ショパンのつぶやき

のなかどうぶつ病院の診療日誌

豚胸膜性肺炎は増加傾向?

2012-05-15 01:56:34 | インポート

 久しぶりの雨の中、朝から出かけた養豚農家で豚胸膜性肺炎(APP)が増加しているという。繁殖農場は2年前に移転してクリーンな状態にあるが、肥育豚舎は従来の場所のままで成績が良くない。APPワクチンを使うかどうか?

 解答はワクチンの利用が好ましいものの、コストアップをどう考えるのか?

 夕方に訪ねた農家でも、昨年に比べてAPPでチェックされる頭数が増加し、60%にもなったとか(昨年は30%もなかった)。今年からサーコワクチンを接種しているのにその効果はないのでは?その他に変わった所は添加剤が一部変わっているくらいだけだと。

 サーコのうたい文句があまりにも劇的で期待し過ぎた面があり、APP対策が手抜かりになったのかも。一旦昨年の衛生プログラムに戻してみて、良くならないならAPPワクチンを考えようか。

 この農家が出荷している長崎県のK食肉検査所の成績でも今年度はAPPが増加し、SEPは減少傾向にある。

 豚の病気も次々と新しいものが発見されているがワクチン開発は簡単に進まないし、出始めの価格は高く衛生経費も高くつく。

 日中韓FTA、TPPと自由貿易化が進む中で、養豚経営は難しくなる。