つれズレ愚抄

つれ：「イエス・ウイ・キャンから始まったオバマ大統領締め括りのお別れ演説がイエス・ウイ・ディドたぁ、お約束的に良く出来た話じゃないかぃ」

ズレ：「政策の巧拙はいざ知らず稀代の演説上手なのは間違いないところで、こうなると早くも４年か８年後のトランプさんのお別れ演説が気に掛かるようでぇ」

つれ：「それよりもまず世界の耳目を集めるのは、破天荒な初会見に次ぐ就任演説だろうに」

ズレ：「トランプ砲の呟きや記者対面での言動は苛斂誅求でも、大向う相手に初の演説となれば存外神妙に当たり障りなくこなすんじゃねぇか」

つれ：「米大統領ともなれば待ってました大棟梁の掛け声こそ上がって然るべきで、本邦の成人式みたいな目立ってナンボもないもんかぃ」

ズレ：「破天荒な新成人に振り回される首長の如く、向後はトランプさんの過激な本音トークと穏当な建前発言の使い分けに世界が振り回されそうだぜ」

つれ：「そういうことなら最後はオバマさんのようにお上品にまとめず、文春砲さながらに本音丸出し暴露演説でもカマしてくれた方がトランプさんらしいけどねぇ・・」

つれ：「直後は居直ってたマージャン市長さんは、政治倫理審査会も待たずに辞職の止む無きに至ったねぇ」

 
ズレ：「麻雀は賭けて当たり前とか特別職に時間拘束はないとか正論をブッたのが仇になった格好だわな」

 
つれ：「これも初手を神妙にしてりゃ結果は違ってたてぇ危機管理の失敗例ってことかぃ」

 
ズレ：「映像時代になってこの方、メディアやネットにとっちゃ事柄の是非善悪より悪びれない態度の太々しさこそ火祭りに上げるには絶品の獲物だからなぁ」

 
つれ：「国内がそんな魔女狩り状態だから、国外に向けても堂々と所信を主張せずに顔色を窺う卑屈外交から脱け出せないのかねぇ」

 
ズレ：「その割には格下相手とみるとハナから高飛車な尊大外交を始めるのが、ますます世界中から軽く見られる所以なんじゃねぇか」

 
つれ：「トランプさんやプーチンさんにヘコヘコしつつ返す刀で弱小野党のレンホーさんもヨイショするくらいなら、安倍さんの長期政権もそれなりにホンモノかもねぇ・・」

 

つれ：「今般の少女像に当たってはすかさず大使を引き揚げて、日本としては珍しく強面な反応だねぇ」

 
ズレ：「１０億円も包んだのにナメたらイカンぜょてぇポーズを取らなきゃシメシがつかないてぇことなんだろうけど、やりつけない恫喝外交はどうにも生硬感が否めないんじゃねぇか」

 
つれ：「なまじ大枚を投じたのが一層韓国さんの反発を招いてるのかもしれないねぇ」

 
ズレ：「札束で頬を張るなんざ植民地時代の日帝再びで、大統領が死に体の弱り目に付け込むようなマネはせずこういう時こそ鷹揚に構えりゃいいのによ」

 
つれ：「これまで世界中の少女像に手を拱いていながら金を出した途端に韓国内から誠意を示せじゃ、あちらがいかにも金で買われた屈辱を覚えるのも無理からぬとこだもんねぇ」

 
ズレ：「韓国さんに居丈高に出る前に、まずは胸に手を当てて米露中朝貢外交への日本国民の屈服感に思いを至したらどうでぇ」

 
つれ：「アメリカさんにアゴで使われようとロシアさんに鼻であしらわられようと中国さんにゲンメイやシカトされようと鷹揚に構えてられるくらい、日本人の辞書から屈辱なんて語彙は消え去ってるんじゃないのかぃ・・」

 

つれ：「大統領が決まって大人しくなったと思いきや、トランプさんは相変わらずツイッターで大暴れしてるねぇ」

ズレ：「その呟きでフォードさんがメキシコ工場新設を諦めるたぁ神託の如き霊験だわな」

つれ：「これからはトランプさんのツイッターを忖度するのが世界政治のスタイルになるのかねぇ」

ズレ：「株価動向を見るに少なくとも世界の産業界はGMやトヨタさんまで右に倣いやしないかと戦々恐々っぽいぜ」

つれ：「さすがに副大統領がもっと大人になれと窘めてるけど、身内の諫言くらいで鈴をつけられる首でもなさそうだしねぇ」

ズレ：「政権が始動するまでは御祝儀替わりの様子伺いって含みもあるとすりゃ、まずはどこまでトランプ旋風の威光が続くかが２０１７年冒頭最大の見ものじゃねぇか」

つれ：「初の有色旋風を巻き起こしながら大統領になった途端に色褪せた前政権の例もあるからねぇ・・」

つれ：「岸田外相が安倍後継に名乗りを上げたのは、小池新党に後れはとるまじってことなのかねぇ」

 
ズレ：「さしずめ派手なパフォーマンスで台頭著しい羽柴筑前守を警戒する宿老柴田勝家てな絵柄だわな」

 
つれ：「といってあんまり宿老風を吹かせると、信長公の勘気に触れて失脚した佐久間出羽介になりゃしないかぃ」

 
ズレ：「後を襲うと公言したからにはなまじ主君を脅かさないよう、迂闊に外相として目立った手柄を上げる訳にゃいくめぇよ」

 
つれ：「となると安倍さん直々の肝煎りでも埒が明かない北方領土返還や拉致解消はますますお蔵入りしそうだねぇ」

 
ズレ：「それを解決する秘策があらばこその下剋上宣言なら頼もしい限りで、三日と雖も天下を握った明智惟任日向守ってとこさな」

 
つれ：「むしろ殿の歓心を買う秘訣を心得てるって点じゃ、外相の方こそ木下藤吉郎かもよ・・」

 

つれ：「韓国さんがお隣の三代目のタマをとるヒットマン部隊を創設するたぁ、新年早々物騒な話だねぇ」

ズレ：「半島同胞は北も南もハッタリ上手なだけに、とるとる言うてちぃともとりに来やせんじゃないのてぇ仁義なき戦いの台詞回しを思い起こすようだけどよ」

つれ：「北朝鮮謹製核花火打ち上げなんてなぁ、ハッタリだけに留めて貰うに越したこたぁあるまいに」

ズレ：「威勢のいい口先とは裏腹に親分衆は慎重でもそれを真に受けたハネッかえりの鉄砲玉が突っ走ることもあるし、本邦も米軍頼みの集団自衛に安閑としてないで自ら火の粉を掻い潜る用意は進めとくべきじゃねぇか」

つれ：「安倍さんの改憲話こそ、やるやる言うてちぃとも改めやせんじゃないのだからねぇ」

ズレ：「その割にゃわざわざ酉年解散の歴史なんぞを繙いて、そっちはやらないやらない言うていきなりやりそうじゃないのてぇ気配を漂わせるのが困ったもんだわな」

つれ：「選挙に振り回される下々とすりゃ、解散話もハッタリだけに留めて貰うに越したこたぁないよねぇ・・」

つれ：「将棋や囲碁のAIが注目されるなか、国会答弁の下書きまでAI化を検討するらしいよ」

ズレ：「どうせ官僚作文を読み上げるだけなんだから、そんなケチなことでなく閣僚席にAIを鎮座させたらどうでぇ」

つれ：「事実の確認だったら裏方が囁いたりメモを回すよりはるかに迅速・正確だしねぇ」

ズレ：「政策判断だってどっちつかずの玉虫色がお約束なんだから、AIの方がよほどソツなくこなしそうだぜ」

つれ：「そういうアラ探しのツッコミどころがなくなるようだと、野党が導入反対に回りゃしないかねぇ」

ズレ：「野党にしたって揚げ足取りの追及しか芸がないなら、それもAIにお任せした方が一層達者な当意即妙にもなろうてもんでぃ」

つれ：「或いは電脳化の進展で棋士不在になるよりも代議士不要になる方が先かもしれないねぇ・・」

つれ：「改正ストーカー法施行やカジノ法成立が目立つ陰で、自転車活用推進法なんてのも制定されたんだねぇ」

ズレ：「無茶無体なカミカゼ走行が問題になるほど既に十分活用してるだろうに、当たり障りのないテーマを超党派で取り上げて議員立法の実績を稼ぐための法律っぽいやな」

つれ：「省エネのうえに環境や健康にも資するとなりゃ、正しい活用をもっと推進したってよかろうに」

ズレ：「さほど実を上げたようにも思えない自転車規制のままで活用を推進したんじゃ、権利意識を高めたモンスターチャリストを増やすばかりなんじゃねぇか」

つれ：「いっそ自転車まで免許制にしろとでも言うのかぃ」

ズレ：「未だに特権階級への怨嗟の如く反自動車を美風とする傾向があるけれど、今となっては自動車も自転車も歩行者も等しく道路を利用する同胞なんだから扱いも均等であって然るべしってことよ」

つれ：「歩行者も免許制になりゃ、或いはボケて徘徊した折には助かり易くなるのかねぇ・・」

つれ：「年の瀬も押し詰まって大火やら地震やらと、多難な新年の予兆なのかねぇ」

 
ズレ：「そんな大衆の不安を払拭すべく、明らかな人災にも公金の投入を決めたのかもしれねぇぜ」

 
つれ：「盤石に見える安倍さんこそ、あらゆる機会を人気取りに繋げないと気が済まないほど不安に駆られてるってのかぃ」

 
ズレ：「国内には見るべき対抗馬は現れないものの、未知数のトランプ大統領発進を控えて足元は固めときたいんだろうよ」

 
つれ：「そういうことならパールハーバーもいいけれど、防衛相の代参でなく自ら靖国で新年を迎えるくらいの姿勢を見せてくれりゃいいのにさ」

 
ズレ：「ご本人なりのバランス感覚の所以とはいえ、歴代最長政権にリーチを掛けながらも歴史に残るほどの重みが感じられないのはそういう覚悟が窺えないとこだわな」

 
つれ：「どれだけ生きたかでなくどう生きたかが重要なのは政権も同じだよねぇ・・」

 

 

ズレ：「民族自決を謳歌する原作の力ひいてはそのベースとなってる石油メジャーを向こうに回した事実の力があればこそとはいえ、國岡のモンやが石油持って来たで～のフレーズにはなかなかに泣かされちまったぜ。

　時はまさにモデルとなった出光さんが昭和シェルさんと合併するかどうかに世間の耳目を集めるタイミングで、海賊と呼ばれた男直系の創業家が企業風土を拠り所としてそれに反対してるてぇ構図がいかにもごもっともと納得できるわな。

　劇中の石統と同じく経営上は合併が得策と感じつつも心情的には出光さんに民族系を貫いて貰いたいとの願望を抱くご同輩は少なからずとも思われ、集団自衛でまたアメリカさんの風下に回るとなれば何のお役にも立たないとはいえ創業家サイドに肩入れしたくなるってもんよ」