もーこれは泣けとゆーことですね、という前評判だったのだ『マラソン』。
いかにもお涙頂戴な設定にもかかわらず抑え目な演出で、とにかくいい!って話。韓国映画と言えば、
『八月のクリスマス』がそうだったので、何となく期待は
もっていった。でも、根性捻じ曲がっているので、簡単には泣くかとか思いつつ。ネタバレは止めとくけど、すんばらしい作品だ。映画全体としてもグレイトだ
し、主演のチョ・スンウ
のイノセントな(と書くとあー陳腐になってしまう。とにかく映画館へレッツラゴー!)笑顔。いい映画には共通して言えることではあ
るが、何気ないシーンでも感動へ誘う。ちょっとしたペーソスとかね。押し付けがましくない笑いと涙。簡単には泣くかと思いつつ泣いてしまったことを告白し
ておこう。
グロリア、っつてもシャロン・ストーンが出てる奴じゃなくて、ジョン・カサヴェテス監督渾身の一作。あーあたいもヒスパニックの少年と逃避行してマシンガンぶっ放したりするやさぐれた中年女に成熟したいものである。ジーナ・ローランズみたいにな。うん。
監督は『ワンダフルライフ』、『DISTANCE/ディスタンス』の是枝裕和。
この監督、前作では「犯罪・社会・家族・生死」をモチーフに撮っている。『誰も知らない』が、前作からどこまでそのテーマを昇華させてるかってところ。結
果は、大成功!すんばらしく洗練度の高い作品になっている。各シーンでアドリブ演出を採用。でも、全体の造作がしっかりしているところが構成力。さすがで
す。夜のモノレール。かなり印象的なショットを要所で使っている。モノトーンのストーリー展開に鋭利な接戦を入れている感じだ。ネタバレはこれ以上避ける
と、一人の少年が悲劇から一人の大人へと成長していくビルディングス・ロマン。柳楽くんの存在感は秀逸。五つ星だね。
マイケル・ムーア、前作の『ボウリング・フォー・コロンバイン』はドキュメンタリーとしては出色だったよ。それがアメリカの銃社会の見立てとして当たっているかどうかとは別にね。んが、『華氏911』は、
アンチ・ブッシュのネガティブ・キャンペーンにするために作られた映画って感じがして、あまり映像作品としては感心しなかったんだわ。何でもかんでも詰め
込みすぎやんって。ただ、映像ってみせられると重いよなーとは思う。柄にもなく、プロパガンダについて考えたりする。
ヨン様ね。何かこの人のことを悪く言ったら世間的には大変じゃないすか
今。でもあたいの好みじゃないんだよペ様は。映画自体は満足ですよ。スリリングだしね。韓国の奥深さに触れた感じもするしさ。全体としてもなかなかにおも
しろいですわ。ヨン様じゃなければもっと良かったのにと言ったら、やっぱ問題なんでしょうな。