朝8時半前に携帯が鳴る。拾った子猫がケガしているので。と。
来院された30代後半の女性の紙袋には瀕死の子ネコ。
時間がたって出血は止まっているが冷たく心音も弱い。すぐに保育器に入れて処置。
1時間ほどで動き出すが手足がマヒしている。X線を見ると骨折はないが脳に血腫。
水分を補給し口にフードを持っていくと頭を傾けたままだがよく食べる。
夕方見に来られたが、彼女の家には犬2匹がいてこの上ネコを飼うのは難しいとのことで、今夜は入院。
次の日、子ネコは元気になって頭を持ち上げるようになったが、手足に力が入らず立ち上がることはできない。
彼女は「助けた方が良かったのか?」と職場でのことを話された。結論、生きていれば見過ごしできないし、やはり助けて良かったと思う。
お昼に引き取りに来られ、愛護センターに届けられた。運動機能に問題なければ引き取りはあるかもしれないが、この状態ではなかなか難しい。
同じ日には重なるもので、夜に帰った途端にまた携帯に呼び出された。
今度は20代の男性。体格の良い彼の手の平には2か月前くらいの子ネコ。
ウイルス性鼻気管炎に感染しているようで、瞼は腫れて涙と鼻水がひどい。
夕方会社の駐車場で子ネコがすり寄ってきて離れない、病気のようで見てほしいと。
処置をしたものの食欲が出ない。
その晩は連れて帰られ、次の日、何も食べないのでと再来院。
補液と栄養給与を実施。自分で飲んでくれないとどうしようもない。
彼の場合も、独身でアパート暮らし、猫は飼えないので会社の誰かに引き取って貰うとのこと。
それにしても、この1・2週で拾いネコ関連での来院は5件。
心の優しい人に拾われている。