つれ:「ご本人がご本人を演じるコメディ仕立ての趣向自体は必ずしも珍しくはないものの、陰に陽にの自虐ネタやさりげないハリウッド映画への繰り言で斜に構えたような屈折した笑いを取りにくるあたりが欧州流のエスプリってもんかねぇ。
セピアがかった仄暗い色調の画面に台詞はほとんどフランス語、不条理を含みつつ展開されるストーリーは次第にシビアな状況になっていく・・と基本はコメディで押さえつつも、かつて一世を風靡したフィルム・ノワールへのオマージュも感じられるようじゃないかぃ。
或いはこの作品を契機にアクション俳優から演技派へと幅を広げようってことかもしれず、そういうことならここんとこ外国の俳優さんと言えばほとんど英語系てイメージだから、もう一方の雄として往年のジャン・ギャバンさんのような渋い重鎮として存在感を増していただくよう陰ながら応援させていただきたいもんだょ」