noriba-ba's garden

イギリスの旅その9~一般家庭のお庭訪問~

コッツウォルズ地方で最後に訪れたのは

一般家庭とは思えないほど広大なお庭と立派な邸宅だった。

そのスケールの大きさに圧倒されながら

ここの主の女性の案内でまずはお庭を見て回る。

やはりまだ咲いてない花が多かったが

バラや宿根草、ハーブ類が多く植えられていて

広い芝生の両側にはボーダーガーデン

その外側には低く刈り込まれた生垣や木々が見える。

古い趣きのある石垣の前にも

見事なジャーマンアイリスが咲いていた。

この建物の横のガーデンはまるで中世のお城のようで

花の時期にはさぞ美しいことだろう。

さらに表の方に進んで行くと

すでに咲いている早咲きのバラもあった。

広大な庭の一角には整形式庭園も見られ

その向こうには見渡す限りの緑が広がっていた。

ここもこの屋敷の主の土地なのだとか…凄すぎる…。(笑)

樹齢を重ねた大きな樹木がで~んと居座り

絵になる風景を創り出している。

表の庭のボーダーガーデンには

色とりどりの葉色の植栽の中に

個性的な紫色のアリウムがひときわ目立っていた。

淡いピンク色のウツギの花や

愛らしいエリゲロンの花も見かけた。

南に面した建物の壁にはつるバラが誘引され

ガーデンテーブルとチェアーが置かれたテラスは

ステキな憩いの場になっていた。

さて、ここからは邸宅の中を見せて頂く。

落ち着いたパステルトーンで統一された室内。

アンティークな家具や調度類。

個性的な壁紙。

ゲスト用のベッドルーム。

ゲスト用のバスルーム。

こちらはこの家の主が使う別のバスルーム。

さすがガーデニング好きだけあって

ボタニカルな絵と壁紙で飾られている。

主の趣味はこんなところにも…

何と、カエルが大好きなのだという。

書棚にもカエルの置物が…。

飾り棚の中のカラフルなピルケースや食器類

このイースターエッグなども主の趣味…かな?

そんな趣味を持つ主がこの女性、ピーキー・ポープさんだ。

いかにも英国婦人らしい品格が感じられる方で

自らサンドイッチやケーキを作って

アフタヌーンティーを用意して下さっていた。

庭園がすぐ近くに見えるこのテラスルームは

おそらく改装したのだろう…とても明るくて素敵だった。

アフタヌーンティーはマナーハウスのよりも

こちらの方が美味しく感じられた。(笑)

室内から見える中庭の風景。

中庭だけでもこんなに広いのだ。

その中庭の噴水池で偶然に見つけた

水浴びしている黄色いくちばしの黒い鳥は

おそらくブラックバード(別名黒ツグミ)だろう。

湖水地方で見かけたロビンと同じように

マザーグースの「6ペンスの唄」に歌われている鳥だ。

こんなところでお目にかかれるとは…ラッキー。(笑)

いったいどれだけ部屋があるのか

とにかく広過ぎて…どこをどう見てきたのか

すっかりわからなくなった邸宅を出て

食後のひととき、再び庭を拝見することにした。

庭の芝生で待っていたのは主の愛犬のミニチュアダックス。

人懐こい性格で寝転んで甘えてくる。

左側のガラス張りの部屋が

先ほどアフタヌーンティーを頂いたテラスルーム。

南のガーデンテラス。

壁を伝うつるバラ。

蕾はオレンジ色、花開くと淡いピンク色。

真っ白なルピナス

紫色のモクレン

濃いピンク色のシャクヤク

青いゲラニウムとアガパンサスに似た白い花など

この時期に咲いている花も結構あった。

最後は中庭ガーデン。

ここにはバラのアーチが造られ

赤いバラや

黄色いつるバラが咲いていた。

キャットテールに似たこのピンク色の花は

名前はわからないが…これだけ群生すると見応えがある。

 広大な庭をひと通り見て回ったあと

鉄製のドアに1956と年号が打たれているのに気がついた。

聞くと、ピーキーさんが亡くなったご主人と

結婚された年なのだそうだ。


今は子どもたちも独立し、この広い屋敷に

ひとりで暮らしながら庭の世話をしているのだという。

おそらく手伝いをする人もいると思うが

こんな広い庭を維持管理するのはさぞ大変だろう。

そのご苦労を思うと頭が下がる。


このピーキーさんにしても

キフツゲート・コート・ガーデンの3代の母娘にしても

そして、ピーターラビットのベアトリクス・ポターにしても

イギリス人女性の中にある芯の強さと

ガーデニングにかける並々ならぬ情熱を感じる。


こうした彼女たちに共通する

豊かな自然を愛し、自らの手で自然を守ろうとする

強い意志や姿勢のベースには

もしかすると…だが

たとえ不便だろうとも、手間ひまかかろうとも

あの上半身裸で家のペンキを塗るように

一軒一軒家庭ごみを戸別収集するように

あえて効率化や合理化を良しとせず

頑固なまでに昔からの暮らしや伝統を重んじる

イギリスという国の国民性が

そこには根強くあるのかも知れない。

そこに美しさや価値観を見出しているのかも…

そんな気がする。


思えば、ガーデニングだって非効率そのものだ。

別に花が無くても生きてはいける。

でも暮らしの中に花があると豊かな気持ちになる。

疲れた心も、荒んだ気持ちも癒される。


産業革命で世界に先駆けて近代化の洗礼を受け

環境破壊というその弊害をいち早く味わった国だからこそ

自然保護のナショナルトラストも生まれたのだろう。

イギリスがガーデニング大国と言われる訳が

少しわかったような気がした。


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