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母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

橋下徹大阪市長 / 「学校という集団生活では、自分の気持ちをいつわることを一番の目標とすべき」

2012年08月20日 22時44分02秒 | Weblog
大津の中二自殺事件の報に接し

橋下徹市長が

涙を見せました。

あの涙は、

きっと本物でしょうね。

政治家なんで

人気取りのために

パフォーマンスとして

落涙した

という可能性も

考えられなくはないです。

しかし、

泣き落し戦術を取る場面ではありません。

また、ただの人気取りのためなら、

彼の童顔で充分です。

同氏の場合、

そんなみっともない

ことをしなくても

交渉術としては、

打つ手をお持ちでしょう。

たとえば、

どんな相手をも丸め込められるという

48通りの方法です。

いわく、

(1)言い訳、

(2)責任転嫁、

(3)あり得ない比喩、

(4)立場の入れ替え、

(5)前言撤回

などなどです。

これらは、

橋下氏の初期の著作

「図説・ 心理戦で絶対負けない 交渉術」

という本に書かれてある

テクニックです。

この本には、橋下流の

思い通りに相手を操る非情の実戦テクニック!!

が記されてある由です。

さあ、一緒に

この本を読んで、

自分のペースに引き込むかけひき論から、

相手を説き伏せるレトリック、

鉄壁の交渉話術まで、最強の交渉術を学びましょう!

この交渉術を学ぶだろう

維新塾の

面々の変化の様を

追及する

ドキュメンタリー映画を

いつの日か

必ず作って頂きたく思います。

タイトルは、

「人間維新」がいいですな。

こっから、

『交渉術』の中身の

分析に

入っていいのですが、

その前に、

橋下氏ならば、

いじめにあった中学生に

もし、何か言うとして

どんな一言を口にされるでしょう。

もう少し、

突っ込んで考えたくもあり、

話を戻します。

  *

それこそ、

事件を予め知ってたんじゃないかと

思うほど

彼は、

ぴったりな表現を

残しています。

それについて触れます。

次のような

語りかけです。

読んで見て下さい。

「十四歳の君たちにとって

いま必要なのは、

立派な理想論じゃない。

厳しい現実を知り、

その現実を見据えたうえで対処法を考えることです。

なんでもそうですが、

まず現実を知らないことにはなにも始まらない。

周りの大人たちが

言うような

ありもしない理想に向かって対策を練ったところで、

効果はありません」と(『どうして君は友だちがいないのか』参照)。

ありもしない理想とは、

奇しくも

校長等が主張した

“いじめっ子たちと仲良くしていた”

との事実認識への言及と受け取れます。

この人、

まるでそこに居合わせたような

的確な指摘を

されておられます。

ただ、橋下氏は、

もともと友達関係を

あまり信じておられないようです。

友達は、

一人いるとのことです。

しかし、友達を増やすことへの

夢はなさそうです。

彼にあっては、

友達とは

「空気を読む」中でしか

存在しない

きれいごとなんですな。

彼は、

子どもらが学校で学ぶべき

事柄として

「本当は、

学校という集団生活では、

自分を抑えること、

自分の気持ちを

いつわることを一番の目標とすべき」

なのだとされます。

しかし、

教員たちは

「きれいごとを君に押しつけようとして」、

「はっきりと言ってはくれません。

だから、

自分を抑えること、

自分の気持ちをいつわることができる子と

できない子との差が、

よけいに大きくひらいてしまっているように思います」

と感想を述べられています。

思うに、

中二で自殺した少年は、

充分に

「自分の気持ちをいつわることができなかった」から、

死んだという理解です。

「偽れ。勝利を得たくば」

という

同氏が

身に付けた処世訓の

核にある教えと言っていいでしょう。

なるほど

偽ることのメリットって

あまり学校では

教えてくれないけれど、

他人と利害衝突した場合を想定して生きる上での

決定的な武器になります。

ただ、お世辞次元での

損得勘定を言ってるのではないです。

思想信条がぶつかり合うとき、

信じている振りをする

暴力性です。

他人と接するとき、

「勝てば官軍。負ければ賊軍」

と諺にあるでしょ。

負けて

自分の正当性を主張しても

“負け犬の遠吠え”

だという整理のされ方しかされないんです。

悔しいでしょ?

だから

橋下氏に言わせると

何でもいいから

勝て!

っていうわけです。

「友達と仲良くしろ」

などと、

教師は言う。

しかし、それは、

奇麗な夢…なわけです。

そういう幻想に覆われている

社会が学校なんだから、

そこで優位に立とうとするなら、

とことん醒(さ)めておけ、

というわけです。

ドイツにある美しいローレライ峡谷を

通過する心境でいないと、

食われてしまう。

そこを学べ、ということを

仰っている気がします。

一概に否定する気はないです。

大人の社会だって、

嘘つく者が生き残るような

形になってます。

子どもの社会は別と

言い切るのは、もっと深いところで

大きな嘘と思えます。

さて、

彼が『交渉術』で

強調する

事項は「正々堂々」なんて

まかり間違っても

考えるな

ということに尽きるようです。

ここで、

いじめの問題から、ちょっと離れまして

僕が読み込んだ範囲で

交渉術の要点を整理しておきます。

    *

論争に当たっては、

「いかに偽るか」

が大切です。

なぜ、大切か

と言うと、

上に述べましたように

「他人を出し抜く」ためです。

そういうわけですから、

騙す前に

使える手練手管があります。

それの一々につき、

述べます。

まずは、脅しです。

「あほんだら、殺したろか」

というのも脅しです。

橋下氏は、

この種の脅しでない事情につき、

次のように説明されます。

「交渉では

“脅し”という要素も

非常に重要なものだ。

これは

何も、襟首をつかんで『殺すぞ』とすごんだり、

自宅に脅迫めいた嫌がらせをする類のことではない。

あくまで合法的に、

相手のいちばん嫌がることにつけ込む行為のことだ」と。

つまり、

いつも考えておくべきなのは、

合法的な嫌がらせのあの手この手を用意し、

周りにいる人間を

辟易とさせ、

全員自殺に追い込んでやるぐらいのことが

できて丁度いいわけです。

二つ目の交渉術。

これは、

文字通りの大声です。

正しいか、正しくないかなど

どうでもいいのです。

逆らう人間は

大声で詰(なじ)ってやればよい。

実際、民衆は、

大きな声の持ち主に

ひれ伏すようになっているようです。

言うなれば、民衆の体質として

大声への恐怖心

(内部告発を恐れる気持にも、

それは、現れ出てます)

が染みついているので、

それを利用しろ、ということです。

三つ目の相手をたたみ込む

話術のポイントは、

詭弁を愛せ、ということです。

彼は、

弁論の意義を

次のように述べ称揚されます。

「交渉において

非常に重要なのが、

こちらが一度はオーケーした内容を、

ノーへとひっくり返していく過程ではないだろうか。

まさに

詭弁を弄してでも

黒いものを白いと言わせる技術である」のだと。

黒を白と言いくるめろ、

そこに交渉の醍醐味があるということです。

四つ目は、

冴えわたる

嘘が

ばれたときの対策です。

幾つか

考えておられるようです。

なかでも

すっとボケる

技が肝要なようです。

橋下氏の言葉を

借りると、

次の如しです。

「こちら側が

相手方に迷惑をかけている立場の場合、

…やむをえない手段として、

『知らない』

『聞いていない』

という言葉を使うことになる。

特にこちらの不手際で

相手方が感情を害してしまったときなどは

多用する」とのことです。

「相手方が感情的になって、

言葉の応酬が続くときは、

何か言われたら、

必ず言い返すことが大切」とも注意されます。

「論理的な返答でもいいし、

相手がカチンとくるようなことでもかまわない。

けっして、“ふん”と黙ってしまわないことだ」とされます。

ただ、どんなに嘘が巧みで、

そっち方面で

「俺、天才やん」

と思っていてもドジを踏むときがあります。

そんなとき、

上に述べたように

しれっとした顔をしていることが

負けないコツなんでしょう。

実際、

「しまった!」

という体験がおありなのだろうと思います。

橋下氏が

こんな風なことを説明されます。

「心のなかでは、

“しまった”と思っているのだが、

そこはポーカーフェイスで押し通す。

どんな不当なことでも、

矛盾していることでも、

自分に不利益になることは知らないふりを決め込むことだ。

相手方に指摘されるまではほうっておく。

運悪く相手方に気づかれてしまったら、

仕方がない。

こんなとき

私が

よく使うテクニックがある。

相手方に無益で感情的な論争をわざとふっかけるのだ」と。

出ましたね、

これですよ、これ。

橋下節です。

「交渉の流れが不利になってきたら、

不毛な議論をふっかけて煙に巻く」ってことです。

ここまで

論争で〝勝ち”にこだわれるのは、

最初の

中学生に対する

アドバイスに戻りますが、

〝奇麗ごと”に

守るべき正義がない、

という信念に基づきます。

橋下氏が

強い思想の持ち主であるように見えるのは、

そのような虚無的な拠り所に

拠って立つ意思が

徹底しているからでしょう。


※ なお、橋下徹氏の

言行録は、

「中島岳志の希望は、商店街」

幾つか紹介されています。

また、高橋源一郎・文「『橋下 徹』的思考について」

も参考になります。






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