りまくり。結構、見所が多く、余裕で一時間は楽しめる。拝観料400円は、寧ろ安いかも知れない。外国人観光客が多いのも納得だ。さて、江ノ電に乗って鎌倉まで戻ろう。

町中を突き抜けるように走る江ノ電は、結構、驚きだった。鎌倉駅に戻り、喰い歩きしつつ、お土産を購入。2時間ほどブラブラしてから、電車に乗って帰宅。鎌倉メジャー観光スポット4ヶ所を半日で巡り、かなり疲れた。帰宅後、iPhoneのフィットネスアプリを見ると、なんと2日間で53000歩以上も歩いたらしい。充実した一泊旅行だったが、その後、数日間、足が痛かった。

（完）