ショパンのつぶやき

のなかどうぶつ病院の診療日誌

牛削蹄用の保定マシン

2012-07-25 23:32:19 | インポート

  酪農家で作業中の保定マシンを見つけた。

 昨年頃、ある獣医師が導入し活躍中だと聞いていたが実際に見たのは初めて。

 牛の入場・保定から削蹄終了まで早ければ5分くらい。

 腹を2本のベルトで吊り、脚にバンドを巻くと後は油圧で引き上る。作業高さにテーブルを上げ、電動カッターで蹄を削る。マシン本体は牛の蹴りや糞尿に耐えられるよう頑丈に作られている。

 この農家では昨日から1日半で70頭を削蹄。

 電動カッターの削蹄は深くなり過ぎると批判されるが、見ている中ではそれはなかった。

 僕らがやれば30分は有にかかる削蹄。牛の負担は大きい。

 問題は機械の価格が300万くらいと高いことだが、頭数をこなせば回収も早いと思われる。 

アメリカ的な便利なマシンだ。

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被災地で噂される 情けない 出来事

2012-07-25 23:24:26 | インポート

  被災から11日が過ぎた阿蘇市。折からの梅雨明け宣言もあって天気も良くなり片づけも進んでいた。

 激流の中で子牛を移動させたあの農家を再度訪れた。裏の川は水がチョロチョロと流れるくらいで、もう大洪水のイメージはない。

 住宅の方は畳や家財等大半の物が捨てられ、板張りの上にブールーシートを敷きその上に布団を敷いて寝ている。

 まだ、床板が乾かないため畳は入れられない。

 ボランティアや友人が手伝ってくれて思いの外作業がはかどったと奥さんが話してくれた。

 そんな中で聞いた噂では、ボランティアを装った火事場泥棒が出現しているらしい。多くのボランティアが手伝いにきてくれているが、その中に紛れて家の片付けをしながら貴重品を盗んでいるとか。

またある所では、夜中、偽の被害調査にかこつけて盗みを働き、車のナンバーから捕まったとか残念な行為があっている。

 また、大量に流れ出したロールラップの持ち去り事件も起きている。

ロールの持ち主の作業機が水に浸かって動かせず運搬ができないこともあって、あちこちに流れたロールが勝手に持ち去られている。

 早く名前を書き入れないと無くなってしまうからと奥さんが名前書きに行っているとか。

 東北大震災でもこんな類のことが起きたと言われるが、情けない話しだ。

 片付けが一段落した農家

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 回収されたロール

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頑張れ 被災したペットたち

2012-07-25 23:11:28 | インポート

 洪水被害はペットたちにも及んでいる。

 家屋の浸水で避難生活を強いられた家ではペットの預け先が問題で、D動物病院にも避難してきている。

 大災害にあってショックを受けた猫はフアーファーと威嚇し、スタッフになつかなかったが、避難生活も10日が経ち、やっとなじんできている。

  もう一方のゴールデンは洪水に流され一時行方不明になったが、次の日水に首まで浸かっているところを救出された。

 後肢を痛めて動けずに、丸1日水に浸かったままで体調を崩している。

 熱があり呼吸も荒く、腎機能が悪化している。

 

 年齢が13才と高齢で回復が危ぶまれる。

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崖崩れや水没によって被害にあった家畜たち

2012-07-18 00:22:11 | インポート

 乙姫の観測地点より雨量が多かったと言われる一の宮町は、各地で虫食いのように赤茶けた崖崩れの跡が見られた。

 三野地区では崩壊により民家が巻き込まれ1人が亡くなり1人が行方不明となり、未だに自衛隊員による捜索が続いている。

 さらにその下では氾濫した濁流に豚舎が飲み込まれ数百頭の豚が埋まっている。

 

 交通止めになっている県道11号線、通称やまなみハイウエィに途中から入り込んで外輪山に登る。崖崩れの現場は車1台がやっと通るくらいで、斜面には岩肌が露出し引っかかった倒木は雨が降れば再び崩壊するだろう。

 滝室坂では国道の橋脚が崩壊し、その下にあるレストランを押しつぶしている。この国道の復旧には2ヶ月ほどかかるとされるが、レストランは再開するだろうか?先月末にそこでカレーを食べたばかりなのに。

  今回の被災で死亡した牛は約30頭、豚は1千頭ほどあるのではと噂されている。

  やまなみハイウェイ上に崩壊した山肌

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やまなみハイウェイの崩落現場を通る

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家財より子牛たちの命が大事

2012-07-18 00:09:59 | インポート

 12日夜中から降り始めた雨が水かさを増してきた3時頃。Aさんはトイレに起きたが水洗の水が逆流しているような気がして外を覗いた。時すでに遅く、庭には50cmほどの水が押し寄せていた。

 しまった!牛舎から60頭の子牛たちを裏の高い肥育舎に移さなければ。しかし、道路には濁流が流れ子牛たちは怖がって渡ろうとしない。

 誘導しようとするが濁流ではズボンや長靴がじゃまをして歩けない。脱ぎ捨ててパンツ一つになり必死に牛を追いたてると、そのうち1頭が水に飛び込み、子牛たちが後に続いた。

 やっとのことで裏の肥育舎に誘導し、肥育牛の群に大小かまわず追い込んだ。

 次にトラクターやローダー等の作業機を移動。水はさらに増え、マフラーは水中からボコボコと排気しながら進む。止まったら機械もパー。やっとのことで無事に移動できた。

 その頃には水は胸まで来ていた。道はゴウゴウとした濁流に変わり、足をすくわれたら流される。住居まで10mをやっとの事で泳ぎ切った。

 ピーク時には2m近くまで水没し、飼料タンクにも水が入って腐敗した。 

 その後、二晩牛たちは水の中に立ち尽くめ。3日目にやっと水が退き、ノコクズも入手できたので一部の子牛を元の牛舎に返した。

 

 最終的に数は数えていないが1頭が流されたのでは。ただ、えさの配達ができず、残り物を食べさせているため軟便気味。

人生70年生きたがこんな水は初めてだと語ってくれた。

 

飼料タンクの下のラインまで水没し、中身を廃棄した。

右側の人の背丈より高い水位。

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