見出し画像

noriba-ba's garden

ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅(その3)

「ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅」の続きである。

 

ターシャの暮らしぶりは数多くのメディアで紹介され

私もビデオや本を通してそれなりに知っているつもりだった。

しかし、「百聞は一見に如かず」とはこのことで

実際にここに来て、嘗ての彼女の生活空間に立ち

同じ空気を吸い、同じ景色を眺め

同じ匂いを嗅ぐことで感じる何かがあった。

それが何なのか、言葉でうまく説明できないのだけれど…。

 

敢えて言うならば

ターシャの体温を感じることができた…とでも言おうか。

憧れの偶像だったものが実像となり

一人の人間として、より身近に感じたことだけは確かだ。

 

それにしても、ターシャファミリーの

温かいサービス精神には正直驚いた。

 

今でも思い出すと可笑しいのは

ターシャの遺品である家具や調度品を案内しながら

セスがそのいくつかを、「これはダイヨウヒン」と

まるで戦時中を思わせるような日本語の言い回しで表現したこと。

それも茶目っ気たっぷりの表情で…。これには大笑い。

彼独特のユーモアだった。

 

実は当時、家具・調度品の本物の何点かは

日本各地を巡回中の「ターシャ・テューダー展」のために

貸し出されていて、その代わりに

そっくり同じの代用品を置いていたらしい。

もちろん、セスの手作りで…。

おそらく私たちのような見学者が来た時に

期待外れでガッカリさせないようにとの配慮から

「ダイヨウヒン」が生まれたのだと思う。

 

別にそこまでする必要はないと考える人もいるだろう。

「ただいま貸し出し中」と言えばそれで済む。

しかし、ターシャファミリーはそうはせず、「ダイヨウヒン」を作った。

また、代用品とわざわざ言わなければ

おそらく誰も気づかないだろうに

あえてこれは「ダイヨウヒン」だと知らせた。

 

そこに、今は亡きターシャ・テューダーの暮らしや生き方を

大事に、そして忠実に守り伝えていこうという

次世代ターシャファミリーの

強い信念と意志を垣間見た気がする。

 

そうなのだ。

ターシャの蒔いた種がしっかりと大地に根ざし

毎年美しい花を咲かせるように

親から子へ、子から孫へと

人の命や思いも脈々と引き継がれていくのだ。

 

さあ、次はいよいよターシャの庭だ。

それは、また後日…。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事