のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

銀行の資産運用とアベノミクス

2013年05月29日 19時20分35秒 | Weblog
日本銀行が

公表している

統計に

「民間金融機関資産・負債」

というのがあるらしいです。

その統計資料によると、

『預貸ギャップ』が

191兆5000億円だそうです


これは、

要するに、

銀行にだぶついているお金です

(5月29日発行日刊ゲンダイ、

高野孟・文「永田町の裏を読む」参照)。

銀行というのは、

お金の流れを堰き止める巨大なダムと

考えたらいいようです。

預金されたお金を

通常なら

企業への貸付に回される

はずなのですが、

日本では

バブル崩壊後の

「失われた20年」で

すっかり様変わりしたみたいです。

「貸出金÷預金×100%」を

預貸率と言います。

銀行は、

集めた預金よりも多くのお金を貸し付けていました(信用創造)。

それが

本来の姿です。

ところが、日本では、この割合がどんどん下がって、

今では

集めた預金の4分の3程度しか貸し出していないんですな。

銀行の信用創造が低下しているわけです。

銀行が

資金を貸し出したい相手である大企業は、

儲けが内部留保され、

融通は不要です。

貸し出して欲しいと願う中小企業の相手はしたくない

ということなんです。

その歪んだ

日本の金融事情は、

ユーロ圏と比較した図を見ると

明らかです。

次の通りです。


典拠:2012年3月19日付日経新聞

ヨーロッパの銀行では、欧州危機と言いながら、

預貸率は、110%程度。

日本はと言うと、90年代には100%超あったのが、

バブル崩壊後は、

低下する一方なのがよく分かるでしょ?

これが

信用創造に興味を失くして行った

日本の銀行の現状です。

すなわち、

債権回収や

貸し渋り、

貸し剥がしをやっている内に

貸付をやらなくなったということです。

では、どうやって

収入を得ているのかというと、

運用益です。

そういう実態が

棚上げされた上でなされたのが

アベノミクスでした。

溢れかえる

お金のほとんどを

銀行は、

資産運用の原資に回しているようです。

この後が

怖いのです。

ちなみに、

現在、3メガバンクで

国債残高は、

3月末時点で

105兆円超と言います


(上掲日刊ゲンダイ、重道武司・文「経済ニュースの真相」参照)。

過度な円安誘導で

今、輸入インフレを

起こしてます。

その結果、

漁業も農業も

壊滅的な打撃を受けています。

たとえば、

漁業は、漁船を出すのに

かかる油代のため

利益が

ほとんどないようです。

「成長戦略」は、

所詮、名前ばっかりの

インチキ経済政策であることが

白日の下に

晒されようとしてます。

国債が

予想を超えて値下がりし、

それと連動するかのように

株が

売りに出されました。

債券安に株安、円安の

トリプル安のため

日本企業が

次々、外資系に

飲み込まれていくだろうと、

ビジネス・ブレークスル―大の田代秀敏氏は

予測されているようです

(上掲日刊ゲンダイ紙「デタラメを暴露したアベクロ政策

  ~とどめを刺す消費税増税」参照)。

ここにきて、

黒田日銀総裁は、

居直りました。

かつて

“異次元金融量的緩和”

(マスコミはそれを

“黒田バズーカ砲”などと呼び

愚策を祭り上げました)

という無茶苦茶なお札の大量発行を、

この人は、

周りの反対を押し切って

実行したはずです。

なのに、

長期金利が

異常な値上がりをするという結果を見るや、

早くも責任逃れです。

「(長期金利は)

短期金利のように

すべてコントロール出来るかと言えば、

そうではない」ですって。

そんなこと、

最初から分かっていたはずです。

だからその危険を

みんなが

指摘してたんじゃないのでしょうか…――。

この人、財務省出身だったと思います。

しかし、一度でも

経済学の勉強をしたことが

あるんでしょうか。

信じられない人ですね。

長期金利は、

放っておいたんでは

どんどん上がって行きます。

核燃料と同じです。

冷やさなければなりません。

「金融を引き締める」

ということですが、

ただ、

それをすると、

一挙に国債が暴落します。

暴落したときの

国債の価格は、

紙切れ同然になります。

政府として、

その危機を回避するため、

何をするか

と言いますと、

消費税を上げます。

社会保障費を限りなく切り詰めて行きます。

歳入を増やそうと、

企業のために

労働の規制緩和を行います。

世界同一賃金に向け、

自己責任の下、

庶民は、

貧困層に

転落するでしょう。

そうならない人もいるでしょうけど、

1%です。

本日(2012年3月19日)の「日経新聞」に載っていたグラフ。




■資料

「欧州銀の預貸率低下、世界経済に影 ~貸し渋り懸念 融資圧縮、新興国にも余波」

   日経新聞(2012/03/19)

☆ 記事URL:http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2012/03/20005236/

 株価上昇などで明るさが見え始めた世界景気に、欧州銀行の「貸し渋り」懸念が影を落としている。ユーロ圏では預金と貸出金のバランスを示す預貸率が低下し始めており、3兆ドル(約250兆円)規模、15%程度の貸出資産の圧縮につながる可能性がある。日米が経験したような調整を欧州が迫られれば、その影響は新興国経済にも及びかねない。(南毅郎、川手伊織)

 銀行は個人などから集めた預金を、企業の設備投資や営業用の資金として貸し出す金融仲介機能を持つ。伝統的に欧州銀は預金より貸出金のほうが多く、預貸率は120?130%だった。預金に加え、市場からも資金を調達して融資に回しているためだ。
 欧州中央銀行(ECB)によると、ユーロ圏の銀行の預貸率は今年1月に116%を割り込んだ。欧州債務危機をきっかけに、市場で欧州銀の信用力が低下。低金利で資金を調達しにくくなり、企業向け融資を手控えたためとみられる。欧州連合(EU)が金融危機を回避する目的で、自己資本比率の引き上げを求めた影響もある。
 今後、欧州銀の預貸率はさらに低下する見込みだ。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「ユーロ圏の預貸率は100%まで下がる」と指摘する。
 欧州銀の与信残高(ほぼ貸出金残高に相当)は約18兆8600億ドル。預金に大きな変化がなく預貸率が100%に低下する場合、貸出金は約3兆ドル減る。コメルツ銀行がドイツとポーランド以外の新規融資を凍結するといった動きも出ており、ユーロ圏で「貸し渋り」が広がりかねない。ECBが1月に実施した貸し出し態度調査では、欧州銀の融資姿勢が「厳しい」と答えた企業の割合が「緩い」を20ポイント上回った。昨年10月調査の10ポイントから急速に厳しくなっている。
 1990年代後半から貸し渋りが起きた日本では預貸率は115%前後から約74%にまで下がった。2008年のリーマン・ショック後で米国の預貸率は110%から約81%まで低下している。ユーロ圏でも預貸率が日米並みの水準まで下がれば、貸出金の圧縮は合計で約8兆ドル(約670兆円)となる。
 銀行が貸出資産の圧縮を進めれば、十分な資金が回らなくなり、企業の経済活動は滞る。とくに欧州銀の場合は、影響がユーロ圏のみにとどまらない問題がある。
 欧州銀の融資先を地域別にみると、欧州は50?60%にとどまり、アジアと中南米がそれぞれ4?5%を占める。歴史的な関係が深いうえ、高成長が見込まれていたからだ。それだけにリスクを伴う融資も少なくないとみられ、「資産圧縮への圧力がかかりやすい」(みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミスト)。
 アジアでは欧州銀の貸出債権を日本の大手銀が買い取る動きも出ているが、すべての貸出債権を売却するのは難しく、新興国でも資金の流れが滞りかねない。第一生命経済研の永浜氏の試算によると、欧州銀の預貸率が10%低下する場合、EUの実質成長率は0.81%、新興国は0.59%それぞれ下押しされるという。



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