ショパンのつぶやき

のなかどうぶつ病院の診療日誌

犬のCちゃんが元気になったのならお盆に帰るよ!

2018-07-24 14:56:09 | 日記

高齢になると人と同じようにワンちゃんにもガンが増えてきます。

犬のCちゃんも14歳になり、今年に入ってから下腹部に腫瘍ができ始めました。

年取ったから仕方ないし、腎臓も悪く手術に耐える体力や再発のこと。手術がうまくいっても余命は変わらないなど・・・・。

色々悩まれました。

家族で話し合い、危険な手術よりこのままの自然に任せようとの結論になりました。

 (写真は2年前のまだ元気な時です)

しかし、腫瘍の成長が早く6月になると8㎝の大きさになってお腹からぶら下がり、ついには先端が自壊して出血が始まりました。

そうなると、お家の中でもオムツをして出血を抑えなければなりませんが、ガンは次々と細胞が増殖し、出血は止まりません。

何よりも出血を見ているだけで痛々しく、最終的に腫瘍摘出手術に踏み切りました。

 

 貧血も進んでいましたが幸いに心臓は強く、手術は人工呼吸器を装着し無事に終わりました。

その後は以前に増して元気になり、近所の方からも若返ったと言われるほど顔に生気が出てきました。

この夏越せないだろうと心配されていましたが、遠くにいる息子さんも「Cちゃんが元気になったならお盆には会いに帰る」

と言ってくれたと、嬉しそうに話されていました。

熱い毎日が続くけど、お兄ちゃんに会えるのももうすぐだよ。熱中症など負けないでお盆を待つんだぞ。

 

この症例は高齢犬でもうまくいったケースです。


草むらに頭を突っ込んではいけません。まして夜なら。

2018-07-19 11:29:35 | 日記

 

  画像は夕暮れの犬の散歩・ついでに夕食も (H30.2 シンガポール川岸)

 記事内容とは関係ありません。 

 

 

暑い日が続き連日熱帯夜、夕方のお散歩も道路冷えてからというと、辺りは薄暗くなり始めます。

しかし、道端の草むらには危険が潜んでいます。

 

夜9時に慌てて来院した柴犬のSくん。まだ5か月のやんちゃ盛り。

怖いもの知らずで、何にでも興味がありすぎて、勢い草むらに頭を突っ込んだ。

「キャイン キャイン」。

 

何を痛がる?S君。

で、その顔はどうした? ベビーフェイスが台無しだ。

右顎から首にかけて腫れ上がり、右目の周囲まで変形始めている。

 

ああ、やられたな。

田んぼのあぜ道なら、マムシ咬傷。

あいにく血清がないので、解毒剤を注射。

 

次の日朝から何も食べずに1日中寝ていたという。

翌日にはすっかり元気になったようだが、草むらは懲りたかな?

 

梅雨時期と秋 マムシの時期。草むらにはご注意を。

 

以前にマムシと戦って仕留めた片手のネコもいましたが。まだ、Sくんは経験が浅いからな。

 

 


お出かけネコちゃん殺虫剤・除草剤に注意

2018-07-18 16:58:32 | 日記

いつものように朝から出かけたネコのPちゃん、夜になっても帰らない。

こんなことはなかったのに・・・。飼主さん、おかしいなと心配しながら朝を迎えた。

次の日は朝から大雨。こんな中どうしているのだろうか? 

Pちゃん 夕方になって、やっと帰ってきた。足を引きずり、ずぶ濡れで。

体は冷え切り、何も食べていないのか痩せ細っている。

最後の力を振り絞って・・・・

 

慌てて病院に連れてこられたが、衰弱しきっていた。

外傷はなく、血液では腎機能が低下し、リンが測定不能のレベルに上昇。

緊急処置に入る。

しかし、体力は限界に達しており、数時間後に息を引き取る。

原因は分からないが、状況から考えられるのは、この時期、除草剤や殺虫剤の中毒がある。

散布されているのを知らずに触れたか、汚染した物を食べたのか?

状況が分からないが中毒によるものと思われた。

外に出さなければよかったのにと、しきりに後悔される。

 (写真はPちゃんではありません) 

外に出かけるネコちゃんは少なくなって来たが、中には自分で網戸を開け、「あとぜき」をして出かけるネコちゃんもいるくらいで、

鍵を2重にするなど外出禁止対策が必要か。

散歩が欠かせない犬ではこうした機会は多く、散歩途中の草むらは、ノミダニなどの害虫だけでなく、

薬物汚染もあることもに意が必要だろう。


20数年ぶりの熱帯 シンガポール

2018-02-17 00:22:34 | 日記

連日寒さが厳しい真冬日の日本を脱出。

30度近い熱帯でしばしの骨休め。

日常を忘れてきます。

 


ガル君 金峰山の桜ふぶきを走り回っているか

2017-04-10 18:54:16 | 日記

             

ガル君が初めて病院にやってきたのは2か月半のやんちゃ盛り。人なつこくって、よく甘噛みしてたっけね。

将来は立派なイノシシ猟犬になるんだと飼い主さんは張り切っていたよ。

 ガル君の飼い主さんはボランティアで仲間と一緒に、秋から春まで毎週日曜日には金峰山周辺に出かけて農作物を荒らすイノシシを退治している。

翌春、まだ10か月だがガル君は初めてイノシシ猟にデビュー。といってもまだ子ども。臆病でイノシシに向かう勇ましさはなく、“ウリ坊”君に数メートル高さの崖から突き落とされたんだって。

 初めて怖い思いをしたね。

 次の秋には本格なイノシシ猟に出かけたけれど、やっと1歳半。まだまだ数匹の仲間と後方から吠えたてるくらい。

 そして2歳の秋。イノシシ狩猟が解禁になり本格デビューした。

その2回目の猟だったとか。

立派になったガル君は群れの先頭に立ってイノシシを追い立てていた。イノシシを追い立てる声が山から山にこだまし、向かいの山に小さくなっていく。飼い主さんが犬の群れを呼び戻したところ、ガル君たち数頭が帰ってこない。 

 猟犬にはGPSが付けられ居場所がわかるようになっているため、すぐにガル君たちを見つけたが、イノシシの牙で腹をえぐられ息が絶えていた。

 子犬の時から一緒だった飼い主さんにとっては大きなショック。

可哀そうだが猟犬の宿命だし、殉死だと思うしかない。この2年目を乗り越えれば猟犬として長生きできるのだが。と寂しげに話してくれた。

 夕日の落ちていく金峰山を見るたびに、勇敢で愛嬌のあるガル君の姿が浮かぶ。

桜の花舞う山あいをガル君は走り回っているだろう。