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ノート上のお話

ノートの上に子供が三人、笑顔でしゃべっている。母親はシチューを煮込みながら本を読み、父親は旅先の風景を写真に収めていた。

堪忍袋,靴下,小泉

2006-04-11 00:18:43 | ノート上のお話
堪忍袋

今日、カンニンブクロを家に忘れた。
尾なんか切れるわけないじゃないか。でもそのおかげで、まるおくんを傷つけずにすんだのだ。よかったなあ。



靴下

「なんとまぁ豪華な靴下で。お高かったでしょう?」
「まあ。庶民が目にすることはあまりないでしょうね」



小泉

ほら見て、空からコイズミが降ってくるよ。
わらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわら


タノマレヤ最終話「タノマレヤ去る」

2006-04-01 00:47:13 | ノート上のお話
 帰った後、どうしようもなく後悔した。あれだけ「頼みごとはない」と言えなかったのにどうして言ってしまったのか。2時間ほど自分を責めて後悔した後、急に罪悪感が湧き出てきた。それは時間軸上を過去から現在に向かって、ものすごい勢いで襲ってきたのだ。
 もう会えないかもしれない。今まで頼んだことは覚えていないけど、今回の頼みは覚えている。未来のことを頼んだのが初めてだからか、もう頼みごとはできないからか。

 僕は後悔と罪悪感にのまれながら、ふと思った。なぜ僕は頼みごとを覚えていないのに、また会いたいと思っているんだろう。どうせたいしたことを頼んでいないのにどうしてまだ頼みごとをしたいと思っているのか。夢が終わってしまうのが寂しいからか、現実は終わらないのに夢はいつか終わってしまうのか。
 だけど、夢の世界で現実のことしか出来ないとするならば、逆に現実の世界は夢の世界以上のことが出来る場所なんじゃないか。現実に出来ることを夢と呼ぶんじゃないだろうか。

 次の日、タノマレヤは現れた。メールがないのに会ったのは初めてだった。

「さあ、頼みごとはなんですか?」

「もう来ないでほしいということです」

最終話「タノマレヤ去る」完

タノマレヤ第3話「タノマレヤの頼み」

2006-03-31 02:57:39 | ノート上のお話

「こんにちは」
「あれ、メール来てないですよ」
「今日は私がお願いに来たの」

 初めて会ってから3ヶ月くらい経ったある日のこと、タノマレヤが頼みごとをしに来た。僕は驚きながらも内心、ワクワクドキドキを抑えきれなかった。どんなことを頼んでくるのか、だって何でも出来るタノマレヤの頼みごとなのだ。タノマレヤは後に続けてこう言った。

「頼みごとを言うときに、もう来ないでほしいと言ってほしいのです」

 僕は言葉を正確に理解するのに6秒かけてぼーっとして、もう会えなくなると思うと急に寂しくなった。ほとんど毎日のように自分の頼みを聞いてくれたのだ。覚えていなくても感謝しているし、まだ色々頼みたいし、今後すごく頼みたいことが出てくるかもしれない。分かれるのは嫌だ。会えなくなるのは嫌だ。僕は「もう来ないでほしい」と言わなかった。だって言わなければいつまでも頼みを聞いてくれると思ったからだ。
 今までと変わらない日々が続いた。タノマレヤは頼みごとを聞いてくれる、僕は頼んだことを覚えていない。

 ある日僕は頼みごとを言うのに悩んでいた。頼みごとがなぜか見つからなかったのだ。

「今はないから、明日来てもらえますか」

 しまったと思った。頼みごとがないと言ってしまったのだ。

「あっと、だから、頼みごとは明日また来てほしいということです」

 あわててフォローした。

第3話「タノマレヤの頼み」完

タノマレヤ第2話「夢と現実」

2006-03-30 00:39:35 | ノート上のお話
 「夢ではない」と、会ったときにいつも思う。でも夢を見ているときはたいがい「夢ではない」と感じている。じゃあこれはやっぱり夢なのか。
 僕は夢を見ているときに「これは夢だ」と一度だけ思ったことがある。その瞬間、すごく自由になれた気がした。夢だからなんでもできる。何をしてもいい。エッチなこと、酒を死ぬほど飲むこと、コンクリートにおもいっきりパンチすること、人につばをかけること、銀行強盗、人殺し、なんでもできるはずだった。現実ではないんだから。だけどそのとき僕は何もできなかった。普段できないことをやろうとすると、怖くて身体がそれを拒んだ。現実とは関係ないのに、普段できないことを夢の世界でも怖くてできなかった。そのときは起きてからすごく残念がった。だって絶対に普段体験できないようなことを逃したのだから。
 僕はタノマレヤに何を頼んでいるんだろう。それを教えてくれと頼んでもどうせすぐに忘れてしまうんだろう。まあ、きっと当たり障りのないどうでもいいことを頼んでいるんだろうけど。頼めば何でもやってくれる夢のような話の中で、現実にありえるようなことしか頼んでいないんだろう。夢と現実は離れているようで、結局一緒なんじゃないか。少なくとも僕の中ではそんな気がする。

第2話「夢と現実」完

タノマレヤ第1話「タノマレヤ現る」

2006-03-29 02:37:14 | ノート上のお話
メール受信。
知らない人からだ。
その人は会いに来るという。
いや、会ってもいいかという内容だった。
承諾の返信をしたら10秒後には現れた。
その人は窓から入ってきた。
頼まれ屋だと言う。

 僕はタノマレヤに言った頼みごとを覚えていない。何かを頼んだことはたしかだ。何度もタノマレヤに会ったことは覚えているし、その時なにをしてほしいか聞かれた覚えもある。その後何か答えたはずだ。僕は頼みごとがないのに会ってもいいという返信はしない。理由は以下の通り。
 メールの内容はいつも「会ってもいいか?」という文字だけだが、会うと必ず頼みごとは何かと聞かれる。それしか聞いてこない。一度「頼みごとは特にない」と言おうとしたが、なぜか強い罪悪感と脅迫されているような感覚に襲われて、適当な頼みごとをした。何を頼んだかはもちろん覚えていないが、その時、“「頼みごとはない」と言ってはいけない”と強く感じたことは覚えている。つまり何度か会った覚えがあるということは、その数だけ何かを頼んだはずだ。

 今聞かれても頼みたいことはいくらでもある。だけど肝心の何を頼んでその後どうなったかは覚えていない。その時の記憶だけ夢を見たときみたいにあやふやですぐに忘れてしまう。会ったことをこれだけリアルに覚えていながら、なぜ覚えていないんだろう。

第1話「タノマレヤ現る」完

尊敬する人

2006-02-03 02:00:10 | ノート上のお話
尊敬する人

わたしはわたしを守る。ゆえにあなたを傷つける。
あなたはあなたを守る。ゆえに友達を傷つける。
その人はその人を守る。ゆえにあの人を傷つける。

わたしはあなたを守る。ゆえにあの人は傷つく。
わたしはあの人を守る。ゆえにあなたが傷つく。


弱いのか。情けない。
だけど彼は。

彼は彼を守らない。むしろ傷つける。ゆえに彼女は笑う。
彼は彼を守らない。ゆえにわたしは安心する。
彼は彼を守らない。なのに平気だ。

わたしは彼を尊敬する。

こぁい話「百科辞典」

2006-01-04 01:56:49 | ノート上のお話

午後6時55分…

アナウンサー「――今日の午後5時過ぎ、先ほど自宅で静かに息を引き取ったそうです。尚、ご家族の――」
とう「え?この人死んだの?」
かあ「ええー。この人好きだったのに」

ねえ「すごい」
かあ「どうしたの?」

ねえ「インターネットの百科事典があるんだけどね。この人の欄のところにもう死んだことが載ってる」
とう「早いねえ。聞いてすぐに書き加えたんだね」
かあ「便利ね。そんなことまですぐ分かるのね」

とう「世の中の出来事がほとんどリアルタイムに更新されるんだね」
ねえ「………」

かあ「どうかしたの?」
ねえ「あたし今日死ぬ」

凧と風と木

2006-01-02 03:07:57 | ノート上のお話
とし「たーこ、たーこ、たーこ、たーこ、たーこ、たーこ、たーこ、たーこ」
みい「どうしてぇ、たこってあがるの?」
かあ「あれはねえ、風が上げてくれるの」

とし「ああっ!」
みい「かぜのせい?」
かあ「広いところでやらないとね。木に呼ばれて寄って行っちゃうのよ」

とし「ひっかかっちゃった」
かあ「取れそうにないわね」
みい「木はたこが好きなの?」

かあ「そうね。好きだからどうしても引き寄せたいのね」
みい「たこはよばれると、すぐによって行っちゃう」
とし「二人をひきはなすために、広いところでやらなければ」

さんた

2005-12-05 19:22:43 | ノート上のお話

「『さんたさん、わたしはきょうからいい子になりますから、へんしんのすてぃっくをくださいね』っていう手紙読んだ?」
「読んだ読んだ」
「かわいいよね」
「いい子にならないと変身できないと思っているんだね」
「スティックをもらえないと思っているのよ」
「そう言ったんだろ?」
「まあね」
「サンタはいい子にしかプレゼントあげないんだぞって。サンタを利用して子供をだましたな」
「いいじゃない。今しか信じてくれないし、そんなこと信じてるなんてかわいいし」
「いや、サンタの名誉にかかわるぞ。サンタは差別なんかしないんだ。誰にだってプレゼントをあげるんだよ」
「はいはい。それはすいませんでした、サンタさん」
「はいそうです。私がサンタです。文句ある?」