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ノート上のお話

ノートの上に子供が三人、笑顔でしゃべっている。母親はシチューを煮込みながら本を読み、父親は旅先の風景を写真に収めていた。

情報銀行(information bank)

2017-02-09 21:42:30 | MOT・ビジネス関連
最近、情報銀行(information bank)というものに興味を持っている。


「パーソナルデータの衝撃」城田真琴

という本で初めて存在を知った。

p.158からp.179まで、インテンション・エコノミー、VRM、PDSなどが紹介され、その流れで情報銀行が登場する。


ざっくりいうと、個人情報を扱う担い手を、企業(売り手)から個人(買い手)に取り戻そうという動きだ。

インテンション・エコノミーとは、アテンション・エコノミーと対をなすもので、売り手が買い手の関心を引く(アテンション)経済ではなく、買い手の意思(インテンション)を元に展開する経済のこと。

VRM(Vender Relationship Management)は、買い手が売り手との関係を管理していく考え方で、売り手が買い手との関係を管理していくCRM(Customer Relationship Management)と対をなす言葉。

そしてPDS(Personal Data Store)は、これらを実現するサービスのことで、買い手の個人情報を預かってその情報を元に買い手に最適なサービス(最適な金融サービス企業の提案やおいしいレストランの情報提供など)を行う。

情報銀行は、産学協同でPDSのようなことをやろうとしていると、本では紹介されている。(2016年9月に政府が、情報銀行を進めて行くと言っているらしい(日本経済新聞)ので、産学官か。)


「情報銀行」創設へ指針 政府、通販データ管理などで (日本経済新聞)
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFS10H0A_Q6A910C1NN1000/


個人的には、本のp.179の以下の部分のような、サービスを期待している。


「PDSにログインして、登録している『現住所』『電話番号』を引っ越し先の新しい住所と電話番号に変更すれば、それでOKだ。あとは、『現住所』『電話番号』情報へのアクセスを許可している相手に、自動的に住所と電話番号変更の通知が送信される」


最近はどこへ行っても個人情報の入力を求められる。ネットで買い物をするときや、病院で診察を受けるときなど、もう同じ事を何度も入力するのはやめにしてほしい。



さて、情報銀行に興味を持ったのはいいが、下記サイトにあるように、公開情報が少ない。


情報銀行とはなんぞやという話 (山本一郎)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160914-00062191/


上記サイトより引用

「夢が広がる事業案が色々と並べられているのですが、逆に言えばそれから3年近く経った今も日経新聞の記事で触れられているのは相変わらず漠然として内容ばかりで、コンソーシアム設立時から今まで一体何を時間をかけて根回しをしていたのかと思わなくもありません。たぶん、やりたいことはいっぱいあったけど、俺たちの戦いはこれからだ的な状況のまま、構想の概要だけが先に走って行ってしまったのではないか、と推測したくなるような事態です。もう少し具体的なことを知りたいです。」


そう、情報が少ないし、具体的な話をなかなか見つけられない。


また、ネット上には、「なんか個人情報を国が管理していくのはヤバイ」的な話ばかりが転がっていて、コンセプトそのものは良いことなのに、変な憶測が勝手に広がっている。


これはよろしくないなぁと思いつつ、何もしないで、アンテナを張っていると、今年もシンポジウムをやるという。


これは!と思い行くことにした。


第4回情報銀行コンソーシアムシンポジウム

2017年2月20日(月) 13:30 - 18:15

東京大学 駒場第Ⅱキャンパス 生産技術研究所内 An棟2階コンベンションホール
http://www.information-bank.net/symposium2017.html

活動報告や今後の予定なども話されるようだ。具体的に何がどのくらい進んでいて、今後どのように展開していくのか。また、何かしら関わるチャンスはあるのか。

ぜひ、消費者にとって身近で役に立つ、小さなサービスから始めていってほしいと思う。あと情報公開をもっと積極的に。


参加した感想等は、もしかしたら報告するかもしれません。


「チームのことだけ考えた」青野慶久

2016-01-13 00:30:18 | MOT・ビジネス関連
「チームのことだけ考えた」青野慶久
目次見て気になったところから読み始めてる。強く響いたもの、共感したのもの(と感想)3つ。

・真剣スイッチON。「頑張る」のと「命を懸ける」のではレベルが違う
→命を懸けるほどの仕事をしたい。多分、結婚や子育ては命懸けだと思う。何十年付き合うパートナーに対しては最上級の尊敬や感謝や愛情を持って、協力やコミュニケーションしていかないと。また自分の子が社会で困らないようにすることや、迷惑をかけないようにすることには、命懸けで真剣に向き合うつもりだ。これも愛か。自分が社会で何かを成し遂げるために、これと同レベルの真剣さがほしい、ざっくりとはあるけど定まっていない。仕事愛?これからやる。
例えば、会社とかNPOを作って、自分が死んだ200年後も創業者である自分の意思をついで社会貢献しているとか、自分の書いた論文が200年後も引用されるとか、発展途上国に新しい仕組みを導入して200年後の歴史の教科書に載るとか、いや、結果が大事なわけではなくて、誰もがやっていることではなくて、自分だけが持っているもの、経験、能力、感性みたいなものを最大限に活かせるよう努力して、ひた向きに何かに取り組むような、途上国に学校を作るとかそれでそこで教師として働いて教え子がノーベル賞を取るとか、テキトーに思いつきで書いたけど、なんかそんな感じ。
繰り返しになるけど、結果ではなくてそこに向かっていく、勢いとか情熱、みたいなもの。


・制度にぶら下がる社員が出てこない?制度には、理想となる「目的」を明記する
→すごく共感。大事なのは理由や目的で、制度や法律、決まりごとそのものではない。これは小さい頃からずっと考えていたことだった。信号の例が出てきたがまさに同じことを昔考えていた。ルールには目的があって、それを守ることはなぜ必要なのか、どういう場合は守らなくてもいいのか、目的を考えることがとても重要。これを社内のルールとして定めているとは、さすが。


・感動も報酬になる。「人事部感動課」の活躍
→私もSE時代に、自ら立ち上げた委員会で部内報を書いたりしてましたが、人に構ってもらえるのって本当に幸せなことだと思います。皆楽しめるし。人に感動を届ける人、ほしいほしい。


MOTレポート「国内ソフトウエア事業のサービス化の5つの課題と3つの施策」

2012-08-12 23:32:31 | MOT・ビジネス関連

ITビジネス論(芝浦MOT2012第2クォーター) 小レポート4(改)
「国内ソフトウエア事業のサービス化の5つの課題と3つの施策」

※授業中の議論を元にまとめたレポートを少し改定して掲載


1.サービス化の課題
 SaaS(Software as a Service)をはじめとしたXaaSの国内展開、所有ではなく利用する形態のソフトウエアについて考える。多くの企業で既にこれらのサービスを利用しているが、より多くそしてより広く展開するにあたっての日本が抱える課題とは何か。以下に五つ示す。

(1) ユーザーの業務が標準化されておらず属人的になっている(暗黙知が多い)
 「ユーザーの業務が属人的になっている」のが一つ目の課題である。これはサービス化に限った話ではないが(パッケージソフトの展開についても同じことが言える)、業務が属人的になっていると業務の効率化が図れない。なぜならSaaS等によりリソースを集中管理することで無駄を省くことができるが、業務が属人的になったままだとそれぞれに個別の対応をしなければならなくなり、共有化のメリットが得られないからだ。当然すべての業務を標準化することはできないが、できる限りの業務プロセスを標準化することによって資源を共有しなければ、サービス化のメリットを得ることはできない。

(2) 受託ソフト偏重でSIerがユーザーのいいなり
 二つ目の課題は、「受託ソフト偏重で、さらにSIerがユーザーのいいなりとなっている」こと。日本のユーザー企業が業務で使っているソフトウエアは、受託ソフトの割合が高い。経済産業省の統計データによると、受託ソフトはソフトウエアの売り上げ全体の8割から9割を占めている。受託ソフトはいわゆる作りこみのソフトウエアであり、ユーザーの要望をいかにくみ取れるかが成功のカギとなる。そしてソフトウエア企業がユーザーの要望をくみ取ろうとし過ぎるあまり、新しい技術を使った業務プロセスの改革案等より、既存の業務を変えないというユーザーの希望を受け入れてしまっている。

(3) ユーザー企業のITリテラシーが低い
 三つ目の課題は「ユーザーのITリテラシーが低い」こと。
ガートナーが2007年5月に発表した国別IT投資マインド・ランキング調査によれば、日本は調査対象国16カ国の中で断トツの最下位である。7つのIT投資マインド項目(「2007年度のIT投資増加率」「IT予算の対年商比率」「CIOを設置している比率」「経営陣がITの重要性を十分理解している比率」「攻めのIT投資(競争優位の獲得を目的としたIT投資)」「守りのIT投資(業務プロセスの改善を目的としたIT投資)」「新規技術への投資の積極性」)から算出されるポイントにより判定したものだが、1位のインドは100点、2位のシンガポールは82点、下から2番目の15位イタリアでさえも43点であるのに対し、日本は13点であった。
 ひいき目に見て現在は多少改善しているとしても、上記の調査から、日本のユーザー企業のITに関する関心が、他国と比べて圧倒的に低いことがうかがえる。IT知識の低さゆえにユーザー企業は国内SIerに開発を丸投げしているケースも多い。(2)で述べたように受託ソフトに偏重しているのも、IT利用による業務効率化より、既存の属人的な業務プロセスを残したままITを導入しようとしているからである。業務プロセスから改革しなければITの良さを発揮できないにも関わらず、ITに関する認識の低さゆえに、業務改革が進んでいないと考えられる。

(4) 部門単位で最適化していて、全体最適の考えが少ない
 四つ目の課題は「全体最適の考えが少ないこと」である。
経済産業省の「『IT経営力指標』を用いた企業のIT利活用に関する現状調査」(2010)では、第1ステージ「情報システムの導入」、第2ステージ「部門内最適化企業群」、第3ステージ「組織全体最適化企業群」、第4ステージ「企業・産業横断的最適化企業群」としたIT経営度調査を実施した。ステージ3以上の企業が日本では32.2%、米国では63.8%、韓国では、52.8%となっており、日本は米国、韓国と比べて全体最適できていないという結果であった。
 これも属人的な業務プロセスや、パッケージソフトを用いた全体最適の考えが広まっていない現状とリンクしている。日本人の真面目な性格や末端の技術者の能力の高さが個別最適化され、全体として活かされていないのである。

(5) 均一文化、年功序列、クローズドな文化、
 五つ目の課題として挙げたのは、「均一文化、年功序列、クローズドな文化」である。
IT業界の多重下請け構造は昔から指摘されている。文化的なものが原因かどうかは分からないが、日本独特の均一文化や年功序列、クローズドな文化が原因であると私は考える。多重下請け構造とは、ユーザーから直接案件を請け負っている一次請負のソフトウエア企業から、二次請負、三次請負と、ソフトウエア開発プロセスの下流工程を下請けに発注していく構造である。上流の企業にとっては安定したモデルだが、下流の企業にとっては不況になるとすぐに契約を切られるリスクがあり不安定である。また間接費が入るので全体として考えると効率が悪くなる。師弟関係のような構造となり、下から新しい提案が出しづらい。上の人のご機嫌を伺えるものが生き残れる構造ともいえる。日本のソフトウエア開発が受託開発に偏っているのも、ユーザーがトップにいてその要望を丁寧にくみ取ろうとソフトウエア企業が考え過ぎているからではないかと私は考える。


2.サービス化の施策
 以上の課題を解決するための施策を以下に三つ示す。

(1) ワークシェアリング推進
 業務の標準化、マニュアル化が進まない現状をどのようにすれば変えられるだろうか。例えばIT大国である米国は業務の標準化やマニュアル化が進んでいる。米国では人が流動的であり多民族であるため、暗黙知に頼るのは難しい。標準化しなければ業務がうまく回らない。転職や採用による人の入れ替えの多さや人種の多様性が、標準化やマニュアル化を促進している。では転職や多様性が米国ほどでない日本ではどのような施策が考えられるだろうか。考えられる施策としては、ワークシェアリングの推進がある。
 日本はこれから更に少子高齢化が進んでいく。だが働く・働かないというのを年齢で一律に区切ってしまうのには少々無理がある。65歳になってもまだまだ働ける人もいる。圧倒的に高齢者が増える日本においては、このような人材も貴重な労働者となりえると考える。ワークシェアリングの推進とは、このような高齢者をはじめとした様々な人材の効率的な活用を促進するものである。
 具体的には、「ワークシェアリングマネジメントサービス」を国家規模で大規模に作ることを提案する。大企業数社(まずはSIerや人材派遣業等)に協力してもらい、ビッグデータ分析を用いたマッチングテンプレートを作成する。職を探している労働者に業務経験や所有スキルの登録、性格診断等を実施してもらい、それを元に企業が求める人材との適切なマッチングを実現する。マッチングには様々な要素の高度な分析力が必要になるため、大手SIerや人材派遣業者のノウハウの集積が成功のための重要なカギとなる。
 このサービスの展開により、ワークシェアリングが活発になり、人材の流動化が起こり、企業の業務の標準化やマニュアル化を促進する要素となりえると考える。将来においてはこのサービスの海外展開も視野に入れて、オープンに日本企業が協力をする体制を作り上げる必要がある。

(2) CIO、IT利活用レポートの義務化(ある程度の規模以上の企業対象)
 次に挙げる施策は、「CIO、IT利活用レポートの義務化(ある程度の規模以上の企業対象)」である。日本のユーザー企業のITリテラシーの低さを改善するには、まず企業のIT利用の要であるCIOの設置率を上げることが大切である。現状はCIOを置いていない日本企業が多いが、ある程度の規模以上になればITを活用しないで業務の効率化を図ることは難しい。そこで、企業規模等いくつかの条件に該当する企業には、CIOの設置を義務化する。これによりITへの関心を上げられると考える。また、ただCIOを設置しただけでは効果が見えにくいため、レポートの提出を義務化することにより、IT利活用に関する関心を更に促進することができると考える。

(3) グローバルCEO認定、国家資格制度を設ける
 そして三つ目に挙げる施策は、企業の経営陣にMOTやMBAを勉強してもらい、共通言語を話せるようにすることである。例えばグローバルCEO認定制度を作り、経営に関する共通言語を学んでもらうことで、より大きな視点でのオープンな議論が可能になる。企業のトップ層が、オープンに議論できるようになり、IT利用が部署最適から企業最適になるだけでなく、産業、国家規模で考え、企業間の連携さえも促進されると考える。企業だけのあるいは日本だけの閉じた世界で考えるのでなく、よりオープンに全体の効率を考えていくのが、これからのクラウド時代には必要ではないだろうか。
 認定制度を設けることにより、CEOの若返りや多様な人材を認めることを促進し、均一文化や年功序列、クローズドな文化を緩和させることも期待できる。


CSVの3つのポイント(ポーター講演)と感想等

2012-07-21 20:45:00 | MOT・ビジネス関連
CSVの3つのポイント(ポーター講演)と感想等

2012年7月20日(金)
日立イノベーションフォーラム2012
基調講演Ⅲ Creating Shared Value
ハーバード大学 教授 マイケル・E・ポーター 氏
https://reg-iforum.hitachi.co.jp/public/session/view/228?popup=1

講演資料
http://www.isc.hbs.edu/pdf/2011-1113_Babson_CSV.pdf


※メモを取りきれなかった部分等、個人の意訳が入っています

1.CSV(Creating Shared Value)の3つのポイント(講演のまとめ)
 社会環境は常に変化している。そして貧困や雇用の問題など社会的問題はいつまでたっても存在する。これは途上国だけでなく先進国でも同じことである。政府やNGOをはじめ様々な組織がこの問題に挑んでいるが、なかなか解決しない。最近では企業に対する社会的活動に関する目も厳しくなっている。
 企業からもボランティアや、たくさんの基金、教育などが実施されている。これらの活動はとても大切だが、インパクトがない。そして問題の解決につながらない。
 そこで、CSV(Creating Shared Value)の考え方が必要となる。今までのMBAの考え方、すなわち競争や市場、顧客、ニーズを追うだけのビジネスモデルでは社会的問題に対応できない。公害や汚染、事故を減らすのにはコストがかかる。だが最初からもっと効率の良いやり方で企業活動を行っていれば、そもそもこのようなコストはかからない。社会的価値を生み出すことと利益を上げること(コストを抑えること)は、トレードオフの関係にあると思われているが、トレードオフではなくシナジーである。次に示す3つがCSVにおいて大切である。
(1) 製品(ニーズ、カスタマー)
(2) バリューチェーン(生産性を再定義)
(3) 事業活動を行う地域

(1) 製品について
 ニーズを満たすのではなく、生活をどのように改善していくか、社会をよりよくするにはどうするか、ということが大事。
 糖尿病の薬であるインスリンを、ノボ・ノルディスクという製薬会社は金持ちだけに提供するのではなく、途上国含めよりオープンに広い範囲で展開した。
 マイクロレンディング、銀行は従来の考え方に固執してこの方法を見つけられなかった。だがこの方法は大きな影響を社会にもたらしている。実際大きな経済的価値も生み出している。そして社会的価値ももたらしている。

(2) バリューチェーンについて
 共通価値を元にバリューチェーン全体で、生産性を再定義する必要がある。ロジスティクスを減らし、またサプライヤー側ももっと効率化できるかもしれない。
 従業員の健康を気遣うこと、欠勤、病気が減ることで結果的に経済的価値も上がる。社会的価値と経済的価値を結びつけることが大切。社会的価値を生み出すことは、慈善活動ではなく、同時に経済的価値を生み出せる。
 バリューチェーンを見直すことで、より広い地域への責任が果たせるようになる。

(3) 事業活動を行う地域について
 一つの企業がすべての分野や地域の解決はできない。業界、企業によって最も社会に貢献できる地域を選ぶことが大切。
 ナイキはクツメーカーだが、靴を提供するのではなく、健康を提供する企業だというコンセプトを掲げた。企業の持つビジョンやミッションによって製品やサービスの展開の仕方は異なる。その企業が社会に対してどのような共通価値を生み出せるかを考え、一番適した方法で責任が果たせる地域に展開するべきである。

ポーターからのメッセージ
社会環境の変化はマネジメントの考え方を変える機会。どうぞ、皆さんの分野で共通価値を作ってください。

2.社会価値のある製品やサービスの輸出(個人の感想等)
 東南アジアの学生と比べて日本人の学生は元気がないと耳にしたことがある。これから発展していこうという途上国と比べて、日本は十分経済的に豊かで上昇志向に欠けるからだろうか。本当のところは分からないが、日本人が現在の生活にある程度満足してしまっているというのは、その通りかもしれない。日本人は目標を見失っているのだろうか。
 ポーターは、社会的価値と経済的価値(資本主義)は基本的に繋がっていると言っている。いくら経済的に発達しても社会的貧困は解消されない。だが、十分ではないにしろ、昔と比べれば明らかに社会的環境はよくなっている。労働環境の改善や雇用機会の均等など。
 日本は暮らしやすい。これは私が日本人だからだが、日本には電車のダイヤが正確、おつりで人をだますことがない、接客が丁寧など、他国に勝る部分がある。これは日本人の真面目さやサービス精神が社会的価値を作り出しているということだと考える。ネガティブな部分については触れないが、日本国内において日本人は経済力と同時に高い社会価値構築の能力も持っていると私は考える。
 社会環境は変化し続ける。少子高齢化や新興国の台頭、グローバル化による日本市場の衰退が懸念されるが、日本には他国にとっても有益な、社会的共通価値を新たに生み出せる技術や仕組みがたくさんあると考える。ただこれらは日本の国民や風土とかなり依存し合っていて、国内で最適化されている。輸出するには工夫が必要だ。新幹線を売るのではなく、新幹線とダイヤ運用ノウハウと駅員のサービスをセットで、現地に適用するようカスタマイズして輸出するなど。
 さて、私はSI企業に勤めている。自社の得意分野と、経済的価値と社会的価値を融合させたビジネスモデルとは、一体何だろうか。CSVの3つの観点から、少し考え直してみようかな。

クラウド時代におけるシステムインテグレータの戦略

2012-03-29 22:20:26 | MOT・ビジネス関連
2011年度特定課題研究報告書
平成 24年 2月 20日
芝浦工業大学専門職大学院工学マネジメント研究科


クラウド時代におけるシステムインテグレータの戦略
The Strategy for System Integrators in the Age of Cloud
研究カテゴリー[ 企画型(政策提言) ]
田邉 圭介(Keisuke Tanabe)
(主指導:碓井教授)
(副指導:堀内教授)

ABSTRACT
The purpose of this paper is to develop strategies for the Japanese system integrators to be Inernationally competitive. Firstly, the current situation of the software industry is investigatred. Problems of System Integrators in Japan are identified. Also, suggesitions for the Japanese systems integtrators are proposed. For the Japanese system integrators to be internationally competitive, they will have to change the situation in Japan which is a bias in favor of custom-made software. Next, in order to achieve it, the differences among the joint use of software, software products and custom-made software are clarified. Next, the strategies for the Japanese system integrators are devided into three categories, with what should be done in more detail. A research result of this paper is a new framework of a strategy for Japanese system integrators to be internationally competitive.


本文へ(PDF)
発表資料へ(PDF)



(「1.はじめに」のみ抜粋)
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1. はじめに
システムインテグレータ(SIer)の役割は、情報システムユーザー(ユーザー)に対してソフトウエアや情報サービスを提供することであるが、その提供形態は時代とともに変化している。近年においては、SaaS(*1)等のクラウド・コンピューティング技術(クラウド)の発展に伴い、ユーザー企業のIT活用では、所有から利用への流れが加速している。今日IT業界は、ハードウエアの時代、ソフトウエアの時代を経て、サービスの時代に突入しており、多くのソフトウエア企業の売上高に占める割合も、パッケージソフトよりサービスとメンテナンスの方が大きくなっている。
マイクロソフトやオラクルといった米国の巨大企業がパッケージソフトを全世界に水平展開して大きな利益を得ているのに対し、日本のパッケージソフト企業は、国内需要を満たすことに留まっており、輸出の割合は極めて低い。また日本のソフトウエア市場の8割から9割を占めると言われている受託ソフトに関しても、日本企業は日本市場に留まっており、米国企業やグローバル・デリバリ・モデル(*2)を展開するインド企業等に比べて国際的立場が極めて弱い。
このような時代背景の中で、日本のSIerはどのような戦略をとるべきだろうか。本稿では3つの戦略を考えた。「クラウドの利活用と製品化戦略」、「内部組織戦略」、「グローバル戦略」である。この3つの戦略を元に、SIerがいかにすれば国際競争力を持てるようになるのか、新製品を創出できるのかを考察し、戦略の方向性を示し、施策を提案する。
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*1 Software as a Service:ソフトウエアを顧客にサービスとして提供する形態。ユーザーは通常インターネット等を介して利用する。
*2 全世界の顧客拠点へIT技術者を提供するビジネスモデル。


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MOT(Management of Technology: 技術経営)の特定課題研究(修士論文に当たるもの)です。
今後も引き続き業界の動向調査や、企業のIT戦略の発展に寄与できるよう、精進したいと思います。

Scalaとプログラミング言語の将来について

2010-12-12 12:55:45 | MOT・ビジネス関連
 最初キャズムというものをプログラミング言語Scalaに当てはめて考えようとしました。ところが文章を書き終えてから、Scalaがキャズムを越えるか越えないかという問題より、プログラミング言語自体の将来に興味が移って行きました。
 以下の文章は、Scalaの概要、背景、特徴、そしてScalaはキャズムを越えられるか、プログラミング言語は今後どうなっていくのか、ということについて考えたことをまとめたものです。まだまだ知識不足の中で書いた文章なので、有識者の方はご指摘やご意見等あるかと思います。気軽にコメントいただけたら幸いです。
(2010/12/12)


プログラミング言語「Scala」について

 ScalaとはJava(*1)の後継と言われている、比較的新しいプログラミング言語である。2003年ごろから開発が始まり、2010年現在TwitterやLinked-In、FourSquare等のSNSサイトで使われ始めている。
 ここでは、まだアーリーアダプタの間で使われている段階と言えるScala言語が生まれた背景とその特徴を示し、今後Scalaが世の中のシステム構築の現場で広く使われていくのか、キャズムを越えられるのかということを論じる。そして最後に、プログラミング言語の将来について簡単に予想する。

◆Scalaの生まれた背景
 Javaというプログラミング言語が世の中に登場してから、もう10年以上が経っている。この間に、Javaを使ったシステム開発は大きく成長している。Javaの特徴は、オブジェクト指向言語であること、JVM(Java Virtual Machine)上で動作しプラットフォームに依存しないこと、ガーベジコレクションによりメモリの管理が自動化できること、豊富なAPIが用意されていること、そしてオープンソースであることなどが挙げられる。また開発者が多くなるにつれて開発用ソフト、フレームワーク、その他たくさんのミドルウェアが登場し、開発効率が飛躍的に伸びていった。
 Javaはたくさんの開発事例により信頼性が上がり、現在後期採用者である銀行などのシステムでも、部分的に使われるようになってきている。作業効率を上げるための工夫があちこちで行われ、webサイトやノウハウ本が溢れるほど存在し、まさにメインストリートに入っていると言っていい。
 だが、最初に書いたようにJavaが世の中に登場してから、既に10年以上が経過している。この間にパソコンの性能は飛躍的に伸びた。CPUのコア数は複数あるのが当たり前となり、ハードウェアの性能は10年前とは比べ物にならない。Javaは、マルチコアやクラウド・コンピューティングというものがそれほど主流でなかった時代に開発された言語であり、今のハードウェアの性能を十分に活かすことはできない。

◆Scalaの特徴
 Scalaの特徴は、大きく3つに分けられる。1つ目は、過去の資産を活かせる設計になっていること。Scalaは、JVM(Java Virtual Machine)上で動作し、またJavaのAPIを利用することができる。JavaからScalaのプログラムを呼ぶことが出来、逆もできる。つまり、現在あるJavaの膨大な資産をそのまま利用できるのである。既にJavaが不動の地位を築き上げていることを考えると、非常に大きなメリットである。2つ目の特徴は、分散・並列処理が得意ということ。マルチコア、クラウド・コンピューティングといった現在の環境に適している言語であり、これからの時代に力を発揮する言語である。3つ目の特徴は、オブジェクト指向型言語と関数型言語の特徴を持つことや、XMLを直接プログラム内部に記述できること、それから簡潔な表記が可能など、開発生産性を高める要因となる言語仕様である。ソースコードの量はJavaの3分の1ほどになり、開発効率も3倍とも言われている(*2)。

◆Scalaはキャズムを越えられるか
 Scalaはキャズムを越えられるか。私は非常に難しいと考える。技術だけで言えば、上記に示した通り、非常に多くの強みがある。Javaと同等の処理速度で、非常に効率のよいプログラミングが可能であり(コンパイル型言語とインタプリタ型言語の両方の特性を持つ)、またパラダイムとしてオブジェクト指向型と関数型の両方を盛り込んでいることも、技術的に魅力的である。だが技術主導のうちは初期市場に留まってしまう。
 魅力的な特徴を持ち、既存の資産との連携が容易ということで、恐らく一部では利用されていくだろう。しかしメリットはあるもののわざわざ企業の教育コストをかけてまで技術者を育てるだけの価値があるかと言われると、それは疑問である。いかにしてキャズムを越えるかというのは、技術だけの話で語ることはできない。つまりScalaの価値を市場が求めるかどうかということが大事である。
 COBOL(*3)は未だに現役で使われ続けているし、Javaで書かれたプログラムもすぐに消えることはない。ソフトウェアプログラミングにおける古い技術は業務ロジックと密接に結びついていて、なかなか廃れない。そして技術者の数や豊富な周辺ツールがそれを後押しする。現状で満足しているならば、アーリーマジョリティの興味は新しい言語に向かない。今より少し良いくらいでは、市場は現状維持を選択する。
 実行時の処理性能と言う意味では、ScalaはJVM上で動くので飛躍的に高まることはない。それでもマルチコアに対応しているということで性能の向上は見込めるが、そこまで高い性能を多くの市場が求めるだろうか。現在でもCOBOLの資産が使われているということから分かるように、性能の向上は多くの人がScalaを採用する理由にはなりにくいと、私は考える。では、開発効率という面から言うとどうだろうか。ScalaはJavaの3倍の効率で開発できると言われている。たしかに純粋にプログラムを書くだけならそうかもしれないが、はたして実際現場で使うときにも同じことが言えるだろうか。恐らくそうはならない。なぜなら、現場でプログラムを書くときは、豊富な過去の資産を流用してそれをその時々に合わせてカスタマイズする手法を取っているからである。つまりゼロから作るわけではないので、既存の資産が多い方にかなりのアドバンテージがある。さらに、豊富なミドルウェアの存在、開発ツールの多さ、困ったときに聞ける人が多いということなどが既存技術の優位性を倍増させる。Javaは無駄なコードが多い。だからその無駄をできるだけ省く工夫が現場ではされている。これでは新しい言語が入り込むのはなかなか難しい。

◆プログラミング言語の将来
 南米発のGeneXus(ジェネクサス)というコード自動生成ツールが紹介されている記事を少し前に読んだ。使ったことがないのでなんとも言えないが、将来純粋にプログラムだけを書く人はいなくなると私は思っているので、これはすごいものが出てきたと思った。
 ただ、コードの自動生成は、プログラミング言語自体の仕様が変化しているうちは、なかなか発展しづらい分野なのではないかと思う。プログラミング言語がバージョンアップするたびにメンテナンスをしなければならないからである。またコーディングは設計思想に大きく影響を受けるので、アプリケーション全体の設計思想が揺らいでいるうちは、自動生成後のソースコードも変化してしまう。つまりコードの自動生成に資金を注ぎ込むのは、その効果に対するコストがかかりすぎて、多くの企業が手を出せないのではないかと私は思う。
 プログラミング言語自体の発展がある程度高止まりした後、コードの自動生成技術は全盛期を迎えるのではないかと私は考える。ScalaはJavaと比べて明らかに性能がいいが、既存の優位がありScalaがJavaに取って代わるのは難しいと、私は思う。一部だけで発展していくもののように思える。しかし、Scalaがマルチコア対応したことなどにより、仮に性能面での地位を気付くことが出来るとするならば、Scalaがコード自動生成技術の発展を促し、またそれによってScala自身の市場も将来飛躍的に拡大していくかもしれない。


(注)
*1:Java…1995年ごろに登場したオブジェクト指向型のプログラミング言語。
*2:匠Lab、edge2.cc、日本Javaユーザグループの浅海智晴氏の体感
*3:COBOL…1960年代に登場した事務処理に強いプログラミング言語。仕様が古くレガシーであるとよく言われるが、COBOL2002はオブジェクト指向に対応するなど、発展してきている。また当時爆発的に普及したこともあり、プログラムの数も技術者の数も(若い世代は少ないが)かなり多い。

(参考URL、参考資料)
・『キャズム』ジェフリー・ムーア
・InfoQ:Scala+Liftによる超実用開発(2010/8/25)
http://www.infoq.com/jp/interviews/Scala_Lift
・JavaWorld DAY 2009 講演資料
・Javaの歴史
http://msugai.fc2web.com/java/app/history.html
・Code Zine:私がScalaを選んだ理由
http://codezine.jp/article/detail/2464
・ITPro:南米発のツールがIT業界に与えるインパクト
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20101001/352528/


仕事に関するアンケートご協力のお願い

2010-07-13 00:51:35 | MOT・ビジネス関連
なかなかデータが集まらなくて困っています。みなさまご協力お願い致しますm(_ _)m

仕事に関するアンケートのお願いです。大学院の統計の授業で使います。大変お手数ですが、ご協力お願いいたします。内容は、仕事に対する満足度の原因調査で、全20問約4分ほどで終わります。PCからでも携帯からでもできます。(携帯は一部繋げないものもある)
また、できるだけたくさんのデータを集めたいので、知り合いの方、職場の方にも知らせていただけると非常に助かります。

アンケート(今週木曜期限)
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=31409

MOT授業メモ「サービスイノベーション論#1,2」

2010-04-26 02:58:10 | MOT・ビジネス関連
サービスイノベーション論1回目、2回目で考えたことなど。

これからは価値共創社会(生活者起点・生活者連携)

福祉・医療、環境・省エネ、人の価値観が多様化している。
安くなくても、社会の為になる製品やサービスにはお金を払う。
サービスの意味が非常に広くなってきている。価値観が多様化してきたから。

生産年齢人口(15歳~64歳)、2050年には約50%。2人に1人しか働かない。
生産年齢人口は2000年くらいからどんどん減って、2050年に50%位になっている。このまま行くと自分が年取って死にそうなときに日本の働き手が少なく、経済もかなり落ち込んでいる。これはまずい。

日本人は英語へた。外と組むのがへた。グローバル化へた。外国人の受け入れもへた。
個人的には苦手なことをやってもしょうがないと思う。もともと農耕民族で、内にこもるのが得意なんだったら、得意な分野をいかに伸ばすかを考えるべきだと思う。伸ばした結果ガラパゴス化してはどうしようもないから、そこのところは注意しなきゃいけないところだけど、苦手なのはほどほどにやればいいのではないかと。得意なところを伸ばせば、他は勝手に付いてくるのではないかなと思います。(標準化対応等の制御付きで)
どういう施策を打てば日本人が動き、発展し、世界に認められる人材が増え、豊かになっていくのか。人と社会と世界とをうまく循環させるのがMOTの役割。日本人が他の国の人と同じことをやっても負けるだけ。
数値では表わしづらい、社会貢献、品質、趣味、心の豊かさ、幸せ度、とかから何か発想を広げていきたい。基本的に競争は向いていないから。和を求めて。
GDPでは表せられない、心の豊かさ先進国を目指すというのはどうだろうか。数値目標を上げるな、社会貢献事例で競えみたいな。。。

MOT授業メモ「技術経営データ分析#1,2」

2010-04-19 00:53:51 | MOT・ビジネス関連
技術経営データ分析第1回、第2回(土曜1時限)

データのばらつき。統計データを見て何を考慮しなければならないか。
ばらつき度合いを意識しないとデータにだまされる。


概念をいかにして測るか。
代理変数の作り方が重要。

データ分析の練習としてやる「住居についてのアンケート」の分析が楽しみだなぁ。
でもその前にデータ収集しないといけません。宿題です。できるだけ数を集めたいです。ご協力いただける方は連絡ください。コメントでも右サイドメニューの「メッセージを送る」でもいいですし、連絡先知っている人は直接でもいいです。土曜日に授業があるので金曜まで。よろしくお願いします。

アンケートはこれ↓
(※クリックして拡大)


新カテゴリー「MOT授業メモ」

2010-04-18 17:14:02 | MOT・ビジネス関連
MOTの授業でやったことから出てきた自分の思考のメモを残したいと思う。blogに新しいカテゴリーを追加した。


先日の授業でこんな話がありました。

面白い分析/研究とは?
・記述的→具体的な「なぜ」がない。要素がひとつ。
・説明的→具体的な「なぜ」に答える→複数の要素間の関係の注目

「あなたの論文は「記述的」ですね」
と言うと、皮肉になるそうです。


このカテゴリーの記事は、できるだけ、「記述的」ではなく「説明的」に書きたい。やったことを書くんじゃなくて、考えたことを書く。
がっつり書くとしんどいので、あくまでメモね。