ショパンのつぶやき

のなかどうぶつ病院の診療日誌

たまたまこんな日もありましたが・・・  書きすぎじゃなーいというところも

2016-08-19 01:07:17 | 日記

8月16日の熊日夕刊にレポート記事を掲載していただきました。

かなり大きな紙面で、本人もびっくり。

取材は1か月前。突然に依頼の電話があり説明を受けたものの、熊日統合版しか取ってなくて、夕刊の内容もよく知らないまま、「広告にもなるかな」と気安くお引き受けしました。

内容は結構細かいところも書かれていて、

「中華屋さんで昼食」 ・・・・ いつもは弁当持参なのですが、その日は姪が来ていたので一緒に食べに行きました。

「夜のジムに3時間」 ・・・・ 患者さんが少なかったのと、Hスポーツジムの回数券の期限が迫っていて行かざるを得なかったということでもあります。

ということなど、あの記事内容が毎日だということではありませんので、決して誤解されないように。

でも、内容はよくまとめてあり、ちょっと書きすぎかも・・・・・・・

 


まだかまだか 出るまで待とう 

2016-07-06 15:26:51 | 日記

(4cm長の針に串刺しされた糞、この状態で出てきた)

目を離した隙に針を飲み込んだワンちゃん。

飼い主さんからの電話で、急遽駆けつけると、興奮したA君はキャリーに逃げ込んで出てこない。

見ると口元にはキラリと光る縫い針がぶら下がり、糸は口の中。

針を掴みさえすれば外せるのだが、肝心のA君は飼い主さんをも噛むワガママパピヨン犬。

うかつに口元に手が伸ばせない。

ケージにおびき入れ暴れまわるのを取り押さえたが、時すでに遅し。

口の横にあったはずの針が見当たらなくなった。周囲を探すも針は落ちていない。

しまったー 暴れる最中に飲み込んだか!

 

病院に連れ帰りX線で見ると、案の定、胃の真ん中に針が鎮座していた。

 

即切開というところだが、A君は麻酔に弱く、X線検査の際にも心拍数20以下に落ち込んだ。

胃の切開は負担が大きいので、針が排出されるのを待つことにした。

2日目、針は胃の後方に移動し、心臓に刺さる心配はなさそうだ。

3日目 針の動きがない。食欲は旺盛で、元気も問題なく経過。

4日目には再び胃の中央に戻り、胃壁の穿孔はなかったが、腸への移動が難しい。

2日くらいで出るという事例もあるが、今回は思うようには動いてくれない。

入院のストレスが大きいため一旦家に帰って様子を見てもらう。

とは言え、飼い主さんは不安で連れ帰るのをためらわれたが、異変があれば緊急手術をするということで了解していただいた。

5日、6日と経過し、我慢の限界かと思われ、手術の覚悟を決めかけた7日目。

夕方、飼い主さんからの電話。

「今出ました!! 針が黒くなっていますが糞の両端から針のようなものが見えます」

 

待つのも疲れました。

A君は以前から色んなものを飲み込むクセがあり、1か月前も掃除機のゴミをあせって、糞に混じって綿埃が出てきたばかり。

針を飲むなど普通想像できないが、糸が付いていて、さらに今回のように慌てさせるとワンちゃんは針でも簡単に飲み込んでしまう。

 

今回は緊急手術には至らなかったが、針にはくれぐれもご注意ください。


大地震 猫が教えてくれて 骨折を免れた

2016-07-05 15:19:47 | 日記

 

 

本震から2ヶ月半が経過しましたが、近所ではやっと復興が始まったばかりです。

ある患者さんの家は半壊の認定ですが住めない状態なので、市の助成による解体を申し込んでいらっしゃいますが、年内にできるかどうか分からないそうです。

移転もできず、家の1室だけを片付けてその中で暮らしていらっしゃいます。

そんな中での大雨で、雨漏りした雨水が壁から横に吹き出し、大変な状況だったようです。

それに比べれば、我が家の内壁の破れなど文句は言えません。もちろんまだ修理は手付かずです。

 

そんな中で、ペットに救われたお話をお聞きしました。

 

猫を2匹飼っていらっしゃる飼い主さん、本震の際には1匹の猫と寝ていらっしゃいました。

そして1時25分。直前に何かを感じたネコちゃん。ベッドから飛び出しました。

飼い主さんはそれに気づいて寝返りを打った瞬間でした。

ドーンと下から突き上げ。真っ暗な中で物は飛び交い家具は倒れ、ベッドにも大型タンスが落ち、寸でのところでお尻をかすめました。

もしその時寝返りを打たなかったら骨折入院。


後からお尻がちょっと痛いと見ると青く内出血。改めて身震いその後は、マンションに帰られず約1ヶ月間の車での避難生活。

もちろんネコちゃんたちも一緒。余震を明るく乗り越えられたようです。

  

日頃の恩に報いたネコちゃんの話です。

 


どこからくわえてきた? 玉砂利?

2016-07-05 11:42:11 | 日記

大きな木々に囲まれた庭園の敷き詰められた玉砂利を歩くのは涼しげです。

でも、これはワンちゃんのおなかから出てきた石です。

 

おう吐や食欲不振でやってきたC君。検査では体温が40度まで上昇し、血液検査では白血球が増加。

腎機能は正常ですが肝機能にやや異常がある程度。

不妊手術はされてなく8歳のメスということもあって子宮蓄膿を疑います。

 

お腹を触ると貯留物で膨れているが、手触りがおかしい。

少しジャリっとした感触があり、もしかしたらミイラ胎児による骨の残留かとも思われた。

X線検査でも腹部に大きく塊が見える。

 

開腹すると、野球ボール大の充血した塊があり、つまむとザックと音がする。

膜は肥厚し、その下にはピンクの正常な子宮が見える。

じゃーこれは?

塊を切り開くと あっと驚く異様な光景。 

中には白い石が大量に詰まっていた。

3cm大の石の間に小さい小石がびっしりとはまりこみ、お互いにこすれあって角は丸い。その数実に60個あまり。

そう、この臓器は膀胱。そして石とは膀胱結石。

 

術前の尿検査で、pHがアルカリ性に極端に偏り、尿蛋白や鮮血があり尿路に問題があることは分かっていたが、ここまで石が詰まっているとは予想できなかった。

 

手術の前後に2日間程点滴し無事に退院していった。

 

飼い主さんの話

 1 今年の初めころ血尿がありました。

 2 1ヶ月ほど前に、白い歯のようなものが落ちていたので口の中を見たが、抜けたようなところはないものの気になっていました。

 

こうした異常があったら早めの受診が大切です。

特に、尿のPHでは多くのワンちゃんがアルカリ性に偏っています。

ワンちゃん達は本来尿は弱酸性なのですが、フードの影響からアルカリに偏っている場合が多く、

そのためにストルバイト尿石症を起こしやすくなっています。

定期的に尿検査することが大切です。

 


熊本地震被災動物診療助が始まりました

2016-05-14 17:09:09 | 日記

 

震災から1か月が過ぎました。時折震度4の余震も起きており、なかなか終息に向かいません。

ペットたちもかなり影響を受け、病気やケガで傷ついています。また、保護や預かりの必要なペットたちもいます。

こんなペットたちへ影響を少しでも緩和できるようにと、日本獣医師会による診療助成制度か緊急に始まりました。

 内容については、震災以降ケガや病気で受診したペットたちの診療費の一部を助成するものです。

詳しくは各病院でお尋ねください。

ただ、予算額が限られており十分な助成ではありませんが、少しでも飼い主さんの負担が軽減できればという趣旨です