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天使と悪魔

2009-06-14 11:56:49 | 活弁見聞録
つれ:「前作同様キリスト教の歴史と文化をめぐる蘊蓄と宗教思想にまつわる衒学を鏤めた絢爛たるサスペンスながら、ダヴィンチコードに比べると事件の進行に時間の制約てぇ要素がある分よりスピーディーかつハードボイルドな展開になってるねぇ。
 名所旧跡を巡りつつ名探偵が連続殺人事件を解決するシリーズものでキャスティングから大まかな筋の運びが読み取れるてな構図はテレビの2時間サスペンスと同様でも、何しろ舞台がヴァチカンで千年来の伝統に百年来の因縁から最先端の科学技術まで絡んでくるとなるとただならぬ重厚感に圧倒されるばかりだよ。
 宗教と科学の葛藤ということになればけして過去の出来事とノスタルジーに浸れるものでなく、むしろ科学万能の世が進めば進むほど古くて新しい課題はより難解度を増しているような感もあり、既に身近になっている生殖医療や遺伝子組み換えとかも果たして技術の進歩と倫理のバランスはとれているんだろうかと考えさせられるようじゃないかぃ」
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