ショパンのつぶやき

のなかどうぶつ病院の診療日誌

崖崩れや水没によって被害にあった家畜たち

2012-07-18 00:22:11 | インポート

 乙姫の観測地点より雨量が多かったと言われる一の宮町は、各地で虫食いのように赤茶けた崖崩れの跡が見られた。

 三野地区では崩壊により民家が巻き込まれ1人が亡くなり1人が行方不明となり、未だに自衛隊員による捜索が続いている。

 さらにその下では氾濫した濁流に豚舎が飲み込まれ数百頭の豚が埋まっている。

 

 交通止めになっている県道11号線、通称やまなみハイウエィに途中から入り込んで外輪山に登る。崖崩れの現場は車1台がやっと通るくらいで、斜面には岩肌が露出し引っかかった倒木は雨が降れば再び崩壊するだろう。

 滝室坂では国道の橋脚が崩壊し、その下にあるレストランを押しつぶしている。この国道の復旧には2ヶ月ほどかかるとされるが、レストランは再開するだろうか?先月末にそこでカレーを食べたばかりなのに。

  今回の被災で死亡した牛は約30頭、豚は1千頭ほどあるのではと噂されている。

  やまなみハイウェイ上に崩壊した山肌

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やまなみハイウェイの崩落現場を通る

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家財より子牛たちの命が大事

2012-07-18 00:09:59 | インポート

 12日夜中から降り始めた雨が水かさを増してきた3時頃。Aさんはトイレに起きたが水洗の水が逆流しているような気がして外を覗いた。時すでに遅く、庭には50cmほどの水が押し寄せていた。

 しまった!牛舎から60頭の子牛たちを裏の高い肥育舎に移さなければ。しかし、道路には濁流が流れ子牛たちは怖がって渡ろうとしない。

 誘導しようとするが濁流ではズボンや長靴がじゃまをして歩けない。脱ぎ捨ててパンツ一つになり必死に牛を追いたてると、そのうち1頭が水に飛び込み、子牛たちが後に続いた。

 やっとのことで裏の肥育舎に誘導し、肥育牛の群に大小かまわず追い込んだ。

 次にトラクターやローダー等の作業機を移動。水はさらに増え、マフラーは水中からボコボコと排気しながら進む。止まったら機械もパー。やっとのことで無事に移動できた。

 その頃には水は胸まで来ていた。道はゴウゴウとした濁流に変わり、足をすくわれたら流される。住居まで10mをやっとの事で泳ぎ切った。

 ピーク時には2m近くまで水没し、飼料タンクにも水が入って腐敗した。 

 その後、二晩牛たちは水の中に立ち尽くめ。3日目にやっと水が退き、ノコクズも入手できたので一部の子牛を元の牛舎に返した。

 

 最終的に数は数えていないが1頭が流されたのでは。ただ、えさの配達ができず、残り物を食べさせているため軟便気味。

人生70年生きたがこんな水は初めてだと語ってくれた。

 

飼料タンクの下のラインまで水没し、中身を廃棄した。

右側の人の背丈より高い水位。

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