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吉田照美ソコダイジナトコ / 2012年10月15日 小出裕章氏インタビュー

2012年10月17日 04時04分41秒 | Weblog
20121015 吉田照美ソコダイジナトコ「原発問題の今」 小出裕章


テーマは、
(1)野田首相が「復興再生の全ては除染 スピードアップを」と発言した、その意味。
(2)大間原発の建設再開が政府によって、一部容認された。原発なら、54基も既にあるのに、この上、まだ建設再開にこだわるフルMOX原発とは何なのか。
(3)原発ゼロをめぐって民主党が迷走した。政権の今後の行方は?
についてです。


<まとめ>


(1)復興再生の全ては除染 なのか。

除染を強調する、このパフォーマンスを通して、野田さんは、何をしなければならないのか、その問題の深刻さが初めから何もわかっていなかった人だということが改めて、よく分かりました。除染というのは、汚れを除くという意味ですけれど、放射性物質を除くことなんて出来ません。ある場所にある放射性物質を、別の場所に移すことはできます。この場所にあって困るというものを移すという作業は、それなりに必要ですし、その範囲でやれるだけのことをすればいいです。けれども、放射性物質を消すこと出来ないのですから、除染と言ったところで、結局、大した効果があるわけではありません。


1番大切なことは、まずはこれ以上、放射性物質を拡散させないことです。そのために4号機の中では、現在も沢山の労働者が被曝をしながら苦闘しているのです。

(2)大間原発 建設再開の意味は?

これまでは、ウランという物質を燃やして原子力発電をしてきました。ところが、ウランを使うと、どうしてもプルトニウムという物質ができてしまいます。不可避的にできます。そこで、できたプルトニウムは高速増殖炉という原子炉で燃やすと言って、日本の全体の原子力計画を進めました。ところが、その高速増殖炉の、実験炉というか、小さな「もんじゅ」という原子炉が一向に動かんのですね。それで、高速増殖炉で使うといってきたプルトニウムの使い道が無くなってしまって、大量に日本中に溜まってしまったという状況になりました。

溜まった、そのプルトニウムは、長崎原爆の材料になった物質です。今現在、日本が懐に入れているプルトニウムで長崎型の原爆を作ろうとすると、4000発もできてしまいます。そういう状況にまですでになってしまってます。そんな状況が国際的に許される道理もないので、日本としては、何としてもそのプルトニウムを燃やさなければいけなくなりました。

そのため、プルサーマルというバカげた計画もやらざるを得なくなってきました。これは、現在の原子力発電所、つまりウランを燃やすために設計された原子炉で、ウランではなく、プルトニウムという物質を燃やそうとしてしまう計画です。石油ストーブでガソリンを燃やすに等しい無謀な計画です。余りにもまずいということで、プルトニウムを燃やすために設計した原子炉として、できたのが大間です。ただし、プルトニウムという物質は、ウランに比べると、数万倍、数十万倍も、生物毒性が高いという、そういう物質ですので、それを使うことは、ますます原子力発電所を危険なものにしてしまいます。


政府は、エネルギー環境戦略では原発の新増設はしない、という原則を明記していました。しかし、枝野経済産業大臣は、この大間原発など、着工済みの2基については建設続行を容認しました。一部容認は、“環境戦略”という観点から考えてもおかしいと思います。

民主党の原子力政策が、基本からきちっとしていないのですね。土台がないまま、あっちがこう言った、こっちがこう言ったと、ぐらぐらしています。最終的には2030年『代』にゼロを目指す、と言ったそのこと自身、私は、ずいぶんな詐欺だと思います。パブリックコメントを求めたときは、2030年に、ゼロか15か25とか、訊いたのに、2030年代と、“代”という言葉を一つつけたことによって、2039年12月31日までという、そういう期限にすり替えてしまったのですね。あっという間に10年間も鯖を読みました。

そのインチキな決定ですら、「こうします」といった発表した途端、米国からの横槍が入り、閣議決定できないということになってしまう有様でした。民主党という政権の、基本の無さというのが露呈したのだと思います。

(3)今後の政権の行方

申し訳ないけど、よくわかりません。なんか今は2大政党制とか言われてですね、自民にするのか民主にするのかという、そういう選択しか用意されてなく、政治が全く変わらない。事故も収束しない。それで、このまま行くしかないということになっていて、これはもう、受け止めるしかないという風な、諦めと言うんでしょうか、そういうものが出てきてしまっているように見えます。それもまた、やはり今の状況では仕方のないことなんでしょう、残念ですが。
 
以上




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